ユニチカ 熱マネジメント適用可能な放熱PA樹脂を開発

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2019年1月16日

 ユニチカは、高い性能要求・熱マネジメントに適用可能な放熱ポリアミド(PA)樹脂製品群を開発した。同製品群は、ベース樹脂および熱伝導率の選択幅が広く、熱伝導率と物性のバランスに優れることからさまざまな提案が可能。LED部材やモーター部材などの自動車分野や、電子・電気分野の熱マネジメントへの貢献を見込んでいる。

 近年、環境意識の高まりに伴い、世界的な排出ガスの削減ニーズが高まる中、自動車のEV化が急速に進んでいる。車載スペースが限られていることから、モーターの小型化はますます進む見込みだが、放熱空間の減少といった問題をもたらすため、新しい熱マネジメントが必要になる。一方では、燃費向上の観点から金属を樹脂に代替する軽量化も重要な課題で、軽量化を実現しつつ熱マネジメントを行うため、高い熱伝導率を有する樹脂製品の要求が高まってきている。

 同社はこうした要望の多様化に応じるため、これまで培った配合技術と幅広いPA樹脂のラインアップを活用し、さまざまな性能要求および熱マネジメントに適用可能な放熱PA樹脂を開発。ベース樹脂に放熱フィラーを配合することで熱伝導率を付与しており、ベース樹脂がもつ本来の特徴は損なわずに高い熱伝導率を発現する。

 独自の配合技術により放熱樹脂で課題となることが多い流動性を大幅に改善したことで、一般的な射出成形機で成形が可能となった。また、ベース樹脂はPA6樹脂、PA66樹脂、高耐熱PA「Xecot」などの多くの種類から適宜選択できるため、さまざまな耐熱ニーズに対応。さらに、導電タイプと絶縁タイプに分かれているため、さまざまな環境下においても、幅広い熱伝導率、耐熱性の選択ができる。

 今後の展開として、LED部材やモーター部材を中心としたアプリケーションに製品開発・用途開発を積極的に進め、放熱PA樹脂の採用拡大を目指していく。

 なお、同製品は「第11回オートモーティブワールド ~第9回クルマの軽量化技術展」(16~18日:東京ビッグサイト)に出展される。