SABIC 光学熱可塑性樹脂が設計ソフトDBに初登録

, ,

2019年4月8日

 大手化学製品メーカーのサウジ基礎産業公社(SABIC)はこのほど、4種類の高耐熱光学熱可塑性樹脂が、ゼマックス・オプティックスタジオの材料データベースに追加されたと発表した。ゼマックス・オプティックスタジオは、光学システム設計ソフトウエアの業界標準となっている。

 登録された高機能性材料は、2種類の高耐熱性「レクサン」CXTポリカーボネート(PC)コポリマーのほか、「ウルテム」ポリエーテルイミド(PEI)樹脂と、「エクステム」ポリイミド樹脂の計4種類。

 これらはオプティックスタジオに初めて登録された高耐熱光学熱可塑性樹脂材料で、光学センサーやレンズの設計者に、ガラスやエポキシ樹脂以外の新しい革新的な材料の選択肢を提供することになる。

 「レクサン」CXT17とCXT19PCコポリマーは、過酷な成形条件下でも高耐熱性と高流動性、優れた色安定性をバランス良く発揮する。また、2つのコポリマーは1.6を超える高い屈折率と、紫外線可視スペクトル範囲で高い透過性を兼備している。

 「ウルテム」1010PEI樹脂は、固有の難燃性、高強度と寸法安定性、赤外線スペクトル範囲での高い光線透過率、マイナス40~180℃の広範な温度範囲で耐熱性を持つ。

 「エクステム」XH1015ポリイミド樹脂は、小型部品や複雑形状部品、薄肉部品で卓越した高耐熱性と高流動性を提供する。これらの材料は、ガラスやエポキシ樹脂にはない、大きなメリットをもたらすことができる。

 設計ではさまざまな制約を減らすとともに、設計自由度の向上、薄肉部品や長尺部品、質感の選択など、革新的な形状を実現する。

 また、成形の観点では射出成形によってサイクルタイムを短縮できるほか、エポキシ樹脂で必要となる硬化工程の排除、光学ガラスで必要な高コストの研磨や艶出し工程が不要となる。