三井化学 6年ぶりに社長交代、4月に新体制が発足

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2020年2月10日

橋本修次期社長「さらなる企業価値向上目指す」

淡輪社長(左)と次期社長に就任する橋本専務
淡輪社長(左)と次期社長に就任する橋本専務

 三井化学は6年ぶりとなる社長交代人事を発表し、4月1日付で橋本修取締役専務執行役員が就任する。

 5日、淡輪敏社長とともに記者会見に臨んだ橋本専務は、「このたびは大変な重責を拝命することになり、非常に身の引き締まる思いだ」と胸のうちを明かし、「淡輪社長が旗を振ってきた

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《化学企業トップ年頭所感》三井化学 淡輪敏社長

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2020年1月8日

 昨年は、残念ながら一昨年に続いて事故やトラブルが発生し、撲滅には至らなかった。言うまでもなく、安全は当社グループの全ての事業活動の原点であり大前提だ。年頭にあたり、今一度「安全は全てに優先する」方針を社員1人ひとりが心に刻み、今年こそ徹底して事故ゼロを目指していきたい。

 昨年を振り返ってみると、「2025長期経営計画」を実行に移してから3年が経った。2019年度の業績は、厳しい環境変化に加え、台風被害などの一過性の要因もあり、当初見込みの営業利益1050億円から840億円に下方修正した。

 しかし、成長3領域が厳しい環境下でも収益レベルを維持し、基盤素材事業も構造改革により一定の安定感が出てきたことは、皆さんのたゆまぬ努力の成果と考えている。つまり、われわれが歩んできた方向性に間違いはなかったと言えるだろう。今後は、修正した目標の達成に全力を尽くすとともに、中長期的な視点を持って引き続きポートフォリオ変革を進めていきたいと考えている。

 こうした中、世界に目を向けてみれば、世界が直面する政治・経済・環境面での課題は、マグマのように至るところで噴出している。ポピュリズム(保護主義)の台頭と世界の貿易・経済への影響は短期的な解決は期待できず、また、気候変動や海洋プラスチックごみなど、当社グループに影響のある環境問題への関心も大きくなるばかりだ。

 今、世界で何が起こっているのか、どのように自身の仕事や生活に影響を及ぼしているかをしっかり認識し、アンテナを高くして柔軟に対処してほしい。

 私は就任以来、「組織の風通しのよさがツキを呼ぶ」と皆さんに伝えてきた。組織の風通しがよいと社員が明るくなり、人も情報も集まり、最後によい結果が呼び込まれる、との思いを込めた私なりの表現だ。当社が持続的に成長するために、世界各国の拠点の皆さんと一緒になって、コミュニケーションを深め、連帯を図り、風通しのよい組織で知恵を出し合ってもらいたい。

 日本でオリンピックが開催される今年が、皆さん1人ひとりにとって明るく健やかな1年であることを心から願っている。

三井化学 淡輪社長「ポートフォリオ改革で事業基盤強化」

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2019年11月18日

 三井化学は15日、本社で経営概況説明会を開催した。淡輪敏社長は業績について「成長3領域(モビリティ・ヘルスケア・フード&パッケージング)は利益成長が継続しているが、基盤素材は、一過性の要因に加え市況変動の影響を受けた。下期も経済環境は厳しく市況回復は見込めない」とし、通期業績予想を下方修正した背景を語った。そして「構造改革

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【2019年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長 淡輪敏 氏

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2019年8月13日

 増設・増強でナフサクラッカー強化、下流の競争力を向上

 ━ 昨年度の振り返りと、今年度の見通しについてお伺いします。

 三井化学淡輪社長 対外的なカントリーリスクなどがあったが、国内需要はそれなりに推移し、その状況下では比較的底堅く動いていったのではないか。ただ、原料価格の急変、特にナフサの急落は、一過性ではあるが、負のインパクトがあった。

 また、当社として反省すべきは事故がなかなか止まらないことだ。昨年6月の大阪工場・用役プラントでの火災事故も負のインパクトとなり、3年連続の最高益更新には至らなかった。ただ当期純利益が最高益を更新できたことは、一定の手応えを感じている。

 今年度については、社内に向けて、「潮目が変わった、

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【化学企業 入社式訓示①】三井化学 淡輪敏社長

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2019年4月2日

 皆さん、三井化学への入社、おめでとう。三井化学グループを代表し、心より歓迎する。

 三井化学はポートフォリオ変革に向けて積極投資のフェーズにある。企業として利益を上げていくことは、当然の責務であり、利益を上げる「強い会社」でなければ、厳しい競争の中では存在していけない。

 一方で、「強い会社」であるだけでは、存在する価値がないと言える。社会課題にどう貢献し、環境に対してどれだけの良い影響をもたらせるか。また、年齢や国籍、性別にとらわれず、お互いを1人のプロとして認め合う自由闊達な企業文化も、かけがえのない財産だと考える。

 こうした無形の価値をもった会社を、私は「強い会社」の対比として「いい会社」と呼んでいる。「強い」だけでなく「いい会社」の実現に向けて、共に考え、行動していこう。

 三井化学の一員となった皆さんは、3つのことを心に留めておいてほしい。

 ①「安全最優先」。社会の一員として果たすべき一番大切な責任は、「安全を守ること」だ。一人ひとりが「安全は自分自身のため、家族、同僚、社会のため」と心に刻み、常に「安全を最優先する行動」をお願いする。

 ②「胆識(たんしき)」。学者、政財官界の指導者として知られる安岡正篤の「識」に関する言葉を紹介したい。

 人の話を聞いたり、書物を読んだりして得られるものが「知識」。これに経験と学問が積まれると「見識」になり、さらに実行力が加わってはじめて「胆識」となる。積極的に経験を積んで「見識」を深め、「胆識」を身につけた人間になってほしい。

