富士フイルム 培地事業の成長を加速し子会社2社を統合

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2019年1月28日

 富士フイルムはこのほど、細胞培養に必要な培地のビジネス拡大に向けて事業体制をより強化するため、富士フイルム和光純薬に、アイエスジャパンを4月1日付で統合すると発表した。研究開発・製造・販売機能の一体化による機能強化などを図り、培地事業の成長を加速させていく。

 富士フイルム和光純薬は、最先端分野の研究ニーズに応える総合試薬メーカーとして、高品位の製品を開発・製造するとともに、試薬のみならず化成品や臨床検査薬へと事業領域を拡大してきた。2006年には、試薬ビジネスの拡大を図るために培地事業に参入。2012年には愛知工場内に培地生産のための専用棟を立ち上げ、事業拡大に向けた取り組みを進めている。

 またアイエスジャパンは、培地のリーディングカンパニーであるIrvine Scientific Sales Company(現FUJIFILM Irvine Scientific:FISI)の日本の販売拠点として1989年に設立。現在は、販売のみならず、開発・生産の機能も兼ね備え、顧客ニーズに合わせた培地を幅広く開発できる強みを生かして、培地事業を拡大している。

 今回、富士フイルム和光純薬にアイエスジャパンを統合し、研究開発・製造・販売機能を一体化させることで、各機能の強化と効率的なオペレーションを実現する。研究開発・製造面では、両社がもつ培地の開発ノウハウ・製造技術などを融合し、研究開発のスピードアップや生産効率のさらなる向上を図る。

 また販売面では、富士フイルム和光純薬がもつ、強固な国内販売網や幅広い細胞培養関連試薬ラインアップなどを生かして、より一層の増販を進めていく。なお、統合後も、現在の両社の生産拠点を維持した体制の下で、高品質な培地を供給していく。今後、富士フイルムは、富士フイルム和光純薬とFISIの技術連携をさらに推進していくことで、培地の開発力や製造技術をグローバルで引き上げ、顧客ニーズに合った高品質・高機能な培地を開発し提供していく。