日本液炭 液化炭酸ガスおよびドライアイスを値上げ

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2022年12月14日

 日本液炭はこのほど、液化炭酸ガスおよびドライアイスについて2023年2月出荷分から値上げすると発表した。改定幅はいずれも「20%以上」。

 同社はエネルギー市況高騰による電力料金の上昇や鋼材価格・各種原材料費の高騰、また原料を依存する製油所などの事業縮小による調達量減少を補完するためのコスト上昇に伴い、今年2月出荷分から「平均15%程度」の価格改定を進めてきた。

 しかし、それ以降も電力料金は大幅に上昇し続けており、足元のエネルギー市況・為替動向や脱炭素の潮流からも、製造に係わるユーティリティーコストは当分高止まりすることが想定される。

 また、原料ひっ迫による長距離輸送の増加や物流人件費の上昇など、安定供給のためのコストは、著しい上昇を続けている。こうした中、同社は、上昇コストの吸収は企業努力の範囲を大きく超え、従来価格の維持が困難なものとなっていることから、高品質な製品を継続的に安定供給するために、今回、改めて価格改定を決定した。

岩谷産業 液化炭酸ガスの生産能力を8万6000tに倍増

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2020年4月22日

 岩谷産業はこのほど、液化炭酸ガスの安定供給に向けて、来年7月の稼働を目標に、千葉県にある液化炭酸ガス製造設備の製造能力を2倍に増強すると発表した。今回の生産能力の増強は年産約4万3000tで、設備が完成すれば既存プラントを含め同8万6000tとなる。

 同社は、国内の石油精製やアンモニア製造などの化学プラントで副生する高純度の炭酸ガスを、液化・精製して販売している。しかし、昨今の石油化学製品の生産量減少により、需要が増加する夏場を中心に炭酸ガスを十分に確保することが困難な状況となっている。

 そのため、遠方の液化炭酸プラントからの長距離輸送や、炭酸ガスを原料とするドライアイスの輸入調達などで対応しているのが現状。また、炭酸飲料向けや菜園向けの需要増が今後も見込まれているため、さらなる安定供給が求められる。

 そこで、主力拠点である岩谷瓦斯千葉工場で、液化炭酸ガス製造設備の増設を行う。原料ガスは従来通り、コスモ石油千葉製油所の炭酸ガスを有効利用する。

 岩谷産業は、今後も炭酸ガスの安定供給体制の確保に継続して取り組む方針だ。

大陽日酸 子会社が宇部工場を新設、液化炭酸ガス・ドライアイス製造

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2019年12月12日

 大陽日酸は11日、子会社の日本液炭が山口県宇部市の宇部興産の敷地内に、液化炭酸ガスとドライアイス製造工場=宇部工場=の新設を決定したと発表した。生産能力は、液化炭酸ガスが200t/日、ドライアイスが150t/日(黒崎工場、水島工場からの移転分を含む)で、2021年11月の完成を予定する。投資額は約60億円。

 日本液炭は、国内の石油精製や化学プラントから副生される炭酸ガスを回収し、液化・精製して、液化炭酸ガスやドライアイスとして販売することで、環境負荷低減に貢献している。しかし、近年の原料ガスの大幅な減少により、製品需給が恒常的にひっ迫している状況にある。

 こうした中、宇部興産から借用する敷地内に、同社のアンモニア製造プラントから副生される炭酸ガスを原料として製品を製造する宇部工場を新設し、炭酸ガスの再利用促進とともに、製品の安定供給体制を確保していく。

 これと同時に、ドライアイス製造機能を、日本液炭の黒崎工場(三菱ケミカル・福岡事業所内)と水島工場(同・岡山事業所内)から宇部工場に移転集約。ユーザーのニーズに併せた使用形状まで加工できる設備も備えることにより、ドライアイス事業の効率化を進めていく考えだ。