クラレ マスクフィルター用不織布の国内生産体制を強化

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2020年6月16日

 クラレは15日、不織布と不織布製品の製造・販売会社であるクラレクラフレックスで現在増設中の、岡山工場(岡山県岡山市南区)メルトブローン不織布の生産設備について、マスクフィルターも生産可能な設備に変更すると発表した。

 マスクフィルター用不織布の需要増大に対応するため設備を増設し、メルトブローン不織布の生産能力を年産900tから2700tに引き上げる。マスク換算で年産約3億枚の原反の増産体制を整えることで、新型コロナウイルスの感染拡大防止に貢献していく考えだ。今年11月末の稼働を予定。

 メルトブローン不織布は、バインダーを使わず原料ポリマー100%からなる不織布で、極細繊維の緻密な構造により、マスク用をはじめ各種フィルターに使用されている。新型コロナウイルス感染対策として国内のマスクの需要が急速に拡大する一方で、マスクフィルターは不足しており、とりわけ医療用途で使用される高性能なフィルターの不足は深刻な問題となっている。

 同社はメルトブローン不織布をフェイスマスクや食品・飲料ろ過フィルター、エアフィルターなど、様々な用途に展開しているが、既存設備は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴う、マスクフィルター需要のひっ迫を受け、フル生産が続いている。こうした状況の下、現在増設工事を行っているメルトブローン不織布設備の、マスクフィルターが生産可能な設備への変更を決めた。

 今後も、クラレグループは「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という使命の下、独自の技術で世の中に役立つ製品を提供していく。