千葉大学など 有機半導体の光電子物性の本質を解明

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2023年12月20日

 千葉大学、理化学研究所、広島大学の共同研究チームはこのほど、有機半導体の励起子束縛エネルギーの精密測定に世界で初めて成功し、バンドギャップの4分の1に比例することを発見した。

 有機半導体は、シリコンなどの

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広島大学 三原色発光するシリコン量子ドットフィルム開発

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2022年12月14日

 広島大学はこのほど、同大大学院理学研究科らの研究グループが、光の三原色(赤・緑・青)で発光するナノシリコン(シリコン量子ドット:SiQD)溶液の合成、フレキシブルな量子ドットフィルムの作製、さらにそれらの加速劣化試験に成功したと発表した。 

(a)赤色、緑色、および青色のシリコン量子ドット(SiQD)から作製したのフレキシブルSiQDフィルムの写真(厚さ0.5mm、大きさ40mm×40mm)。(b)赤色、緑色、青色SiQDの耐久性の加速試験。母材となる高分子はシリコーンエラストマー(PDMS)。フィルムの暗所(三角)および太陽光照射下(四角)での発光強度の安定性。(c)80℃の熱水に浸漬した青色SiQDフィルムの発光強度の安定性。実線と破線の曲線は、それぞれPDMSとフッ素系樹脂(PVDF)を母材としたSiQDフィルム

 フレキシブルな量子ドットフィルムの

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東京大学ら ポリマー半導体への分子ドーピングが制御可能に

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2020年12月14日

 東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、広島大学などによる共同研究グループは、世界で初めてポリマー半導体の立体障害と分子ドーピングの相関を明らかにし、ポリマー半導体の「隙間」サイズを制御することでドーピング量を100倍向上させることに成功した。

 半導体の結晶中に不純物(ドーパント)を添加することで、半導体中の電子数やエネルギーを精密に制御できる。 シリコン半導体のドーピングは、シリコン原子を別の原子に置換して行うが、ポリマー半導体のドーピングはユニークな形・サイズのポリマー分子とドーパント分子を複合化する必要があり、複雑な立体障害を制御する必要がある。

 同グループは結晶性ポリマー半導体へのドーピングに着目し、結晶性ポリマー半導体1ユニット当たり1ドーパント分子を高密度に複合化する技術を開発したが、ドーピング効果を最大化する分子設計指針は明らかではなかった。

 今回、結晶性ポリマー半導体のナノスケールの「隙間」に着目し、立体障害と分子ドーピングの相関を系統的に調査した結果、電気を流す骨格に周期的に付いた側鎖の密度を精密に制御し、隙間を適切に拡張することで、分子ドーピング量を100倍程度増加させることに成功。隙間を拡張した結晶性ポリマー半導体は従来の3倍程度の体積のドーパント分子を複合化でき、ほぼ最密充填された分子複合体を作製することにも成功した。

 結晶性ポリマー半導体の隙間とドーパント分子サイズの関係が明らかとなり、これまでにない様々な分子複合体材料の設計指針が明確になった。また、最密充填した分子複合体は金属のように電気が流れやすく、熱耐久性や環境耐久性も向上することが分ってきた。今後、異なる分子の複合化という単純な化学操作による革新的な電子・イオン材料の創製が期待される。

帝人 広島大学発ベンチャーに出資、ヘルスケア事業を強化

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2020年9月17日

 帝人は16日、広島大学発のベンチャー企業で未病・疾患早期発見検査を提供するミルテル(広島県広島市)に出資し、業務提携契約を締結したと発表した。

 今後、帝人グループでニュートラシューティカル製品(健康維持に科学的根拠をもつ食品)の販売を手掛けるNOMON(東京都千代田区)が、ミルテルが展開する血液検査による未病検査や、がんなどの疾患の早期発見を促す検査の販売支援を行い、ミルテルがNOMONのサプリメントを販売する。こうした相互の販路活用によって販売協力し、両社の認知拡大に取り組んでいく考えだ。

 ミルテルは、広島大学大学院の田原栄俊教授の研究成果を実用化するため、2012年に起業した同大発のベンチャー企業。翌年には遺伝子検査業務を行う衛生検査所として登録し、未病検査「テロメアテスト」、がんなどの疾患の早期発見を促す検査「ミアテスト」などの「ミルテル検査」を医療機関に提供。疾患の予防と早期発見を通じて、国民の健康長寿や医療費の削減に貢献することを目指している。

 一方、帝人のグループ会社であるNOMONは、高純度NMNを配合したサプリメントなどの販売を行い、前向きに歳をとるプロダクティブ・エイジングの実現を目標に掲げる。こうした中、帝人グループとミルテルは、健康寿命延伸や医療費削減への貢献という理念を共有できたこと、事業の展開領域や戦略、保有技術などからシナジーが期待できることから、今回の出資および業務提携契約の締結に至った。

日本化学工業協会 LRI賞の受賞者を広島大学の古武教授に決定

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2019年5月27日

 日本化学工業協会(日化協)はこのほど、日本毒性学会内に設立した日化協LRI賞の第5回目の受賞者に、広島大学大学院医歯薬保健学研究科の古武弥一郎教授を決定した。テーマは「化学物質神経毒性の分子基盤解明と毒性評価指標の開発」。

 主な受賞理由は2点。1点目は、有機スズなどの神経毒性を有する化学物質が、生体内に存在するグルタミン酸受容体(GluR2)のタンパク質レベルを減少させることを見出すなど、化学物質の神経毒性メカニズムの解明に貢献したこと。

 2点目は、化学物質の神経毒性評価で、GluR2の発現低下が評価指標として有用であることを示したこと。この評価指標を用いることでIn vitro(試験管内)での鋭敏な神経毒性の予測評価手法として実用化が期待できる。

 LRIとは、国際化学工業協会協議会(ICCA)に加盟している欧州化学工業連盟、米国化学工業協会、日化協の3つの団体によって1999年から運営されているグローバルプログラム。化学物質の安全性を向上させ、不確実性を低減させることを目的に「化学物質が人の健康や環境に与える影響」に関する研究を、長期的に支援する自主活動である。

 日化協では2000年からLRIを通じて、年間最大1億円の研究支援を始め、2015年にはLRIの認知拡大と理解促進のほか、優れた若手の研究者、世界をリードするような新しい研究分野を発掘することを目指し、日本毒性学会内に日化協LRI賞を設立した。

 なお、授賞式は6月26~28日にアスティとくしま(徳島県立産業観光交流センター)で開催される、第46回日本毒性学会学術年会で行われる。