商船三井など 水素燃料船の実証に向け基本設計承認取得

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2023年10月27日

 商船三井、商船三井ドライバルク、尾道造船、川崎重工業、ジャパンエンジンコーポレーションの5社はこのほど、ゼロエミッション燃料である水素を燃料とする多目的船のリスク評価を行い、日本海事協会から区画配置コンセプトに関する基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。大型低速2ストローク水素燃料エンジンを主機関として搭載する船舶のAiP取得は世界初。

水素燃料多目的船(1万7500重量トン型)の完成予想図

 同船舶は

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川崎重工と関西電力 液化水素SC構築の海上輸送で覚書

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2022年12月13日

 川崎重工業と関西電力はこのほど、2030年の液化水素サプライチェーンの構築に向けた海上輸送などに関する協業の覚書を締結したと発表した。

 液化水素サプライチェーンを

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NEDOと川崎重工業 水素コジェネで混焼・低NOx達成

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2022年11月4日

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「水素社会構築技術開発事業」において川崎重工業は、ドライ方式燃焼器を用いた水素ガスタービンの窒素酸化物(NOz)排出量について、大気汚染防止法規制値の半分である「35㏙以下」を達成した。

水素CGS実証プラント

 神戸市ポートアイランドの

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岩谷産業など 日豪間でグリーン水素SCの事業化調査を実施

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2021年9月22日

 岩谷産業など日豪6社はこのほど、豪州クイーンズランド州グラッドストン地区を拠点とする、再生可能エネルギー由来の水素を大規模に製造・液化し日本へ輸出するプロジェクト(Central Queensland Hydrogen Project)について、事業化調査を共同で実施すると発表した。同プロジェクトには、岩谷産業、川崎重工業、関西電力、丸紅の日本4社と、豪州のエネルギー・インフラ企業であるStanwell、APAの2社が参画している。

 水素は、将来的に必要不可欠なエネルギー資源としての期待が高い。しかし、ゼロカーボン社会の実現にはCO2フリー水素の製造が求められ、日本は海外輸送を含めた水素サプライチェーンを構築する必要がある。安価な再エネ電源と輸出港の確保が重要になるが、その候補地として豪州に注目が集まる。中でもクイーンズランド州は、年間300日以上晴天が続く気候で再エネのポテンシャルが非常に高く、州政府も指針として化石燃料から再エネや水素へのエネルギー転換を打ち出し、同州の電力公社Stanwellも重要な役割を担っている。

 このような背景から、岩谷産業とStanwellは、2019年から大規模なグリーン液化水素の製造と、日本への輸出に向けた調査を開始。この結果を踏まえ、今回、日豪6社で事業化調査を進めることを決定した。

 調査内容として、主にグリーン水素の製造技術、水素液化プラントの建設、運搬船建造、ファイナンスおよび環境アセスメント、商用化モデルなどの検討を進めていく。また同事業では、長期安定的かつ安価な水素製造と供給の実施を目指している。

 現在の日本の液化水素の生産量は最大1日当たり30tだが、2026年頃に100t規模以上、2031年以降に800t以上(現在の約26倍)の生産規模を想定。Stanwellが水素製造拠点として確保している土地(約235㏊)や、水素液化・積荷拠点として確保予定の土地(約100㏊)を活用することも検討する。さらに製造したグリーン水素は、日本への輸出用だけではなく、豪州の需要先への供給も検討していく予定だ。

 各社は、同事業の活動を通じて日豪両国政府が掲げる2国間の大規模水素サプライチェーンの構築に向けて尽力するとともに、ゼロカーボン社会の実現に貢献していく。

 

NEDO 航空機エンジン向け合金開発と材料DBの構築

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2021年6月10日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、航空機エンジン用国産材料の競争力強化に向け、革新的な合金開発と材料データベースの構築を行う2件の研究開発事業に着手した。

 CO2排出量削減に向け、低燃費・高性能の航空機が求められている。その中で、航空機エンジンには高い安全性や品質保証体系、航空当局の認証管理などが要求されることから、欧米企業を中心とした寡占状態にある。日本の航空機エンジン産業は国際共同開発への参画を通じて事業規模を拡大してきたが、さらなる拡大には技術革新による優位性を維持し、設計段階から開発に携わる戦略的パートナーとなることが不可欠だ。

 今回、航空機エンジン用材料開発のための「革新的合金探索手法の開発」と、国産材料の競争力強化のための「航空機エンジン用評価システム基盤整備」事業に着手。高温・高圧環境に耐え、軽量で耐熱性、耐摩耗性、熱伝導性、導電性などに優れる合金の開発には、金属元素の組み合わせとプロセス条件決定のための膨大な実験が必要で、天文学的な時間がかかる。そこで合金探索に必要な良質のデータを大量かつ高速に収集し、マテリアルズ・インフォマティクスによるデータ駆動型合金探索手法を開発し、航空機エンジンへの適用可能性を模索する。

