ハイケム セラミックスバインダー、初の日本拠点

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2021年6月16日

高社長「5Gなど、新市場への迅速な対応を図る」

 ハイケムはこのほど、昨年1月にユケン工業(愛知県刈谷市)から譲受した「ニューセラミックスバインダー事業」について、来年をめどに製造拠点を、「ハイケム東京研究所」(千葉県柏市)に移管する方針を明らかにした。5月末に竣工した3階建ての同研究所の1階部分に製造設備の整備を進めている。

新開発拠点「ハイケム東京研究所」の外観。1階にセラミックスバインダーの製造設備を整備している
新開発拠点「ハイケム東京研究所」の外観。1階にセラミックスバインダーの製造設備を整備している

 ハイケムの高潮社長は本紙の取材に「当社初の日本での生産拠点となる。安全生産、環境対応、特に品質保証体制を整備し、まずはしっかりとした基礎固めを行う」とし、

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ハイケム 生分解性ポリマー事業、PLA輸入開始

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2020年8月27日

世界3位の中国企業と提携、繊維中心に拡大図る

 ハイケムは生分解性材料の販売体制を整え、ポリ乳酸(PLA)の日本での販売を開始するとともに、PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)など他の生分解性材料についても本格的にマーケティング活動を始動した。

生分解性樹脂のポリ乳酸(PLA)
生分解性樹脂のポリ乳酸(PLA)

 同社は、日中間での化学品の貿易事業を中心に、C1ケミカルのライセンス事業なども手掛けており、今年度から始まった第5次中期経営計画(2020~2022年)の中では、生分解性ポリマー事業を注力分野の1つとして位置づけている。

 このほど、同社が事業戦略パートナーシップ契約を結ぶ中国の大手食品添加物メーカー・豊原集団の子会社が、PLAの量産化に成功。生産能力は年産5万tで、米国のネイチャーワークス、タイのトタル・コービオンPLAに次ぐ世界第3位の規模を誇る。世界最大のPLAサプライヤーを目指す豊原集団は、来年には生産量を倍増させ、今後5年以内に年産100万tまで拡大していく。コスト面でも、最終的には綿と同等の価格帯を目指している。

 ハイケムがPLAで先ず狙うのは、原料としてのPLAではなく川下の加工品だ。具体的には、押出成形用途、射出成形用途、繊維・不織布用途の3種類。押出成形用途は、フィルムやシートに展開、射出成形用途は弁当や野菜、果物などの食品包装容器や精密部品、コンパウンド原料などに展開する。繊維・不織布用途では、アパレル製品や、マスク、ティーバッグなどの製品に展開していく。

 高潮(たか・うしお)社長が「これから伸びてくるのは繊維での用途」と考えるように、同社の繊維に対する期待値は大きい。その理由の1つは、PLAの繊維を織る際に、ポリエステル用の織機がそのまま転用できることから、中国国内での繊維加工がスムーズに行えることがある。

 また、PLAのもつ抗菌性や弱酸性などの特徴にも注目。その特性を生かし、ベビー服やインナーなどへ展開し、国内アパレルメーカーと協業することでPLA混合繊維などへの拡販を図っていく。

 2019年の世界のPLAマーケットは約20万tと推定されているが、環境意識の高い欧州などではその採用が加速しており、需要の伸びが供給力を上回っているのが現状だ。また、日本のマーケットは約5000tと推定されており、日本でも需給がひっ迫している。

 こうした中、ハイケムは、2023年までに日本市場のPLA流通量を倍増させることに加え、汎用ポリエチレンに似た特性をもつPBATや海洋生分解性プラなど、幅広い生分解性材料の取り扱いも強化していく。

 中国では河川などへの汚染問題が深刻になってきており、ハイケムは「生分解性材料こそ海洋プラスチック問題やマイクロプラスチック問題を解決する糸口になる」と考える。現在、中国ではこれらの問題への関心が高まり、生分解性材料のサプライヤーが台頭してきている。

 同社は、日中の架け橋として、これらのサプライヤーと緊密な関係を構築し、高い技術力のある日本の材料メーカーとの架け橋となり、生分解性材料の世界的な普及に貢献していく。

PLAを使用した食品包装容器(左)と、PLA100%のポロシャツ
PLAを使用した食品包装容器(左)と、PLA100%のポロシャツ

 

ハイケムの新中計 水素・生分解性プラに進出

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2020年3月16日

C1化学を進展させ、川上・川下事業拡大図る

 日中間での化学品の貿易事業を中心に、C1ケミカルのライセンス事業なども手掛けるハイケムはこのほど、今年度から始まった第5次中期経営計画(2020~2022年)の説明会を開催した。

新中計を説明する高潮社長
新中計を説明する高潮社長

 同社は1998年に設立。社員5人でスタートした初年度の売上高は1億8000万円。現在、連結従業員は500人を超え、昨年は連結売上高を564億円へと伸長させ、事業を拡大している。

 中国・河南省出身の高潮(たか・うしお)社長は冒頭で、「日中の間に立ち、特に中国の成長に伴って当社はそのニーズを掴み、少しずつ今の形になってきた。主幹事業は川中製品が中心の貿易事業になるが、

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ハイケム 高社長が中国で講演、石炭産業の方向性示す

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2019年9月13日

 ハイケムの高潮(たか・うしお)社長はこのほど、「中国・楡林(ゆりん)国際ハイエンドエネルギー化学発展フォーラム」で講演を行った。同フォーラムは中国陝西省・楡林市で4~6日に開催された「第14回・楡林国際石炭・ハイエンドエネルギー化工産業博覧会」のプログラムの1つとして行われたもの。

 高社長は「国際的な化学新素材産業の開発状況と動向」をテーマに、楡林市の産業発展戦略、環境に配慮したC1化学の発展の方向性、生分解性プラスチックへの展開など、サスティナビリティ社会における石炭化学産業の優位性や将来の方向性について述べた。

 高社長は最初に楡林市に関して、川上の産業チェーンの確立と川下産業への展開強化で、長期にわたる高付加価値製品の開発に重点を置くことや、国際的な先進企業と連携して、C1化学を新エネルギーと結合させ、将来のエネルギー産業の開発機会を掴むことの必要性を強調。また「プラスチックを生分解性プラスチックに替えていくことが、将来の化学産業にとって不可欠」と指摘した。

 その上で、楡林でのC1化学の将来展望として、合成ガスやメタノールなどの基礎化学品の製造ラインを構築し、世界的に有名な企業を誘致して、革新的な組織モデルを有する包括的な化学工業団地を建設することで、石油化学製品を石炭化学製品に部分的に置き換えることができるとの見通しを示した。

 さらに、C1化学の代表的な技術の中でも、「SEG」(石炭などのオフガスからエチレングリコールを製造する)プロセスは、コスト優位性があり、従来の方法から徐々に取って代わってきていることに言及。同社が推進する「SEGライセンス事業では、日本企業が保有していた技術を発展させ、中国企業にライセンスし、現在までにEG生産能力の合計が、年産915万tに相当する「SEG」ライセンス契約を締結していることを紹介した。

 また、南通に自社触媒工場を設立し、年産3千tの触媒を供給できる体制を整えており、同社のこの石炭化学産業分野での事業は、CPCIF(中国石油化学工業連盟)によって認められるまでに成長していることにも触れ、「今後も弊社は水素事業などを推進することでC1化学の発展にも寄与していく」と結んだ。