帝人 水素燃料電池を販売、英IE社と販売代理契約を締結

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2021年2月2日

 帝人は1日、英国の燃料電池メーカーであるインテリジェント・エナジー(IE社)との間で販売代理契約を締結し、日本での水素燃料電池の販売を開始すると発表した。

 パリ協定の合意以降、各国でカーボンニュートラルの実現に向けた目標が宣言されるなど、脱炭素化に向けた動きが加速しており、日本政府も「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」旨の宣言を行った。こうした動きは、エネルギー分野についても加速しており、再生可能エネルギー発電や低炭素発電の開発などが注目されている。

 一方、帝人は、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」やSDGsに賛同し、中期経営計画の中では「環境価値ソリューション」の提供や環境負荷低減に関する長期目標を掲げ、事業や諸活動を展開。このほど、水素燃料電池の利用を普及させることで持続可能な社会の実現に貢献できると考え、IE社と販売契約を締結した。

 今回、販売を開始する水素燃料電池は、IE社が開発した出力が三種類(1.2kW、2.5kW、4.0kW)のもの。1台当たりの重量が10~20kgと軽量でコンパクト性に優れているため、様々な用途で発電装置に組み込むことができる。また、ディーゼルエンジンに比べて静粛性に優れ、メンテナンスがほとんど必要ないことから運用しやすく、さらに廃棄物が発生しないため土壌汚染の問題がない。

 帝人は今後、すでにこの水素燃料電池の採用に向けて実証実験を行っている日本フイルコンをはじめ、情報通信業や建設業、製造業などに向けた販売を進め、2030年度までに売上高10億円の達成を目指す。