三菱ケミカル 生分解性プラのごみ袋、京急グループに採用

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2020年3月31日

 三菱ケミカルは30日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたごみ袋が、京浜急行電鉄とそのグループ会社が主催するビーチクリーンなどの清掃活動用途に採用され、今月27日より使用されたと発表した。採用されたごみ袋の素材は一定の海洋生分解性があり(現在実証実験中)、製品として使用されるのは初めてとなる。

京急グループの清掃活動で使用するごみ袋
京急グループの清掃活動で使用するごみ袋

 「BioPBS」は、同社が開発、基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバルケミカル社が折半出資するPTT・MCCバイオケム社が製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特徴がある。今年7月から開始されるレジ袋有料化をはじめ、プラスチックに対する環境配慮への要求の高まりとともに、採用も増加中だ。

 こうした中、三菱ケミカルは「BioPBS」について、従来の土壌中での生分解性に加え、海洋生分解性を高めた製品の開発を進めており、今回、実証実験中の素材がごみ袋に採用された。これを契機に海洋生分解性レジ袋などのニーズにも対応し、市場の拡大を促進していく。

 京急電鉄は、神奈川県と締結した「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」の一環として、同県の推進する「かながわプラごみゼロ宣言」の賛同企業。生分解性のごみ袋の一部を「かながわ海岸美化財団」へ寄贈し、同県内の各所で実施されるビーチクリーンで活用されることで、沿線地域と県内のプラスチックごみ削減に取り組んでいく。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「BioPBS」をはじめとする生分解性プラスチックや植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく考えだ。

《取材こぼれ話》生分解性プラの用途開発、浄水器へ展開

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2020年2月19日

ポット型浄水器のカートリッジを「BioPBS」化(開発中)
ポット型浄水器のカートリッジを「BioPBS」化(開発中)

 三菱ケミカルが開発した植物原料由来の生分解性プラスチック「BioPBS」(PBS:ポリブチレンサクシネート)の用途開発が進んでいる。

 同社グループ会社で浄水器を販売する三菱ケミカル・クリンスイがこのほど開催した「クリンスイ2020発表会」の中で、「BioPBS」を活用した製品の展示を行っていた。

 同発表会は取引会社などへ向け、浄水器の新製品やトピックスを訴求するもの。環境訴求型材料の活用検討の一環として、ポット型浄水器のカートリッジへの生分解性プラの応用を提案していた。

 活性炭やセラミック、中空糸膜フィルターを備えたカートリッジは、1本で2リットルのペットボトル100本分の浄水化が可能というエコなものだが、役目が終われば廃棄となる。さらに環境への対応を図るために、

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