住環境研究所 地震への意識と対策について調査を実施

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2020年9月9日

 積水化学工業・住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所はこのほど、「地震への意識と対策についての調査」を実施し、結果を報告した。

 東日本大震災から9年が経過し、この間も熊本地震をはじめとする多くの地震が発生。また新型コロナウイルスが収束しない中、改めて災害時の備え、避難を見直す動きも出てきている。

 同研究所では2019年に〝被災経験者〟を対象とした調査を実施し、ライフライン遮断にも備える住まいの必要性を確認した。今回は、災害時の「自助・共助・公助」の考え方について、「自助に重点を置く」と回答する割合が、2013年の21.7%から2017年には39.8%(防災白書:2018年)まで増えていることに着目し、被災経験を問わず5000人を対象に〝自分〟は地震被害に遭いそうか、対策の必要意識および実施済みかという点について、年代、性別での違いから〝自分ごと〟度合を明らかにするために調査を行った。

 調査結果のポイントとして、「自分は地震被害に遭いそうか」に対しては、地震被害に遭う確率は「2割以下」と回答した人が52%と半数を占め、地震被害への意識が低いことが分かった。また地震への意識は、関東や関西圏では高め、北海道や九州・沖縄では低めの傾向があり、居住地域によっても地震への警戒感に差があった。自分への被害確率〝ゼロ〟は、男性10~30代では20%超、女性10~30代では15~19%と、40~70代よりも多かった。

 「対策の必要意識」に対しては、「食料」「停電」「断水」が上位を占めた。全項目で若年層ほど意識は低く、男性20代では、「特に対策を必要と考える事象はない」と回答した人が約3割を占めた。

 「実施済みの対策」に対しては、備蓄以外の〝対策実施率〟は、全年代でも半数以下と低かった。男女ともに若年層(20~30代)では備蓄以外の項目で、対策実施率は3割を下回り、中でも男性20~30代では「特に災害対策は実施していない」と回答した人が約4割を占めた。