《化学企業トップ年頭所感》信越化学工業 金川千尋会長

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2022年1月6日

 信越化学は、2026年に創立100周年を迎えます。皆さん一人ひとりが5年後の目指す姿を思い描き、その実現のために具体的な目標を定め、毎日の仕事に取り組んでください。

 世界経済は着実に回復に向かっていますが、資源価格が高騰しており原材料に影響が及んでいます。引き続き原材料の安定調達と製品の適正価格での販売に取り組んでまいりましょう。

 また、お客様への安定供給は当社への信頼の基盤です。引き続き「安全」を最優先とする操業に取り組んでください。同時に、お客様と約束した品質を必ず守ることも継続してまいりましょう。

 シンテック社では、昨年末に塩ビの原料からの一貫生産工場の増設が完了し、稼働を開始しました。さらに次の増設にも取り組んでいます。当社の各事業でもさらなる成長に向け、需要の伸びをとらえる投資を実施してまいりましょう。

 一方、地球温暖化への対策は難しい課題です。難しいからこそ私たちが取り組む価値があります。当社は地球温暖化の防止に貢献できる製品を数多く世の中に送り出しています。会社さらには世界の持続的な成長に貢献してまいりましょう。

 信越化学グループに働く皆さんが仕事を通じて成長を重ね、幸せな人生を歩んでいただくことが、私の願いです。健康管理に十分留意し、信越化学グループをさらに進化させてまいりましょう。

《化学企業トップ年頭所感》信越化学工業 金川千尋会長

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2021年1月6日

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続く中、皆さんには国内および海外の事業所で工場の安全かつ安定した操業に力を注いでいただき、感謝申し上げます。

 さて、新型感染症は世界経済にも深刻な影響を及ぼしていますが、皆さんの献身的な取り組みとご努力により、当社では底堅い業績を維持してまいりました。その結果、当社はお客様や投資家をはじめ社会の多くの方々から大きな信頼と期待を寄せていただいております。これにお応えするためにも、本年は昨年10月に公表した業績目標を何としてでも達成することが重要です。現在の経済情勢を考えますと、決して容易なことではありません。しかしながら私たちは、逆風の中にありましても不屈の精神により、問題を乗り越えながら成長してきた実績があります。今こそ私たちの底力を発揮し、力強く前進してまいりましょう。

 そのためには、まず既存事業をさらに強くすること、そして新しいお客様の開拓、新しい用途の開発、新しい製品の事業化が欠かせません。同時に、日々の仕事の中では、安全で安定した操業と徹底した品質の管理に全力を注ぐことが重要です。安全と品質こそが私たちの競争力の源泉です。この点を常に意識し、毎日の仕事の着実な積み重ねを大切にしてください。

 また、私たちが引き続き事業を発展させていくためには、地球温暖化対策をはじめとした地球環境への配慮や貢献が欠かせません。すでに、当社では環境に貢献する数多くの製品や技術を世界へと送り出しています。こうした実績の上に立って、皆さんは自信をもって地球環境への負荷を減らす製品の開発、販売ならびに生産過程での環境負荷の低減に一層力を発揮してください。お客様や社会が求める製品の安定供給、独創的な新製品の開発や新サービスの提供を通じて、2021年を信越化学グループの飛躍の年といたしましょう。

【2020年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長 金川千尋氏

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2020年8月10日

 コロナ禍を成長の機会に、「谷深し」でも活路は必ずある

 ━外部環境が悪化する中、昨年度も最高益を達成した要因をどう分析されますか。

 金川会長画像2020年3月期は、当社の塩ビ事業の中核である米国のシンテックが市況の影響を受けましたが、高水準の出荷を継続し、連結決算に大きく貢献しました。半導体シリコン事業は増収増益を達成し、シリコーン事業は全世界での拡販により利益を伸ばしました。先端材料のフォトレジストとフォトマスクブランクスも堅調でした。塩ビと半導体シリコンを筆頭に、世界シェアで1位の事業をいくつか擁していますが、マーケットと用途が異なる製品群を持つことが当社の強みです。

 ━2020年の世界情勢と事業環境の見通し、およびコロナ禍が与えるインパクトをどう見ていますか。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって世界経済は深刻な打撃を受けており、先行き不透明な状況です。経済活動が再開されつつありますが、世界経済が立ち直るのは相当な時間を要することは間違いなく、当社もその影響は免れません。しかし、

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《化学企業トップ年頭所感》信越化学工業 金川千尋会長

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2020年1月7日

 今年、2020年は東京でオリンピックが開催されます。世界各国の代表選手が、より速く、より高く、より強く、それぞれの競技で競う姿から、興奮と感動をいただけることでしょう。

 才能だけでは金メダリストになることはできません。目標に向かって厳しい鍛錬を積み重ねてきた選手だけが、世界の頂点に達することができます。そして、頂点を極めること以上に大変なのが、トップを維持することです。

 これは事業でも同じです。シンテック社は操業開始から45年間、高い志を持ち、正しい経営判断と正しい執行を日々欠かすことなく積み重ねることで、世界一の塩ビメーカーへと成長を遂げることができました。現在もさらなる成長に向けた増設工事を進めています。半導体事業も、需要の伸びを的確にとらえ、技術を磨き、適切な販売戦略と投資を積み重ねることにより、世界一の地位を獲得することができました。

 信越化学にはシリコーンや電子材料をはじめとした、優れた素材がたくさんあります。2020年を、それぞれの事業で世界一をめざすことを改めて決意し、その大きな目標に向けて邁進する年にしましょう。

 会社が成長を続けていくために基盤となりますのが、安全と品質です。安全を最優先することを徹底し、絶対に品質問題を起こさない決意をして、それぞれの職場で仕事に取り組んでください。

