デンカ 「アビガン」原料のマロン酸ジエチルを生産開始

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2020年5月14日

 デンカは13日、新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の原料となる「マロン酸ジエチル」の生産を今月16日より青海工場(新潟県糸魚川市)にて開始すると発表した。

 同社は、新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、生産設備の立ち上げ準備を最優先で進めてきた。今後も関係各方面と連携し、日本政府が緊急経済対策として決定した「アビガン」の備蓄量200万人分拡大に向け、5月末~6月にかけて出荷を開始し、確実な原料供給を行っていく考えだ。

 

宇部興産 「アビガン」中間体の緊急製造・供給開始へ

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2020年4月24日

 宇部興産はこのほど、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内の医薬品工場で、富士フイルム富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の原薬主骨格を成す重要な中間体の製造と供給を開始すると発表した。

アビガンの中間体等を製造する宇部興産医薬品工場
アビガンの中間体等を製造する宇部興産医薬品工場

 「アビガン」は現在世界で蔓延する新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する効果が期待されており、日本国政府も同剤の治験および承認手続きの早期推進と、日本国内での生産体制の構築を進めている。

 宇部興産はグローバルに医薬品の原体・中間体製造を展開しており、抗インフルエンザウイルス薬としての「アビガン」中間体の製造と供給に実績を持つ。今回、サプライチェーン各社と協力することで、COVID‐19の罹患者へより早期の「アビガン」提供に貢献できるよう、現在、緊急製造開始に向けて準備を進めている。

 同社は創業の精神である「共存同栄」の観点に立ち、この要請に応え、社会に対する企業使命を果たしていく考えだ。