 ③「魅力的な人間を目指す」。仕事とは、さまざまな強みをもつ人々との共同作業を通して成果につなげるものであり、最後にものをいうのは一人ひとりの人間力だ。互いに尊敬し合い、幅の広い魅力的な人間を目指してほしい。

 世界は急速に変化している。私たちが提供すべき製品、技術、サービスも次々と変わっていく。そんな時代に三井化学の一員となった皆さんには、新しいことへの挑戦と、新しい仲間との出会いを楽しみ、三井化学というフィールドで存分に持ち味を発揮してもらいたい。期待している。

《化学企業トップ年頭所感》 三井化学 淡輪敏社長

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2019年1月8日

 昨年6月、大阪工場の定期修理中に火災事故が発生した。お客様への影響を最小限にすべく、生産現場では事業部門と連携した懸命な復旧作業により、何とか早期の復旧に繋げることができた。年頭にあたり、当社グループが全ての活動の根幹とする「安全は全てに優先する」方針を、今一度、社員一人ひとりが心に刻み、気を引き締めてほしいと思う。

 「2025長期経営計画」を実行に移してから2年が経ったが、様々な環境変化を乗り越え、2018年度の業績は過去最高の営業利益1060億円を見込んでいる。多くの工場でフル稼働が継続しており、これは社員の皆さんが各々の仕事に真摯に取り組んだ成果の積み重ねだと考えている。

 米中関係は経済的には相互に深く依存しつつ、貿易摩擦のリスクが高まる中、新興国経済へも影響が及んでいる。英国のEU離脱は予断を許さず、北朝鮮や中東は依然として地政学リスクがある。このように世界経済はリスクと不確実性に直面し、先行きの減速感が懸念される。こうした中で特に事業面では、自然災害を含めた様々なリスクについてアンテナを高くし、怠りなく備えるよう心掛けてほしい。

 また昨年来、海洋プラ問題への関心が世界的に急速に高まってきている。この問題は個社を超えて、業界全体で対応していかなくてはならない。同問題に対しては引き続き、日化協、JaIME(海洋プラスチック問題対応協議会)会長として、政府や関連団体と連携しつつ、日本が取り組んできた実績や情報を積極的に国内外に発信していきたい。

 「いい会社」とは、どのようなものだろうか。変化が激しい世の中で、当社は2025年長期目標に向かってどのような未来を予想しながら、イノベーションを起こしてゆくことができるだろうか。

 ここ数年、「誇りを取り戻す戦い」として取り組んできた結果、数字的な目標は達成され「強い会社」になりつつある。一方、数字に表れない、公平性や透明性、ガバナンス、また社会・環境との調和・貢献などの施策も推進している。

 「いい会社」とは、このような「無形の価値」を併せてもつことだと思っている。三井化学グループが社会から存在を認められ成長するためには、この両方の要素がますます重要になってくる。社員の皆さんが心の羅針盤をもち、いい会社について共に考え、行動してゆく1年になることを願っている。

 

 

三井化学 M&Aと協業で見えてくる意識改革と人材育成

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2018年11月21日

 淡輪敏社長の回答が印象的だった。先日行われた同社の経営概況説明会の質疑応答で、記者から出された長期経営計画で掲げる2025年度営業利益2000億円の数値目標について、「数値目標ありきではない」とし、数値目標にこだわって焦り、さまざまな弊害が生じるよりは「むしろポートフォリオの転換を、きちっとやり遂げることが大事」だとあらためて強調。構造・意識改革の優先を、社内に向けて発信していることを明らかにした。 

 目先の数字ではなく、まずは将来のあるべき姿を追求していく。モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、新事業・次世代事業の4つのターゲット事業領域での構成比率86%を目指す。

 その取り組みが、

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三井化学 淡輪社長が3年連続で最高益更新の見通し示す

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2018年11月16日

 三井化学は「2025長期経営計画」で掲げる営業利益2000億円の達成に向け、事業環境の変化や市況変動の影響を受けにくい体質を目指し、ポートフォリオ変革に注力していく方針だ。

経営計画を説明する淡輪社長
経営計画を説明する淡輪社長

 15日に開催された経営概況説明会で、淡輪敏社長は「大阪工場で発生した火災事故の影響を跳ね返し、今年度も3年連続で過去最高益を更新する見込みだ」との見通しを述べた。

 その要因として「成長3領域(モビリティ・ヘルスケア・フード&パッケージング)がしっかり伸びていることが大きい」とし、営業利益1000億円以上を確保する確実な成長軌道を描いていることを示した。

 続いて各領域の事業戦略を説明。「モビリティ」領域では、自動車ギア油・潤滑油添加剤「ルーカント」の市原工場新増設、オレフィン系エラストマー「タフマー」のシンガポール工場デボトル増強など、200億円の大型投資を決定した。

 淡輪社長は「各製品とも米国拠点を検討していたが

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【2018年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長  淡輪敏氏

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2018年8月9日

アーク社との共同開発、自由度がシナジー効果を最大に

 ━ 貿易摩擦問題が深刻化するなか、世界経済をどう見るか。

 今は米中間で過激になっているが、その影響がどう出るかはなかなか見極めきれないところがある。追加関税の対象が工業製品にまで及ぶと、複雑で複合的な影響になってくる。

 また、自動車が本当に課税の対象になれば、これは相当深刻になる。日本にダイレクトに影響が出てくることから、今後の動きを注視しておかないといけない。

 ━ この情勢は、投資計画や新拠点の立地条件などに影響はあるか。

 今のところ直接的に、そこまでの影響は見ていないが、当社の

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