クラレ カルゴン社のUV・バラスト事業を伊社に売却

, , , ,

2021年6月11日

 クラレは10日、米国子会社カルゴン・カーボン社のUV(紫外線)や活性炭・ろ過膜を使って船舶のバラスト水を処理する事業を、イタリアのデ・ノラ・ウォーターテクノロジーズ社に売却すると発表した。譲渡日は今月末日を予定。譲渡金額は非公開としている。

カルゴン社のUV・バラスト事業を売却する(デ・ノラ社ウェブサイトより)
カルゴン社のUV・バラスト事業を売却する(デ・ノラ社ウェブサイトより)

 クラレが2018年に買収した世界最大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社は、瀝青炭系、木質系、ヤシ系の幅広い活性炭を展開し、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用される活性炭ビジネスの拡大を図っている。クラレは、カルゴン・カーボン社の事業ポートフォリオの見直しを進めた結果、UV・バラスト事業のリーディングカンパニーであるデ・ノラ社への譲渡を決めた。

 同事業のバラスト水処理システムは、沈殿物とプランクトンをろ過などで除去したのち、さらに微生物やバクテリアを中圧UVランプにより殺菌するもの。事業譲渡先のデ・ノラ社は、持続可能な技術を提供するグローバル企業であり、1923年の創業以来、工業用電気化学プロセスと水・廃水処理ソリューションのパートナーとして、革新的な電極や電気化学システム、高度なろ過、消毒技術を提供している。近年は、脱炭素化や水素社会に向けたエネルギー転換に対応する革新的なソリューション開発に取り組んでいる。

ランクセス 有機皮革用化学品事業を独TFL社に売却

, , ,

2020年9月8日

 独ランクセスはこのほど、皮革用化学品のグローバル企業で米国投資会社ブラックダイヤモンドキャピタルマネジメントのポートフォリオ企業である独TFL Ledertechnikに有機皮革用化学品事業を売却すると発表した。売買価格は8000万ユーロの固定要素と最大1億1500万ユーロのパフォーマンス関連要素からなり、事業に関連する一定の負債はTFLが引き受ける。株式譲渡は、関係各国の独占禁止法規制当局の承認後、来年中旬頃の完了見込みとしている。

 有機皮革用化学製品は、なめし工場の皮革製品製造の全工程で使用される。ランクセスはドイツ、イタリア、中国に製造拠点、世界中に用途開発の研究所と営業拠点をもっており、TFLはランクセスの同化学品の全ての事業と約460人の従業員を引き継ぐ。

 同事業の昨年の売上高は数億ユーロであった。これにより、同社は皮革用化学品分野から完全に撤退する。同ビジネスユニットは昨年末以来、非継続事業として会計報告している。またクロム化学品事業とクロム鉱石鉱山の株式も昨年売却しており、クロム鉱石鉱山の株式譲渡は今年末までに完了する予定だ。

 ランクセスのマティアス・ツァハトCEOは「同事業は、皮革用化学品大手のTFL社に移行することで、さらなる成長と発展が見込まれ、大きな進化を遂げると確信する。当社は、皮革製品の主要産業である自動車産業から、一定の独立性を確保できる」と述べている。