豊田通商 タイで自動車のリサイクル実証事業を受託

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2019年7月9日

 豊田通商はこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業」のテーマの1つとして「タイ王国で発生する使用済自動車の効率的かつ適正な資源循環システム構築」に対し、6月12日に、NEDOより正式に受託した。同実証事業は、NEDOとタイ工業省(MOI)、工業団地公社(IEAT)の間で2月にMOUが締結されている。

 タイでは、2010年頃からの急激な自動車の販売台数増加に伴い、使用済自動車(ELV)の急増が予測されている。しかしELVを適正に処理するインフラが整備されていないため、フロンの大気放出による地球温暖化や廃油・廃液による土壌汚染・水質汚濁といった環境被害が懸念されている。

 また、タイでは日本の「自動車リサイクル法」のようなELVに特化した規制、許可に関する法制度が整備されておらず、本格的にELVが発生する前に、制度・技術の両面でELVを適正に処理するためのインフラ整備など、対策を講じることが大きな課題となっている。

 豊田通商は、実証事業として、タイにおけるELVの適正処理に関する制度設計の検討を行い、①フロン回収などの有害廃棄物に対する環境に配慮した解体工程の確立②日本より解体専用重機を導入し解体作業効率を向上③国内ではリサイクルできない有用金属を日本の技術で資源化することでELV1台当たりの付加価値を上げる、といった技術を導入する。

 田通商は、環境配慮と経済効率性を両立させた資源循環システム構築を実証し、また「トヨタ環境チャレンジ2050」への活動をサポートしていく。