花王 化粧品にケミカルリサイクルPETボトルを採用

, , , ,

2021年6月22日

 花王はこのほど、日本環境設計のグループ会社ペットリファインテクノロジーが製造するケミカルリサイクル(CR)PET(ポリエチレンテレフタレート)素材を化粧品のボトル容器に採用したと発表した。プラスチック循環社会の実現を目指す取り組みの一環で、今月から、化粧品ブランド「トワニー」のボトルを皮切りに順次導入する。

 環境負荷低減への社会的な気運は高まり、化粧品業界でも環境に配慮した商品を選択する人が増えるなど、消費者の購買意識に変化が見られる。一方、再生プラスチックを包装容器として採用するには、品質の担保と安定供給が必要となる。

 今回採用するCRPETは、日本環境設計のCR技術「BRING Technology」により開発。これまで難しいとされてきた着色や加飾があり、また中身が付着した化粧品容器でもバージンPETと同等品質のPET素材に再生でき、内閣府食品安全委員会に食品容器としても承認されている。幅広い使用済みPET素材がリサイクルできることから、再生材の安定的な供給も期待できる。

 花王はこれまでもプラスチックごみ問題に対し、プラスチック包装容器の薄肉化、つめかえ・つけかえの促進と大容量化、内容物の濃縮化、本品容器へのフィルム素材の活用などによって貢献してきた。2018年にはプラスチック包装容器に関する姿勢を「私たちのプラスチック包装容器宣言」として公表し、2019年にはプラスチック循環社会の実現に向けて「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」に注力していくことを発表している。

 今後、化粧品PETボトル容器の水平リサイクルを実現するために、CRPET素材を使用したボトル容器の採用を順次拡大し、使用済み容器の回収・再利用についても検討を進め、プラスチック循環社会の実現を目指していく考えだ。

P&G、プラリサイクル「プラごみペイ」を北海道で開始

, , , ,

2020年6月26日

 プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)はこのほど、日本環境設計(東京都千代田区)とともに、一人ひとりの「地球への敬意を払いたい」という気持ちを後押しするプラスチックリサイクルの新しい枠組み「プラごみペイ」プロジェクトの北海道地域限定トライアルをスタートした。

 P&Gは「世界を変える力、未来を育てる力」のテーマの下、持続可能な消費のための様々な取り組みを推進。2030年までの重要戦略の1つである環境サステナビリティ対策の一環として同プロジェクトに取り組む。

 近年、誰もがリサイクルは重要と考えているが、忙しい日常の中での行動には難しさもある。そこで消費者が気軽に、簡単にプラごみのリサイクルに参加できる「プラごみペイ」プロジェクトを用意。日々深刻化する問題「プラごみ」、身近になったキャッシュレス「PAY=ペイ」、そして家族と住まう地域への貢献をかけあわせ、「プラごみを減らすことで、地球に敬意を払い、資源も、楽しさも、循環する」ことを目指す。

 LINE公式アカウント「P&GプラごみPAY」を友だちに追加、店舗の回収ボックスにプラごみを投函するとLINEポイントが5ポイント付与され、再生されたプラスチックは地域社会に還元する仕組みだ。

 トライアル運用は、サッポロドラッグストアー(札幌市)の協力で北海道の「サツドラ」174店舗で8月2日まで実施される。トライアルの効果検証の後、日本全国の自治体、小売業、リサイクル業者など幅広く協働することで持続的なプロジェクトに育てていく考えだ。日常のプラごみが「価値」に変わるという新しいアクションの、全国展開を目指している。