NEDO 石炭火力のアンモニア混焼、技術開発を加速

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2021年6月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、石炭火力発電所で燃料にアンモニアを利用するための「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業」について、2件の技術開発テーマを採択した。

 「CO2フリーアンモニア燃料 火力発電所での利用拡大に向けた研究開発」(委託先は電源開発、中外炉工業、電力中央研究所、産業技術総合研究所、大阪大学)と「100万kW級石炭火力におけるアンモニア20%混焼の実証研究」(助成先はJERAとIHI)で、事業期間は今年度からの4年間、全体予算は110億円程度だ。

 アンモニアは窒素と水素からなる無機化合物で、水素を高密度で貯蔵・輸送できる水素エネルギーキャリアとしての役割が期待されている。「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」でも、燃焼してもCO2を排出しないアンモニアが石炭火力発電所での混焼用脱炭素燃料の主力になると想定し、燃料アンモニア産業を重要分野の1つに位置づけている。

 今回、既設の石炭火力発電設備へアンモニアバーナーを導入し、石炭との混焼技術の開発を行うとともに、燃料としてのアンモニアを安定的かつ安価に調達する可能性について調査する。また、100万kW級商用石炭火力発電設備で、アンモニア混焼バーナーによるアンモニア20%混焼時の実証運転を行う。

 アンモニアの混焼技術を確立し、アンモニアを燃料として利用する体制を構築し、石炭火力発電所から排出されるCO2を2030年からの中長期で一層削減する。また、アンモニアをはじめとする水素エネルギーの社会実装につながる技術開発を推進する考えだ。

 

 

旭化成 延岡の石炭火力発電所を天然ガス火力に更新

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2018年9月13日

 旭化成は12日、同社延岡地区(宮崎県延岡市)で、第3石炭火力発電所(1971年竣工、3万4000kW)を、天然ガス火力発電所に更新することを決定したと発表した。

 新設する天然ガス火力は ガスタービンコージェネレーション方式で、出力は3万4000kW、蒸気発生量は130t/h。また、6500klのLNG(液化天然ガス)タンクや内航船受け入れ設備、LNG気化器、ガス導管などで構成されるLNG基地を同市に建設する。運転開始は2022年を予定している。

 この決定を受け、同社は宮崎ガス・大阪ガス・九州電力・日本ガスと、12月をめどに合弁会社「ひむかエルエヌジー(仮称)」を設立。同地区への天然ガス供給に必要な、LNG基地や導管などのインフラ設備の建設、インフラの保有、運営に関して詳細を詰める。

 合弁会社の出資比率は宮崎ガス51%、大阪ガス34%、九州電力7%、日本ガス7%、旭化成1%。旭化成は環境問題の解決を図り、持続的な成長を果たすため、温暖化ガス削減に取り組んでいる。高効率の天然ガス火力発電所を導入することで、年間約16万tのCO2排出量を削減し、環境負荷を低減する。

 また、5社は各社の経営資源と事業ノウハウを融合し、省エネ・CO2削減に大きく寄与する天然ガスの安定供給と普及拡大に取り組むとともに、これらを通じて延岡地域の発展に貢献していく。