BASFとシーメンス カーボンマネジメント分野で協力

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2021年3月19日

 BASFと独シーメンス・エナジーはこのほど、温室効果ガス排出量削減に向けた低酸素技術の商業的導入を目的とする戦略的パートナーシップを結んだと発表した。BASFは、2018年以来取り組むカーボンマネジメントの一環で温室効果ガス排出量のさらなる削減を追求し、今後競争力のある価格の再生可能電力を大量に必要とする。

 両社は、BASFの野心的な気候目標達成の支援に焦点を当て、戦略的パートナーシップの覚書に署名。世界最大級の化学品製造拠点であるBASFのルートヴィッヒスハーフェン工場で、モジュールでの容量拡張が可能な出力50MWの水素製造用PEM(プロトン交換膜)電解槽の建設と、生産プラントの廃熱からプロセス蒸気を生成する50MWの高温サーマルヒートポンプの設置を含む複数のパイロットプロジェクトを検討中だ。

 また、シーメンス・エナジーのデジタル製品とCO2最適化製品を使用し、同工場の電力網の近代化も査定し、PEM電解プラントの効率向上のためのシステムや触媒の共同開発、風力発電での協力の可能性も調査している。

 BASFは、これらの技術を大規模に利用するための適切な規制条件と対象を絞った支援が必要で、商業規模のプロジェクトを通じ、新たな低炭素技術をいち早く開発・導入する考え。また自社の技術知識とシーメンス・エナジーの革新的製品とサービスポートフォリオを組み合わせ、化学品製造でのCO2排出量削減の主導的役割の拡大を目指す。

 シーメンス・エナジーは、パイロットプロジェクトの経験を新規技術やコンセプトの実装に活用し、プロセス産業でのエネルギー転換で積極的な役割を果たしていく考えだ。

 CO2低排出・不排出の発電と発熱、送電と電力貯蔵、CO2排出量削減、産業プロセスのエネルギー消費量削減、持続可能な水素経済の形成、といった戦略的目標の達成に向けた重要な一歩となる。今後、商業的な実現可能性が確認されたパイロットプロジェクトをできる限り早期に調査し、必要な投資を確実に定量化し、一般的な枠組みの範囲内で実施することを目指す。