出光興産 研究所主任部員が高分子学会のフェロー表彰者に

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2020年10月5日

 出光興産はこのほど、機能化学品部機能材料研究所・機能化学品基材開発グループの岡本卓治主任部員が、高分子学会より、新規低規則性ポリプロピレン「エルモーデュ」の開発・工業化への貢献が評価され、フェローの称号を授与されたと発表した。

 高分子学会は、会員数1万人を超える学術団体で、高分子科学の基礎的分野、応用分野(電気、電子、情報、バイオ、医療、輸送、建築、宇宙)など幅広い科学技術の発展、並びにそれらを担う人材の育成を図っている。フェローの称号は2007年に創設され、アカデミック・企業研究者を問わずこれら発展に業績をあげ、今後の貢献が期待される会員へ授与される。今回フェローの称号を授与された岡本主任部員は、新規低立体規則性ポリオレフィン「エルモーデュ」の開発とその工業化に関する貢献の取り組みが評価された。

 「エルモーデュ」は、同社が開発したメタロセン触媒技術によりポリプロピレンの立体規則性を低く制御した新規な独自材料。2000年頃より開発をはじめ、工業化した2011年には高分子学会賞を受賞、翌年には日本化学会科学技術賞を受賞している。現在は同社千葉事業所(千葉県市原市)で生産(年産4万t)し、ホットメルト接着剤、不織布、フィルムなどに使用されている。

 同社は今後も、高分子科学技術に関する研究開発・工業化の強化に努めるとともに、社会ニーズにマッチした素材開発を通じ社会貢献に取り組んでいく。