積水化学 認知症対策事業のプロジェクト実施結果を公表

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2019年8月21日

 積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーの協業先であるアグリマス社(東京都大田区)の認知症対策事業で実施した、「認知症の早期発見、重症化予防プロジェクト」の結果を公表した。

 「住環境研究所」の内部組織「生涯健康脳住宅研究所」が研究を進める「話食動眠(わしょくどうみん)」に基づいたプロジェクトでは、運動習慣がある人ほど認知機能と生活機能が高いこと、「話食動眠」に基づいた生活習慣が認知機能と生活機能の維持・向上へ寄与すること、などが判明している。

 同プロジェクトの内容は、同社グループ会社が運営するサービス付き高齢者住宅(サ高住)「ハイムガーデン熱田」「ハイムガーデン仙台泉 二番館」、デイサービスセンター「オアシスセンター」の入居者のうち自立者から要支援者を対象に約5カ月間、運動とコミュニケーションを中心としたプログラムを提供。定期的に心身への効果測定を実施したほか、その効果の睡眠の質への影響の分析も行った。

 プログラム終了後には、参加者に意欲や生活習慣の変化などのヒアリングを行い、効果を確認した。まず、認知機能、身体機能、生活機能の効果測定では①プロジェクトに参加することで認知機能と生活機能が維持・向上②運動習慣がある人ほど生活機能が高い③よく歩く人ほど睡眠が深く、生活機能と認知機能も高い、などの結果を得られた。

 次に、意欲や生活習慣などに関するヒアリングでは①「話食動眠」に基づいた生活習慣が認知機能と生活機能の維持・向上に寄与②高齢期における集住の効果③「場所づくり」による「意欲」の重要性、などが分かった。

 同社は今後も、「話食動眠」をコンセプトに、運営する高齢者向け住宅のサービスをさらに探求するとともに、デイサービスの場を地域の高齢者が集まる「場所」としても捉え、より多くの高齢者が活用し意欲を高めることができる仕掛けを通じて、認知症予防に寄与していく考えだ。