三井化学・コクヨ 形状記憶素材の特性を「壺」で可視化

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2018年11月8日

 三井化学はこのほど、形状記憶シートの特性を「壺」で表現した作品を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」12月号の誌上で発表した。

 同社は、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト〝Material Meets Creative Team〟を進めており、これまでに無かった新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える活動を行っている。

UNFRAGMENT
UNFRAGMENT

 第6弾となった今回は、三井化学東セロの新開発品である「形状記憶シート」と、クリエイターの佐々木拓氏(コクヨ・クリエイティブセンター)とのコラボにより、初めから割れている壺「UNFRAGMENT」を製作し発表した。

 同作品は、その形状記憶性に着目し、「ゆっくりと元に戻る」特性をプロダクトに落とし込んだ。壊れた陶器を修繕することで新たな価値を生む金継ぎの技術を参考に、手で広げると壺が開き、時間の経過とともに元の状態に戻っていく。割れた状態と金継ぎされた状態を行き来する作品で、これまでに無いプロダクトの時間軸を表現した。

 三井化学東セロの形状記憶シートは、三井化学が開発した特殊ポリマーを発泡・シート化した製品で、特にその触感は高い評価を得ている。常温∼50℃付近で柔軟性を増す特性があり、人に触れている部分は柔らかく、触れていない部分は若干硬いため、サポートされている感覚が生まれる素材。

 各種ヘルスケアや医療、介護、スポーツ、シート、クッションなどの利用者にフィットするような用途で、世界に1つだけの製品開発に貢献できる素材として注目されている。