太陽石油の3月期 石油製品マージン改善で大幅な増益

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2021年6月10日

 太陽石油が9日に発表した2021年3月期の決算は、売上高は4576億円(前年比1757億円減)、営業利益376億円(同593億円増)、経常利益374億円(同589億円増)、純利益260億円(同460億円増)となった。なお、在庫影響除き経常利益は104億円(同38億円減)だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、航空燃料をはじめとした石油製品需要の落ち込みや海外製品市況、石油化学製品市況の低迷を受け、生産および販売数量は減少(前期比126万kl減の733万kl)し、売上高は減収となった。

  一方、損益面は、市況に応じた最適な稼働と柔軟な販売を実施したことに加え、OPECプラスの協調減産やワクチン普及に伴う景気回復への期待感などを背景とした原油価格の上昇による石油製品マージンの改善が大きく貢献。前年度末に多額のたな卸資産簿価切り下げを行ったこともあり、各利益項目は大幅な増益となった。

ニチバン 3月期決算(14日)

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2021年5月17日

[ニチバン/3月期決算](14日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結=売上高41,528(▲5.8%)、営業利益2,000(▲32.8%)、経常利益2,070(▲33.1%)、純利益1,350(▲22.9%)。

旭有機材 3月期決算(14日)

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2021年5月17日

[旭有機材/3月期決算](14日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結=売上高53,551(▲5.4%)、営業利益3,404(▲22.1%)、経常利益3,648(▲17.0%)、純利益2,789(▲11.1%)。

チッソの3月期 機能材以外の事業が伸び経常益は黒字に

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2021年5月14日

 チッソは13日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比9%減の1320億円、営業利益25億円(前年比32億円増)、経常利益33億円(同46億円増)、純損失11億円(同108億円増)となった。

 セグメント別に見ると、機能材料事業は減収・経常損失。液晶材料は、コロナ禍における巣籠り需要によりIT用液晶の販売が堅調に推移したものの、TV用液晶の販売が減少した。経営環境の悪化に対応すべく事業拠点の最適化といった施策に注力した結果、損益は改善している。有機EL材料も新型コロナ感染症の影響によりモバイル・TV用有機ELの販売が減少した。シリコン製品は、コンタクトレンズ用途などの需要が好調に推移した。

 加工品事業は減収増益。繊維製品は、国内ではコロナ対策関連の需要が堅調に推移したことに加え、海外向けの出荷が拡大し、原綿および不織布の販売は増加。また市場ニーズへの対応、スプレッドの確保、コスト削減などを進めてきた結果、増収増益となった。肥料は、厳しい事業環境のもと、被覆肥料の国内出荷は堅調となったが、コロナ影響により海外向けの出荷が低調となった。コスト削減を進めてきたが、原料価格の下落による製品評価減の影響もあり減収減益となった。

 化学品事業は減収増益。オキソアルコールは、生産設備の大型定期修理の実施や、上半期における自動車、住宅関連の需要低迷などにより出荷が低調となったが、海外市況が回復し損益は改善した。ポリプロピレン(PP)は、コロナ影響による経済活動の停滞により、4-6月期に出荷が大幅に減少したが、主力の自動車関連を中心に緩やかに需要が回復した。ポリエチレンは、主にレジ袋有料化の影響によりフィルム用途の需要が落ち込み出荷が減少した。コロナ対策関連の治療薬やワクチン製造向け製品の需要が堅調となり販売が増加した。

 商事事業は減収増益。主力のPPの販売において自動車関連の需要が低迷したほか、原料ナフサ価格の下落により販売価格が低下し減収となったが、営業活動の制限を含む固定費の削減効果などで増益となった。

 電力事業は増収増益。FIT活用に向けた既存水力発電所の大規模改修工事を引き続き推進し、安定した収益基盤の強化に注力した。

 その他事業は増収増益。エンジニアリング部門は、国内の石油化学関連の案件や新規案件の受注が堅調となった。

 2022年3月期の通期業績予想については、売上高11%減の1180億円、経常利益45%減の18億円を見込む。

東レの3月期 繊維・炭素繊維複合材が振るわず減収減益

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2021年5月14日

 東レが13日に発表した2021年3月期の連結決算(IFRS)は、売上収益は前年比10%減の1兆8836億円、事業利益28%減の903億円、純利益46%減の458億円だった。国内外ともにコロナ禍による生産活動・消費行動停滞の影響を受けた繊維や、炭素繊維複合材料が振るわず減収減益となった。

 セグメント別に見ると、繊維事業は減収減益。衣料用途は各国でのロックダウンや過剰な流通在庫から需要が低迷し、産業用途は一般資材用途が低調で販売数量が減少した。医療用白衣地やマスク用途での不織布需要の増加に加え、3Q(10-12月期)以降に自動車関連用途で回復の動きが見られたが、総量の減少をカバーできなかった。

 機能化成品事業は減収増益。樹脂事業は、コロナ禍による生産活動停滞の影響を受けたが、3Q以降、自動車メーカーの稼働や中国経済の回復を受け、需要が好調に推移。ケミカル事業は、基礎原料の市況が回復傾向となった。フィルム事業は、LIB向けバッテリーセパレータフィルムが市況価格低下の影響を受けたが、ポリエステルフィルムでは光学用途や電子部品関連が好調に推移、電子情報材料事業は、有機EL関連の需要が増加した。

 炭素繊維複合材料事業は減収・事業損失。一般産業用途では、風力発電翼用途が堅調に推移したものの、航空宇宙用途では民間旅客機のビルドレートの減少が響いた。環境・エンジニアリング事業は増収増益。水処理事業は、逆浸透膜などの需要はおおむね堅調に推移し、環境・アメニティー事業では、エアフィルターの需要が好調だった。

 ライフサイエンス事業は減収増益。医薬事業は、経口そう痒症改善薬「レミッチ」が後発医薬品発売の影響を受けたほか、昨年4月の大幅な薬価改定の影響を受けた。医療機器事業は、新型コロナ感染拡大に伴い、医療機関での不急の手術先送りの影響がある中、ダイアライザー(透析器)は国内外で堅調だった。

 なお、2022年3月期の連結業績は、売上収益13%増の2兆1200億円、事業利益33%増の1200億円、純利益75%増の800億円を見込む。

 

住友化学の3月期 総合化学の守りの強さで増収増益

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2021年5月14日

 住友化学は13日、2021年3月期の連結業績(IFRS)のオンライン決算説明会を行った。売上収益は前年比3%増の2兆2870億円、コア営業利益11%増の1476億円、営業利益微減の1371億円、純利益49%増の460億円となった。また海外売上比率は3ポイント増の68%だった。

 石油化学の落ち込みを情報電子化学と健康・農業関連事業で補い、岩田圭一社長は「コロナ影響の少ない医薬・農薬の底堅い業績、巣ごもり需要による情報電子の過去最高益、石化市況の急回復の3要因で、コア営業利益は前年比150億円増となり、多様な事業展開による守りの強さを示した1年だった』と総括した。

 セグメント別では、

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デンカの3月期 減収の中で営業利益は過去最高を更新

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2021年5月14日

 デンカは12日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比7%減の3544億円、営業利益は10%増の347億円、経常利益は7%増の321億円、純利益は微増の228億円の減収増益となった。

 オンライン会見において今井俊夫社長は「新型コロナ影響によりクロロプレンゴム(CR)などの販売数量が大幅に減少したが、電子・先端プロダクツ製品やヘルスケア分野の新製品が大きく寄与し、過去最高の営業利益を達成した。スペシャリティー化推進の効果だ」と説明した。

 セグメント別では、

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