中外製薬 抗体カクテル療法、コロナ感染症に対し承認取得

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2021年8月20日

 中外製薬はこのほど、抗コロナウイルスモノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット300」と「同1332」について、新型コロナウイルス感染症に対し、厚生労働省より特例承認を取得したと発表した。

 奥田修社長CEOは、「新型コロナの流行は複数の変異株の出現により新たな局面を迎えている。1日も早い収束のためには、ワクチンによる新規感染の抑制とともに、感染者に対する治療選択肢の拡充が極めて重要だ。同治療薬は、重症化リスク因子をもつ外来患者の入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されている」としたうえで、「また、同治療薬は、デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることが非臨床試験で確認されている。こうしたエビデンスを基に特例承認を取得している。感染拡大が続く中、可及的速やかな供給に向け日本政府や関連事業者と緊密に協働していく」と述べている。

 今回の承認は、コロナ患者を対象として海外で実施された第Ⅲ相臨床試験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第Ⅰ相臨床試験の成績に基づいている。国内での同治療薬の供給は、日本政府との合意に基づき、2021年分が確保されている。同社は、速やかな供給に向け、引き続き日本政府とともに協働していく。