東海カーボンの1-3月期 黒鉛電極の事業環境悪化で減収減益

,

2020年5月12日

 東海カーボンの2020年12月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比23%減の528億円、営業利益は同68%減の68億円、経常利益は同69%減の66億円、純利益は同65%減の46億円となった。

 セグメント別では、黒鉛電極事業の売上高は同58%減の115億円、営業利益は同86%減の21億円。昨年から継続している世界的な景気減速に伴う鉄鋼市況の悪化と黒鉛電極の在庫調整の長期化のため、黒鉛電極販売量が減少し販売価格も下落した。

 カーボンブラック事業の売上高は同23%減の210億円、営業利益は同49%減の17億円。対面業界であるタイヤメーカーの需要低下と新型コロナによる操業停止などの影響を受け販売量が減少した。また原料油価格変動や生産量減少の影響から減益となった。

 ファインカーボン事業の売上高は同6%減の78億円、営業利益は同1%増の19億円。半導体、太陽光発電向け生産・出荷は堅調に推移した。一般産業用向けは顧客の生産・在庫調整および新型コロナの影響などにより販売量が減少した。

 新たにセグメントに追加した精錬ライニング事業は、売上高は67億円、営業利益は2億円。アルミ精錬用カソードおよび高炉用ブロックの契約船積み時期は下半期を中心に計画されている。なお、第1四半期のTokai COBEXの営業利益は、24億円となっており、セグメント会計において取得原価配分に伴う評価差額に係る償却費12億円、のれん償却費10億円が発生している。

工業炉及び関連製品事業の売上高は同47%増の32億円、営業利益は同48%増の9億円。その他事業の売上高は同26%減の26億円、営業利益は同46%増の2億円だった。

 通期の業績予想については、新型コロナの影響を現時点で合理的に算定することが困難なことから前回予想を据え置いている。

東亞合成の1‐3月期 営業利益16%減の34億円

,

2020年5月11日

 東亞合成の2020年12月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比3%減の343億円、営業利益は16%減の34億円、経常利益は27%減の32億円、純利益は43%減の17億円となった。

 セグメント別に見ると、基幹化学品事業は売上高3%減の154億円、営業利益13%減の14億円。電解製品は、カセイソーダをはじめ全般的に販売が軟調に推移した。アクリルモノマー製品は、アクリル酸エステルの販売数量が減少。工業用ガスは、ガス関連機器の販売が増加した。

 ポリマー・オリゴマー事業は売上高2%減の70億円、営業利益は3%増の9億円。アクリルポリマーはタイ子会社からの製品販売が順調に伸長したことに加え、LIB向け製品の販売が堅調に推移した。アクリルオリゴマーは、海外での販売数量が減少した。高分子凝集剤は輸出が減少した。

 接着材料事業は売上高9%減の25億円、営業利益68%減の2億円。瞬間接着剤は、国内販売は堅調だったが、新型コロナ感染症拡大の影響から海外での工業用用途の需要が低迷。また、海外子会社の操業が一部制限された。機能性接着剤は、自動車関連用途向け製品の需要が低調に推移したことに加え、一部不採算製品の販売を縮小した。

 高機能無機材料事業は売上高1%増の22億円、営業利益11%減の6億円。高純度無機化学品は、コロナの影響から半導体向け需要は堅調に推移したが、その他向けの需要が低迷した。無機機能材料は、機能性衣料向けの消臭剤や電子部品向けイオン捕捉材が順調だった。

 樹脂加工製品事業は売上高4%減の62億円、営業利益は18%減の2億円。管工機材製品は国内景気の停滞から販売数量が減少した。建材・土木製品は、受注物件が減少。ライフサポート製品は販売競争が激化した。エラストマーコンパウンドは一部製品の需要が回復した。

 なお通期業績については、前回予想を据え置いている。