帝人ファーマ ADA欠損症治療剤を日本で初めて発売

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2019年6月5日

 帝人ファーマはこのほど、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症治療剤「レブコビ筋注2.4mg」=一般名:エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)=の販売を開始した。

 ADA欠損症は、遺伝子の変異によりADAという酵素に欠損が生じることで、重度の免疫不全状態となり、易感染症や成長障害などを引き起こす希少疾病。

 その治療は造血幹細胞移植が第1選択とされているが、その他の療法として、ADAを投与することで免疫機能の改善を図る酵素補充療法が用いられることもある。

 しかし、日本ではこれまでADA酵素製剤が承認されておらず、治療上の課題となっていた。そこで、同社では新たな治療選択肢の提供に向け、2014年に英国の製薬企業であるリーディアント社(当時はシグマ・タウ・ファルマ社)と、日本での独占開発・販売契約を締結し、ADA欠損症治療剤の開発に着手。今年3月に「ADA欠損症」の効能・効果で、厚生労働省から製造販売承認を取得した。

 「レブコビ筋注2.4mg」は、ADA欠損症に対して適応を持つ日本初の薬剤で、ADA活性の上昇や免疫機能の改善などが期待される。

 帝人ファーマは同剤の適正使用の普及に努めることで、ADA欠損症患者のQOL向上に貢献していく。