横浜ゴム ゴム配合物性値のAI予測システムを独自開発

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2021年3月12日

 横浜ゴムはこのほど、AIを活用したゴムの配合物性値予測システムを独自に開発しタイヤ用ゴムの配合設計への実用を開始したと発表した。

 人がゴムの配合設計パラメーターを入力すると、AIが予測物性値を出力するほか、その確からしさを表示したり、目標物性値に近い配合を探索する機能ももつ。膨大な仮想実験が可能で、開発のスピードアップやコスト削減、高性能な商品の開発に加え、経験の浅い技術者による配合設計が容易になることが期待できる。今後は、ホースやコンベヤベルトなど多岐にわたるゴム商品開発にも利用する。

 同社はマテリアルズ・インフォマティクスによるゴム材料開発技術や、インフォマティクス技術によるタイヤ設計技術など、材料とタイヤの設計開発プロセスでAIを活用した技術開発を進めてきた。今回、同社が昨年10月に策定したAI利活用構想「HAICoLab(ハイコラボ、人とAIの共同研究所))」に基づいて開発した。

 「ハイコラボ」は人間特有のひらめきや発想力とAIが得意とする膨大なデータ処理能力を生かした「人とAIとの協奏」によりデジタル革新を目指す構想で、人が設定する仮説に沿ったデータの生成・収集と、AIによる予測・分析・探索を繰り返すことで、未踏領域の知見の発見を目指す。現在は、プロセスに加え、製品やサービスなどの革新を目指した利活用を進めている。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上とAIやIoTなどの革新技術による新たな未来社会「Society 5・0」の実現に貢献していく考えだ。