 一方、航空機エンジンには材料段階から厳しい認証基準などがある。国産材料の競争力を高め、材料データを効率的に得るために、関連企業や研究機関などと連携してデータベースを整備し、それに基づいて実際に部材を製造し性能評価試験などを行う。

 参加企業・機関はJX金属、IHI、川崎重工業、三菱重工航空エンジン、本田技術研究所、三菱パワー、産業技術総合研究所、金属系材料研究開発センター、物質・材料研究機構、筑波大学で、プロジェックトリーダーは東京大学大学院工学系研究科の榎学教授が務める。新合金を開発し、認証取得に必要なデータベースを構築し、航空機エンジンへの適用と日本の航空機エンジン産業の国際競争力強化を目指す。新合金による軽量化とエンジン高効率化による燃費改善で、2040年に約93万tのCO2排出量削減が期待される。

ENEOSなど 横浜市と水素FC船実証の包括連携協定を締結

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2021年3月17日

 ENEOS、日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、日本海事協会の5者はこのほど、「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」について、横浜市と包括連携協定書を締結したと発表した。

 同事業は、昨年9月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されたもの。5者は連携により、①高出力燃料電池搭載内航船舶(水素FC船)の開発②船舶向け水素燃料供給の開発③船舶での水素エネルギー利活用の情報発信④その他、災害時の高出力燃料電池搭載内航船舶を活用した事業継続性の検討―を行っていく。

 横浜市では、港湾での脱炭素化の実現を目指し、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを進めている。5者は水素FC船の開発・実証運航(2024年予定)に向けて、横浜市と連携して取り組みを進め、環境に配慮した船舶への対応をいち早く進めるとともに、横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献していく考えだ。

 なお、カーボンニュートラルポートとは、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾で、水素、アンモニアといった次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用などを図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を港全体としてゼロにする構想。

神戸製鋼など 「水素バリューチェーン推進協議会」設立

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2020年11月12日

 神戸製鋼所はこのほど、水素社会の構築・拡大に取り組む民間企業8社とともに水素分野のグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」を設立し参画すると発表した。

 多くの国々が水素社会実現に向けた取り組みを加速し、日本でもCO2削減に向けた水素利用促進が議論される中、水素需要拡大のために様々な企業が連携し、安価な水素の供給と水素利用を促進し、水素社会構築を加速させるために①水素需要創出②スケールアップ・技術革新によるコスト低減③事業者に対する資金供給の課題解決を目指す横断的な団体が必要と認識。岩谷産業、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、三井物産の9社で団体設立の具体的検討を始めた。

 「水素バリューチェーン構築のための横断的な取り組み」「水素社会実現のための社会実装の動きを加速」「金融機関と連携した資金供給の仕組みづくりの推進」を目的に12月初旬の設立を目指し、賛同する企業・自治体・団体を募る予定だ。

 同社は、同協議会の活動を通じて水素の社会実装に向けた革新的取り組みを進めることで「KOBELCOが実現したい未来」の達成を目指し、CO2削減と地球温暖化防止に貢献していく考えだ。

ENEOS 水素社会を実現する新団体の設立準備に参画

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2020年10月15日

 ENEOSは14日、水素社会の構築に取り組む民間企業とともに、水素分野でグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会」の設立準備委員会に参画したと発表した。なお、準備委員会に参画する企業は、岩谷産業(事務局)、ENEOS、川崎重工業、関西電力、神戸製鋼所、東芝、トヨタ自動車(事務局)、三井住友フィナンシャルグループ(事務局)、三井物産の9社。

 水素社会の実現に向けた取り組みは、地球温暖化対策として世界全体で加速しており、今後も、日本が世界をリードし続けるためには、水素の社会実装に直結する具体的なプロジェクトを企画・実行する組織が必要となる。このような状況を踏まえ、業種横断的かつオープンな枠組みの下、水素サプライチェーン全体を俯瞰し、水素の社会実装を推進するための組織を立ち上げる運びとなった。

 ENEOSは、水素の社会実装と関連産業の育成を目的とする同協議会の意義は極めて大きいと考えおり、準備委員会の一員として、協議会の設立と活動開始に向けた取り組みに努めていく考えだ。

 同社は、2014年から水素ステーションを通じた水素供給事業を先駆的に開始し、現在までに国内最多となる44カ所の水素ステーションを展開している。また、直近ではCO2フリー水素の国際サプライチェーン構築に向けた取り組みにも注力しており、昨年には海外からの大規模輸送を可能とする水素キャリアの1つ「有機ハイドライド」を低コストで製造する世界初の技術検証に成功した。さらに、将来の発電や産業プロセスなど幅広い分野での水素利用拡大を目指し、製油所や発電設備などの大規模な自社アセットの活用によるCO2フリー水素の受け入れ・需要創出に向けた検討も進めている。