 会社の成長は皆さんの成長なくして成し遂げることができません。皆さんの成長は会社の成長の原動力です。信越化学グループに働くすべての皆さんが、毎日、正しい判断と正確な仕事を積み重ねることで、成長を実感できる、充実した1年をめざしてください。

【2019年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2019年8月8日

 さまざまな事態への備えが重要、安定的な収益確保を目指す

 ━2019年の景気動向と事業環境の見通しは。

 金川会長画像 世界情勢は先行き不透明な状況が続いており、見通すのは難しいことです。当社は、変化する事業環境の中で日々の経営に注力し、実績を積み重ねることに取り組んでいます。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移し、最高益を更新することができました。今年度についても、第1四半期決算では増益を達成しました。

 また年間の業績も増益を見込んでいます。外部発表しました業績予想の達成に向け最大限努力をしています。

 ━廃プラスチック問題が注目される中、サーキュラーエコノミー(循環経済)にどう取り組んでいますか。

 当社ではESGの重要課題の1つとして、省エネルギー、省資源、環境負荷の低減を掲げており、各工場において、熱エネルギーの循環や水のリサイクル利用に積極的に取り組んでいます。

 一方、事業においては、レア・アースマグネットの原料であるレア・アースのリサイクルを武生工場とベトナム工場で行い、原料調達の

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【化学企業 入社式訓示②】信越化学工業 金川千尋会長

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2019年4月3日

(新入社員との質疑応答)

(質問:私たちは、新入社員として、どのようなことを心掛けて仕事に取り組めばよろしいでしょうか)

 会社にいかに貢献し、いかに発展させるか、皆さん一人一人が心掛けて仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 製造や研究部門などに配属される方は、工場の安全を第一に考えていただき、社会に受け入れられる製品の開発、生産に取り組んでください。

 販売や管理部門などに配属される方は、正確な仕事を心掛け、謙虚な気持ちで仕事に臨んでください。お客様あっての会社であることを忘れないでください。

 仕事は頭で覚えるのではなく、体で覚えることが大切です。そうした経験が、将来花開くこととなります。

 (質問:金川会長が当社に関して一番誇りに思っていらっしゃることは何でしょうか)

 私が誇りに思っているのは、それぞれの担当分野でプロとして仕事をしている当社の社員です。皆さんも、先輩社員たちのように、是非それぞれの仕事のプロを目指してください。

 そのためには、会社の方針をよく理解して、疑問に感じたことがあれば遠慮なく質問することです。自分が納得した上で仕事をすることが大切です。そうした積み重ねが皆さんの血となり肉となり、仕事をする上での財産となります。

 

《化学企業トップ年頭所感》 信越化学工業 金川千尋会長

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2019年1月8日

 昨年10月に発表いたしました2019年3月期の中間決算は、すべてのセグメントが増収増益となり、上半期での過去最高益を達成することができました。これも社員の皆さまのひたむきなお仕事の成果であると、心より感謝しております。

 さて、長らく続いてまいりました世界的な景気拡大は、いま大きな転機を迎えています。アメリカと中国の間で激化している貿易摩擦の問題などを背景に、本年の世界経済の先行きは不透明感を増しています。また、近年は世界各地で自然災害も頻発しており、予測できないリスクへの備えも常にしておかなければなりません。

 私の尊敬する山本五十六連合艦隊司令長官が揮毫されているお言葉をご紹介します。中国の兵法書の一節で、「国大なりといえども戦いを好まば必ず亡ぶ。天下安らかなりといえども戦いを忘れなば必ず危うし」。自らの力量を過信することなく、来るべき難局に向けて平時より態勢を整えておくことを諭す、たいへん重いお言葉です。

 では、私たちはいかに備えるべきでしょうか。私の経験から申し上げると、最も大切なのは、基本に忠実に仕事に取り組むことです。すなわち、製造部門の皆さんは、安全で安定した操業を最優先とし、決して規格外の製品を出荷しない、と肝に銘じてください。研究開発部門の皆さんは、会社の将来を担うのは自分たちだ、との気概をもって取り組んでください。

 営業の皆さんは、お客様の要望をいち早くつかんで、つねにお客様とのお約束を守ることを心がけてください。このような基本の積み重ねが、厳しい環境の中でも成長の原動力となります。

 そして、日々成すべきことは先延ばしせずに、その日のうちにしっかりとやり遂げてください。皆さん一人ひとりの日々の努力は、必ず皆さんの能力向上と会社の強さとなって実を結び、当社グループのさらなる成長をもたらします。信越化学グループで働く皆様の力を結集すれば、たとえ困難に遭遇してもそれを乗り越え、より輝かしい成果を手にできるものと確信しています。

【2018年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2018年8月9日

 市場動向を注視、好業績に甘んじることなく成長を追求

 ━ 信越化学は、好調な業績が続いています。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移したことで、最高益を更新しました。メーカーとしてやるべきこと、すなわち最高の品質の製品を最低のコストで生産し、その製品を適正価格で売り切ることを続けてきた成果です。

 相場より高く売れば、お客様の信頼をなくしますし、安く売れば会社の利益を損ねることになります。当社の社員はこれらのことを良く理解しており、全部門の社員が一生懸命努力してくれたことが、良い業績につながったと思っております。

 ただ、「山高ければ谷深し」という言葉があるように、良い時ほど最悪の事態を想定しなければなりません。経済環境や市場の動きをよく見て、わずかな変化にも気を付けています。企業は株主の期待に応え利益を上げ続けることが使命であり、経営は結果が全てです。

 ━ 貿易摩擦問題などの市場への影響が心配されています。

 世界情勢は先行き不透明な状況が続いていますが、どんな状況下でも利益を上げることを目指します。私たちが注力すべきことは、

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