昭和電工 超微粒子酸化チタンの生産設備増強を完了

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2018年11月12日

 昭和電工は9日、子会社である昭和電工セラミックス(長野県塩尻市)で、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の原料である超微粒子酸化チタン「スーパータイタニア」の生産能力増強を完了したと発表した。

 多くの電子機器で使われているコンデンサーのうち、MLCCはスマートフォンや携帯電話など小型化・軽量化が要求される情報機器や薄型TVなどのデジタル家電に多く使用されている。

 MLCCの市場成長率は年10%程度だが、これら電子機器の需要拡大に伴い、設備はフル稼働の状況が継続。需要の拡大に対応し、今後も安定的に高品質な製品を顧客へ供給するため、今回、昭和電工セラミックス富山工場内にある、MLCC向け同製品の生産ラインを1系列増設した。

 来年1月以降、生産能力は現行能力の3割増となる。酸化チタン(TiO2)を原料とするチタン酸バリウム(BaTiO3)は、MLCCの基本構造の1つである誘電体に用いられる。また、MLCCの小型化・高容量化のためには高純度で粒子の微小なチタン酸バリウムが必要となる。

 チタン酸バリウムの製法には固相法と液相法があり、より低コストで誘電特性の高いチタン酸バリウムが得られる固相法には微小な酸化チタンが必要となる。

 同社が製造・販売する超微粒子酸化チタンは、最先端のプロセス制御技術で生産され、粒子の大きさは15∼250nmと微細であり、純度も高く、MLCCのさらなる小型化・高容量化に貢献する。また、MLCCの原料としてだけでなく、各種フィラー材料など、幅広いニーズにも対応する。