東亞合成 液状化対策複合ポリマー、実工事で強度確認

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2021年8月24日

 東亞合成はこのほど、新たな複合ポリマー「CXP」使った、初の試みとなる「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を、高アルカリ性(pH10.3)、既設タンク直下の地盤で行い、十分な強度改善効果を確認したと発表した。同ポリマーと同工法は、京都大学大学院地球環境学堂の勝見武教授の技術指導の下、東亞合成と鴻池組が共同開発したもの。 

「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー を形成
「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー を形成

「CXP」はアクリル系薬剤と無機系薬剤を地盤内で結合させ、複合ポリマー(高強度ゲル)を形成する新しいタイプの地盤注入剤。従来の地盤改良剤と比べ、①酸性からアルカリ性まで広範囲な地盤に適用可能、②養生期間は従来の5分の1に短縮、③複合ポリマーは安定で強度・耐久性に優れる、④高い安全性で水生生物への影響が小さい、という特長がある。

 

東亞合成名古屋工場内にある既存タンク直下で、「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を実施
東亞合成名古屋工場内にある既存タンク直下で、「CXPグラウト工法」による液状化対策工事を実施

今回、「CXPグラウト工法」による初めての実工事として、東亞合成名古屋工場内にある使用中のタンク直下での施工を実施。注入管を斜めから地盤に挿入して25tの「CXP」を注入した。地盤のpHは10以上と高アルカリ性だったが、施工後に採取した改良土の圧縮強度は液状化対策に十分な強度を示した。その結果、同工法による既設構造物直下地盤への適用性が明らかになるとともに、pH10を超えるアルカリ性地盤も十分に改良できることが実地盤で確認された。

 東亞合成は、すでに民間企業への紹介を開始しており、今後は、さらに工事実績を重ねて液状化被害を防止することで、地域の安全と国土強靭化に貢献していく考えだ。