旭化成 日本における免疫調整剤の販売ライセンスを契約

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2021年7月20日

 旭化成ファーマとサノフィは19日、皮膚エリテマトーデス(CLE)および全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬「プラケニル錠 200㎎」(一般名:ヒドロキシクロロキン硫酸塩)について、日本における販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。今回の契約に伴い、今年10月1日をもって「プラケニル」の販売をサノフィから旭化成ファーマに移管する予定。なお、サノフィは引き続き同薬剤の製造販売承認を保持し、製造を行う。

 「プラケニル」はアミノキノリン類に属し、主な作用として抗炎症作用、免疫調節作用、抗マラリア作用を有する薬剤。日本では過去に抗マラリア薬などとして販売されていたクロロキンと類似した作用機序および化学構造をもつ。しかし、組織に対する親和性がクロロキンと比較して弱く、クロロキンの副作用のひとつである網膜障害の発現率も、ヒドロキシクロロキンでは相対的に低いことが報告されている。

 「プラケニル」は現在欧米諸国を含む70ヵ国以上で承認されており、CLEおよびSLEに対して海外では標準的治療薬と位置づけられている。日本では、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、海外の状況から医療上の必要性が高い薬剤と評価された。2010年に厚生労働省から開発要請を受けたサノフィが開発を進め、2015年に「CLEおよびSLE」の効能・効果で製造販売承認を取得し、同年に発売した。

 両社は、今回の契約を通して今後もCLEおよびSLEの治療に貢献していく。