三菱ケミカル 生分解性CPD採用のカトラリー、国内初生産

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2021年3月10日

 三菱ケミカルは9日、生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS(フォゼアス)」が東商化学(東京都世田谷区)のカトラリーに採用されたと発表した。国内で「フォゼアス」を使用したカトラリーが生産されるのはこれが初となる。

FORZEASを使用したカトラリー製品
FORZEASを使用したカトラリー製品

 「フォゼアス」は、三菱ケミカルが開発した「BioPBS」をベースとし、その耐熱性の高さや他樹脂との相性の良さという特長を生かしながら、他の生分解性樹脂とのコンパウンドにより単体では発揮できない性能をもつ複合材料。また植物由来で、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特長も備える。

 東商化学はスプーン、ナイフ、フォークなどのカトラリーを製造・販売する国内トップシェアのメーカー。コンビニエンスストアをはじめ、ファーストフード店、コーヒーショップなどで幅広い採用実績がある。

 今回「フォゼアス」が採用されたカトラリーは耐熱性に加え、なめらかな触感や丈夫さが必要となる製品だが、三菱ケミカルのコンパウンド技術と東商化学の射出成形技術により、材料・成形の両方向から改良を重ね製品化に至った。

 現在、テイクアウトやデリバリー需要の高まりとともにプラスチックカトラリーのニーズも増加している一方、プラスチックに対する環境配慮への要求はますます高まっている。三菱ケミカルは、今後も「BioPBS」や「フォゼアス」をはじめとする生分解性のある植物由来樹脂の研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。