BASF 知財権保護に成功、HMO類似品は販売停止

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2020年6月23日

 BASFと米Glycosyn(グリコシン)社はこのほど、BASFが特許を持つ過敏性腸症候群(IBS)に有効なヒトミルクオリゴ糖(HMO)製品について、米Amazon.comでの類似品の販売無効化に成功したと発表した。

 BASFは米国特許に基づいてアマゾン模造品対策プログラム(特許中立評価)を申請、知的財産権侵害を申し立てていた。グリコム社(デンマーク)製品「ホリゴス(Holigos)IBS」と「ホリゴスIBSレストア」の削除を求めていたもので、これによりこれら製品のアマゾンでの購入はできなくなった。

 BASFは、ヒト母乳特有のオリゴ糖2,フコシルラクトース(2,‐FL)に関する特許と技術情報を、グリコシン社からライセンス供与されている。グリコシン社は、HMOの開発を専門とする世界有数のテクノロジー企業で、胃腸の健康を改善するHMOの生産と使用に関する知財とノウハウを確立・所有している。BASFは、2,‐FL製品「PREBILAC(プレビラック)」を昨年発売し、消化器系の健康をサポートする栄養補助食品の商品化に、顧客と共に取り組んでいる。また新たな科学的根拠により、2,‐FLが健康的な腸内フローラと免疫調節機能に貢献することも判明。2,‐FLのプレバイオティクス機能はヒトの胃腸の健康をサポートし、消化器系疾患に対する抗炎症剤としても作用する。

 BASFは、「当社は他の企業と個人の知的財産を尊重している。今回の手続きは、当社の知的財産とライセンス供与を受けた知的財産の保護と強化に対する継続的な取り組みの一環」と説明している。