日本ゼオン 世界最大幅の光学フィルム、敦賀製造所で増設

, ,

2021年10月29日

 日本ゼオンは28日、福井県敦賀市の光学フィルム工場において、大型TV向け位相差フィルムの製造ライン2系列目の増設を決定したと発表した。新ラインは2023年10月の量産開始を予定しており、操業人員の新規雇用を計画している。

 同社は、光学フィルム「ゼオノアフィルム」を、グループ企業で製造子会社であるオプテスにおいて、高岡製造所(富山県)、氷見製造所(富山県)、敦賀製造所(福井県)の北陸工場3拠点で製造。

 「ゼオノアフィルム」は、同社が独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に使い、世界初となる溶融押出法で生産されている。シクロオレフィンポリマーの特長である高い光学特性と優れた寸法安定性をもっており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止などの機能をもたせる、位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。

 今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応して昨年4月に稼働した世界最大幅(2500mm幅クラス)の位相差フィルム製造ラインの二系列目となる。新ラインの生産能力は一系列目と同じ年間5000万㎡の計画で、2系列合計で1万㎡、既設の能力と併せてTV向け位相差フィルムの生産能力は2億1900万㎡に拡大する。液晶用ガラス10.5世代のサイズに対応した液晶パネル設備が世界中で順次稼働する中、当該サイズにマッチしたパネルの取り効率が良い2500㎜幅の生産ライン増強は、環境負荷低減にも大きく貢献することが期待される。

 同社は、今後も市場ニーズを捉え社会の期待に応えるとともに、人々の快適なくらしに貢献していく。

東洋紡 コロナ支援で接触冷感マスクなど敦賀市へ寄贈

, , , , ,

2020年8月20日

 東洋紡が福井県敦賀市で操業する敦賀事業所はこのほど、同市への日頃の感謝の意を込め、エアバッグ基布を活用した防護服50着と、高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」を使用した接触冷感マスク300枚を寄贈した。

渕上隆信敦賀市長(左)と東洋紡の吉川徹敦賀事業所長。贈呈式にて
渕上隆信敦賀市長(左)と東洋紡の吉川徹敦賀事業所長。贈呈式にて

 7月に同市市役所で開催された贈呈式では、渕上隆信敦賀市長をはじめとする関係者が出席し、同社の吉川徹敦賀事業所長より防護服とマスクが手渡された。

エアバッグ用基布を活用した防護服
エアバッグ用基布を活用した防護服

 防護服は、新型コロナウイルスにより深刻化する医療資材不足の解決に向け、豊田合成などと共同で開発。シリコーンコーティングにより空気を通さず、洗って繰り返し使うことが可能なもの。

「ツヌーガ」製の接触冷感マスク
「ツヌーガ」製の接触冷感マスク

 接触冷感マスクは、「ツヌーガ」の高い比熱や熱伝導率により、接触冷感が得られる。防護服の原糸と「ツヌーガ」は、いずれも敦賀事業所で製造している。

 東洋紡は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止に日夜尽力している人々を支援していく考えだ。