NEDO・エネ庁 省エネ技術戦略の重要技術を改定

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2019年7月30日

NEDOと経済産業省資源エネルギー庁は、省エネルギー技術戦略に定める重要技術を改定した。

 今回の改定では、第5次エネルギー基本計画などの政府の方針を踏まえ、廃熱利用や再生可能エネルギーの主力電源化につながる省エネルギー技術などを追加した。改定された重要技術は、省エネルギー技術開発支援事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」2019年度第2回公募で優先採択の基準に適用される。

 改定の主なポイントは、廃熱利用や熱システムの脱炭素化を促進するため、廃熱を高効率に電力に変換する技術や、高効率電力加熱技術などを重要技術に追加したこと。排熱の高効率電力変換、熱エネルギーの循環利用、高効率電気加熱(誘電加熱、レーザー加熱、ヒートポンプ加熱)などが該当する。

 また、デジタル技術を活用する新たなビジネスモデルの登場や、近年の情報量の急増を踏まえ、第4次産業革命関連技術を追加した。これには次世代プロセッサー(ニューロモーフィック、量子コンピューティング)やカーシェア・ライドシェア、ブロックチェーンなどが含まれる。さらに、再生可能エネルギーの主力電源化の方針を踏まえ、柔軟性を確保した業務用・産業用高効率発電、電力の需給調整(高性能蓄電池)など、電力需給の調整力や予備力に関する技術も追加した。

 省エネルギー技術戦略は、2030年に向けた省エネルギー技術開発推進に関するロードマップとして、初版「省エネルギー技術戦略2007」策定以降、順次改定を行っている。今回は省エネルギー技術の研究開発や普及を効果的に推進するため、将来に向けて省エネルギーに大きく貢献する重要分野を特定した省エネルギー技術戦略に定める重要技術を改定した。

 重要技術の見直しは、有識者(委員長:横山明彦東京大学教授)による部門横断的な検討などを通じて実施した。