カネカ 塩化ビニル樹脂を値上げ、コスト上昇に対応

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2022年3月18日

 カネカはこのほど、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、4月1日から値上げすると発表した。対象は汎用塩ビのほか、塩ビペーストを含む特殊塩ビのすべての品種で、改定幅は「30円/kg以上」。

 昨年、3度にわたり値上げを実施したが、その後も続く石化燃料価格の上昇に加え、ウクライナ情勢の悪化に伴い、石油化学製品の基礎原料となるナフサの国際価格が急騰。また、これらの影響を受け、ユーティリティ費用や物流費用の上昇も続いている。

 同社は、コスト圧縮など事業収益の改善に努めてきたが、自助努力では限界に達していることから、価格改定が必要であると判断した。なお、不透明な国際情勢につき、ナフサ価格が急騰を続けた場合は、追加の値上げの実施も検討するとしている。

信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、1月以来3ヵ月ぶり

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2022年3月17日

 信越化学工業は16日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)の国内向け販売価格について、4月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「35円/kg以上」。

 同社は今年1月から塩ビの値上げを実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格はコロナ禍からの景気回復により上昇が続いており、さらにロシアのウクライナ侵攻により一段と騰勢を強めている。また、ユーティリティ、運賃などの諸費用も大幅に上昇している。塩ビの需給については、国内外ともにこれから定期修理シーズンを迎えることにより、タイトに推移することが見込まれる。また、日本からインド、中国などへの輸出価格も上昇している。

 こうした状況を踏まえ、同社は値上げを打ち出しており、需要家の理解を得られるよう努めていく。なお、国際情勢が不透明であるため、ナフサ価格が大きく変動した場合、改定幅の変更を行うこともあるとしている。

信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、今年3度目の実施

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2021年10月27日

 信越化学工業は26日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、11月21日納入分から国内向け販売価格を値上げすると発表した。改定幅は「40円/kg以上」。同社は今年、塩ビの値上げを2度実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格が上昇している。また、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用の上昇も続いている。

 一方、海外ではアジア、米国を中心として需要が伸長する中、年初から、北米で発生した大寒波、洪水、ハリケーンなどの自然災害や、中国の燃料不足や環境規制に伴う電力制限の影響により、塩ビの需給はひっ迫した状況が続いている。この結果、海外の塩ビ価格はすべての地域において上昇が続き、国内価格の2倍もしくはそれ以上の水準となっている。こうした状況を踏まえ、同社は、今年3度目となる国内向け販売価格の値上げを決定した。

信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年6月3日

 信越化学工業は2日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、7月1日納入分から国内向け販売価格を値上げする、と発表した。改定幅は「10円/kg以上」。

 同社は、今年4月に塩ビの原料であるエチレン価格の上昇を理由に値上げを実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格が上昇している。また、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用の上昇も続いている。同社は継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、今回の原料価格の上昇および諸コストの上昇は企業努力の限界を超えるものとなっており、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、値上げせざるを得ないと判断した。

 なお、海外ではアジアや米国を中心に需要が伸長する中、欧米の一部メーカーでフォースマジュールが出ており、世界の需給はひっ迫した状況となっている。