トクヤマ 窒化ケイ素設備、先進技術事業化センター内に竣工

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2021年8月2日

 トクヤマは30日、先進技術事業化センター(山口県柳井市)内の窒化ケイ素製造設備の建設工事完了に伴い、竣工式を開催したと発表した。竣工式には、山口県知事、柳井市長をはじめ、山口県議会、柳井市議会、工事関係者が臨席した。なお量産実証試験の開始は8月を予定している。

 同社は、電子材料事業を成長事業の1つに位置づけており、放熱材分野ではこれまで窒化アルミニウムを中心に展開。こうした中、製品ラインナップの拡充を図るため昨年7月より窒化ケイ素の量産技術実証のための製造設備の建設を進めてきた。

 窒化ケイ素は、環境対応型自動車などに搭載されるパワー半導体モジュールの絶縁・放熱材料として使用される。同社が開発した窒化ケイ素の製造プロセスは、低エネルギーかつ有機溶剤を使用しないソルベントフリーの、先進的で環境に配慮した独自のプロセスを採用。完成した窒化ケイ素製造設備では、原料の高純度窒化ケイ素粉末から窒化ケイ素セラミックス板までを一貫生産することで、安定的に付加価値の高い製品の提供が可能になると見られる。

 同社は今後も、電動化が進む自動車分野や情報通信分野等で高い成長が見込まれる放熱材市場において、未来に照準を合わせたさらなる製品開発を継続し、事業展開を加速していく考えだ。

トクヤマ 先進技術事業化センターを開設、30億円投資

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2020年6月4日

 トクヤマは3日、窒化ケイ素をはじめとする先端材料の事業化を目的として、新明和工業の遊休地(山口県柳井市)に「先進技術事業化センター」を開設すると発表した。製造設備を中心に2年間で約30億円を投資する計画で、来年4月ごろから順次試運転を開始し、同年夏に実証試験に入る予定。

窒化ケイ素(Si3N4)。セラミックス材料の一種
窒化ケイ素(Si3N4)。セラミックス材料の一種

 同センターは、地球環境保護やICT普及に役立つ製品の開発から事業化を手掛ける拠点として位置づける。当面は、環境対応自動車や再生可能エネルギーの発電設備などに搭載されるパワー半導体モジュール向け窒化ケイ素の事業化に取り組む。

 同社は、独自の合成技術で高純度窒化ケイ素粉末の工業化に成功し、その原料を使った板状セラミックスについても、独自技術で省エネ・安全・低コストの環境対応型製造プロセスを開発。同センターでは、これら技術の量産化に向けた実証試験を来年度から開始する。

 同社は、主要放熱材料である窒化アルミニウムのリーディングカンパニー。これまでに培った技術と豊富な経験を生かし、品質とコストを両立した窒化ケイ素材料の普及に取り組むことで、環境に優しく、持続可能な社会の構築に貢献する。

トクヤマの放熱材事業戦略
トクヤマの放熱材事業戦略