東京工業大学など、全固体電池の性能を加熱処理で大幅に向上

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2022年2月24日

 東京工業大学の一杉教授はこのほど、東京大学、産業技術総合研究所、山形大学と共同で全固体電池の固体電解質と電極の界面抵抗が水蒸気により増加し、電池性能が低下することを発見。加熱処理だけで性能を大幅に向上させる技術を開発した。

 高速充電と高い安全性が期待される全固体電池は、電極材料が大気中で変質して界面抵抗が増大し、充電時間が長くなる問題がある。一杉教授らは、

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大阪ソーダ 特殊ポリエーテル使用の半固体LIBを開発

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2021年12月21日

 大阪ソーダはこのほど、山形大学とBIH社(山形大学内)との次世代リチウムイオン電池(LIB)の共同開発で、特殊ポリエーテルによるゲル状電解質を用いた安全性の高い半固体電池を開発した。

 従来のLIBは低粘度の液体電解質を使用するため、液漏れや発火などの安全性に課題がある。今回開発した半固体電池は、大阪ソーダ独自の特殊ポリエーテルを用いて電解液をゲル状にしたもの。ゲル状電解質は柔軟性・伸縮性があり、液体電解質と同等のリチウムイオン伝導性と高い保液性をもつ。また電池内の抵抗成分である電解質の分解ガスを抑制するため、電池の長寿命化と急速充電、過充電や短絡による熱暴走を防ぐ。

 釘刺し試験による液漏れ・発火はなく、充放電サイクル数は1000回以上(従来LIBは500回)、充電時間(80%充電)は半分の30分であり、安全性の大幅向上と充放電サイクル数や充電時間などの高い電池性能を両立できた。

 大阪ソーダはこの特殊ポリエーテルの量産技術開発に成功しており、今後は半固体電池の量産化に向けて供給体制を構築するとともに、ウェアラブル機器や家電などの民生用から高い安全性が求められる車載用電池まで幅広い産業用途での展開を視野に、半固体電池のさらなる性能向上や薄型化・大型化などの実用化開発を進めていく。

NEDOと山形大学 起業家支援に関する相互協力で覚書

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2019年8月29日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と山形大学は、起業家支援に関する相互協力の覚書を締結した。ビジネスプランコンテストなどを通じた大学発ベンチャーの創出に関する取り組みのほか、ベンチャー支援人材やオープンイノベーション推進人材の育成などを実施していく予定。

 具体的には、同大が実施する大学発ベンチャー創出に向けたビジネスプランコンテストなどについて、NEDOが実施する「NEDO Technology Commercialization Program(TCP)」と連携して、ベンチャー創出に向けた支援を行う。

 また、NEDOの高度専門支援人材育成プログラム「NEDO Technology Startup Supporters Academy(SSA)」や、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)の活動で、同大のベンチャー創出現場から優先的に人材を受け入れ、研究開発型ベンチャーのための伴走支援人材や、オープンイノベーション推進人材を育成する。

 さらに、同大発ベンチャーや企業化を目指す相談案件に対し、NEDO委嘱カタライザー(ベンチャー支援経験の豊富な有識者)を無料で派遣する。

 国内の産業技術のイノベーションで、シーズとなる技術をもつ大学の存在がさらに注目される中、知的財産や研究開発成果の社会実装の手段として、大学発ベンチャーの創出・育成が重要視されている。こうした背景から、NEDOは大学発ベンチャーや起業家支援を積極的に行っている大学と、起業家支援に関する相互協力の覚書を順次締結し、大学発ベンチャーへの支援を行っている。

 NEDOが大学と覚書を締結するのは、東京工業大学や山口大学などに続き、山形大学が9例目となる。

 今後、NEDOと同大は、大学発ベンチャーの創出やオープンイノベーションの推進を通じて、研究開発型ベンチャーが次々と誕生し、成功事例を積み重ねていくベンチャーエコシステムのさらなる裾野拡大や、イノベーション創出環境の整備に貢献していく。

三菱ケミカル 環境配慮テーマに山形大と連携協定を締結

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2019年4月5日

 三菱ケミカルは4日、山形大学と包括的な産学連携協定を締結したと発表した。両者は、保有する人的・知的資源の活用や、両者が実施する事業への協力などを推進し、相互の発展を図ることを目的に、先月14日に同協定を締結。協定期間は、今年4月1日からの5年間としている。

 山形大学は、材料化学分野で国内トップクラスの研究実績があり、基礎研究から実用化を意識した応用研究まで幅広い研究領域をもつ。

 三菱ケミカルは、山形大学と2005年から5年間、自動車分野などに向けた新規ポリマー材料の開発を研究テーマに包括的な共同研究を進め、以降も研究者レベルで共同研究を続け、連携強化を図ってきた。

 今回の協定では、学生参画型の共同研究として、「環境への配慮を意識した石油化学に関する研究」をテーマに取り組む。新しい触媒技術の開発や材料設計・製造技術の開発、未活用留分の再利用など、さまざまな基礎研究を推進していく。

 これを機に、将来の事業シーズ探索と、両者の若手研究者と学生の育成を目指し、さらなる成長の獲得に向けて連携強化を進めていく考えだ。