 同社は、協議会を通じて、本格的な水素大量消費社会の到来に向けた国全体の取り組みを積極的に推進し、水素エネルギーを活用した低炭素社会の形成に貢献していく。

NEDOなど 高効率低負荷の水素専焼ガスタービン成功

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2020年8月26日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と川崎重工業、大林組はこのほど、「水素社会構築技術開発事業」で川崎重工が開発した「マイクロミックス燃焼」技術を使ったドライ低NOx水素専焼ガスタービンの技術実証試験に、世界で初めて成功した。

 ドライ燃焼方式は従来式よりも発電効率が高く、NOx排出量も低減できる。水素はガスタービン発電や燃料電池など、CO2を排出しない究極のクリーンエネルギーとして将来の中心的役割が期待されている。

 同事業は水素社会の実現に向け2017~18年度に神戸市や関西電力などの協力で「水噴射方式」の水素ガスタービンを実証試験し、世界で初めて神戸市ポートアイランド市街地への水素専焼の熱電併給を達成した。

 「水噴射方式」は局所的な高温燃焼によるNOx発生を抑える技術だが、水の蒸発により発電効率が低下。一方「ドライ燃焼方式」は発電効率が高くNOx排出量も少ないが、水素の高速燃焼による火炎逆流があり、燃焼の安定化が課題であった。

 今回、川崎重工は微小な水素火炎による燃焼技術「マイクロミックス燃焼」を使ったドライ低NOx水素専焼ガスタービンを開発。排熱回収ボイラを組み合わせたコジェネレーションシステムで、約1100kWの電力と約2800kWの熱エネルギー(蒸気・温水)を周辺の公共施設へ供給。今年度末まで、断続的な実証運転により水素発電の安定運用と発電効率、環境負荷低減効果などを検証する。

 今秋からは大林組により、燃料「水素」と地域の「熱」「電気」利用を総合管理し、経済・環境的に最適制御する統合型エネルギーマネジメントシステムを実証し、事業性評価を行う。また大林組は大阪大学、関西大学と共同で、液化水素の冷熱の活用を検討する。

 ガスタービン用の水素は、マイナス253℃(1気圧)の液化水素を蒸発器で気化させて得るが、その冷熱により蒸発器に着霜するため、除霜を行う運転停止が必要だった。プロパンガスなどの中間熱媒体で液化水素の冷熱を取り出すと着霜が回避でき、連続運転が可能となる。さらにこの冷熱でガスタービンの吸気を冷却すると、発電効率も上がる。こうした液化水素の冷熱の活用で、システム全体の効率化を図る。

 NEDOと川崎重工、大林組は、水素社会の実現に向け、地域コミュニティーでの効率的エネルギー利用につながるエネルギー供給システムの確立を目指し、本事業を着実に実施していく。

ドライ低NOx水素専焼ガスタービンの実証試験プラント
ドライ低NOx水素専焼ガスタービンの実証試験プラント

NEDO 石炭火力のCO2固体吸収法の実証研究を開始

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2020年8月5日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、はこのほど、CO2分離・回収コストの大幅低減が期待される固体吸収法について、実際の石炭火力発電所で燃焼排ガスを使用するパイロット規模の研究開発に着手すると発表した。川崎重工業と地球環境産業技術研究機構に委託し、石炭火力発電所での燃焼排ガスのCO2分離・回収の長期連続運転試験を行う。事業期間は2024年度までの5年間。

 CO2排出量の大幅削減には、分離・回収したCO2の地中貯留(CCS)や、原料として利用するカーボンリサイクルの推進が重要になる。経済産業省の「カーボンリサイクル技術ロードマップ」はCO2分離・回収の重要技術として固体吸収法を挙げ、今年の「革新的環境イノベーション戦略」で同手法による燃焼排ガスの研究開発の方針を示した。固体吸収法は化学吸収法(液体)と異なり、CO2の脱離に要するエネルギーは少なく、分離回収コストを半減(CO 2 1t当たり2000円台)できる可能性がある。

  NEDOは、2018年から固体吸収法の実用化研究を進め、ベンチスケール試験(日産数t規模)でCO2分離・回収エネルギー1.5GJ/tを達成(化学吸収法の約6割)。吸収方式はアミン担持多孔質材料の移動層方式。実燃焼排ガス使用のスケールアップ試験用に、石炭火力発電所に試験設備(数十t/日)を設置し、CO2分離・回収の長期連続運転試験を行う。同時に固体吸収材の性能向上、製造技術・シミュレーション技術の高度化も進め、スケールアップ試験に反映させる。2030年までに、固体吸収法の技術確立を目指す。