住友化学の4-12月期 市況悪化などが響き減収減益に

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2020年2月3日

 住友化学は31日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比4%減の1兆6507億円、コア営業利益25%減の1163億円、営業利益11%減の1277億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益58%減の376億円となり、それぞれ前年同期を下回った。

 セグメント別に見ると、主力の石油化学は、売上収益は前年同期比586億円減の5183億円、コア営業利益244億円減の274億円。石油化学品や合成樹脂は原料価格の低下に伴い市況が下落し、合繊原料やメタアクリルも市況が低水準で推移したことが主な減収要因。コア営業利益についても、石油化学品やメタアクリルなどの交易条件の悪化により前年割れとなった。

 エネルギー・機能材料は、売上収益240億円減の1906億円、コア営業利益26億円減の177億円。レゾルシン(接着材用原料)の出荷が堅調に推移した一方で、アルミニウム市況や正極材料の原料金属の市況が低水準で推移し、販売価格が下落したことから、減収減益となった。

 情報電子化学は、売上収益40億円増の3049億円、コア営業利益36億円減の187億円。偏光フィルムはテレビ・モバイル用途、タッチセンサーパネルの出荷増加が増収に貢献したものの、販売価格の下落が響き減益となった。

 健康・農業関連事業は、メチオニン(飼料添加物)の市況は下落したが、前年度に実施した能増による出荷増が寄与し、売上高58億円増の2185億円。一方、コア営業利益は、メチオニンの交易条件悪化や農薬の出荷減により、175億円悪化し136億円の損失となった。

 医薬品は増収増益となり、売上高104億円増の3822億円、コア営業利益83億円増の676億円。北米や中国でのラツーダ(非定型抗精神病薬)の販売が伸長し、収益増をけん引した。

 なお、通期業績予想に変更はなく、売上収益は1%増の2兆3300億円、コア営業利益22%減の1600億円を見込んでいる。

信越化学の4-12月期 塩ビ・化成品不調で営業減益

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2020年1月29日

 信越化学工業の2020年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比3%減の1兆1740億円、営業利益は同2%減の3187億円、経常利益は同微増の3302億円、四半期純利益は同2%増の2468億円となった。

 セグメント別では、塩ビ・化成品事業は売上高が同7%減の3728億円、営業利益は同15%減の772億円。米国のシンテック社は塩化ビニル・カセイソーダともに高水準の出荷を継続したが、市況の影響を受けた。欧州拠点も市況の影響を受けたものの、底堅い出荷を継続した。国内拠点は堅調に推移した。

 シリコン事業は売上高が同1%減の1721億円、営業利益は同3%増の470億円。機能製品を中心に拡販を進めたが、汎用製品の価格下落の影響を受けた。機能性化学品は売上高が同5%減の874億円、営業利益は同2%増の213億円。セルロース誘導体は医薬用製品が底堅く推移したが、建材用製品は一部顧客での販売が振るわなかった。フェロモン製品は堅調な出荷。ポバール製品は市況の影響を受けた。

 半導体シリコン事業は売上高が同4%増の2958億円、営業利益は同8%増の1121億円。半導体デバイス市場の調整局面の中、価格と出荷水準の維持に努めた。

 電子・機能材料事業は売上高が同3%減の1679億円、営業利益は同2%減の514億円。希土類磁石は産業機器向けが引き続き需要鈍化の影響を受けた。自動車向けも期後半から減速感が見られたが、環境対応車向けを中心に堅調な出荷を維持した。

 フォトレジスト製品はArFレジストやEUVレジストなど総じて好調に推移した。マスクブランクスは先端品を中心に販売を伸ばし好調。光ファイバー用プリフォームは、市況悪化の影響を受けて厳しい状況となった。

 加工・商事・技術サービス事業は売上高が同6%減の778億円、営業利益は同5%増の110億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器が、半導体デバイス市場関連投資の減速の影響を受けた。

 通期の連結業績予想は修正がなく、売上高が前期比3%減の1兆5500億円、営業利益は同微増の4050億円、経常利益は同1%増の4180億円、純利益は同2%増の3140億円を見込んでいる。