日化協 日本動物実験代替法学会、LRI賞受賞者を決定

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2019年10月1日

 日化協はこのほど、研究者奨励(育成)の一環として、〝化学物質が人の健康や環境に与える影響〟に関する優れた業績を上げた研究者を表彰するため、日本動物実験代替法学会(JSAAE)内に設立した日化協LRI賞の第4回目の受賞者を、東京理科大学工学部情報工学科の寒水孝司(そうず・たかし)氏に決定したと発表した。

 受賞テーマは「小標本データにおけるEffective Time50(ET50)の区間推定法」。実験条件である比較的少数の測定時点と組織数から得られるデータ数であっても、皮膚刺激性試験代替法の指標(50%細胞生存率)を安定的に偏りなく区間推定(95%信頼区間の構築)できるようにした。これにより、ヒト表皮モデルの効率的な使用が可能になり、試験法の有用性が大きく向上したことが評価された。

 また、バリデーション、第三者評価、統計的研究を通じて動物実験代替試験法の開発と実用化に大きく寄与してきており、今後もさらなる貢献が期待される。授賞式は11月21日に産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で開催する日本動物実験代替法学会第32回大会で執り行われる予定。

 なお、LRIとは長期自主研究活動のこと。「日化協LRI賞」はLRIの認知拡大と理解促進を図るとともに、同分野の優れた若手の研究者、世界をリードするような新しい研究分野を発掘することを目指して2015年に設立された。