三菱ケミカルホールディングス 豚の音声検知システムを共同開発 

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2019年9月5日

 三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は4日、Hmcomm(東京都港区)・宮崎大学と、豚の音声を収集し健康状態や母豚の発情兆候・哺乳回数を検知するシステムの開発を目指して共同研究を開始すると発表した。

 MCHCは2017年に先端技術・事業開発室内に未来市場グループを設置し、先進的な顧客ならびにパートナーと連携して新規事業を開拓。10~20年後のMCHCグループのビジネスポートフォリオの拡大とグローバルなプレゼンスの強化に寄与することをミッションとしている。その中で将来予想される食糧難に向けて畜産分野の安全・安心を提供する様々なソリューション提案を目指している。

 Hmcommは産業技術総合研究所(産総研)発のベンチャー企業として、産総研独自の音声処理技術を用いた要素技術の研究/開発と、ソリューション/サービスを提供。これまでにも異音検知プラットフォームを活用した豚の健康管理に関する実証試験を実施するなど、音から価値を創出し、革新的サービスを提供することで社会に貢献することを目指している。

 今回開始する共同研究では、宮崎大学住吉フィールドおよび南さつま農業協同組合加世田農場で飼育する母豚や肥育豚の音声を収集し、Hmcommのディープラーニングによる異音検知プラットフォーム「FAST‐D」を活用。

 AIに学習させることで、熟練者と同等以上のレベルで「豚の呼吸器系疾病の兆しの早期検知」「発情兆候の検知」「哺乳回数の測定」を行い、熟練差のノウハウの平準化を推進する。またこの音声検知システムを構築することで、より少人数での効率的な畜産業務の実施が期待される。

 今後もMCHCグループは、持続的な社会の実現のため、人・社会・地球が抱える課題解決に向けてグループの総合力でソリューションを提案し、社会に価値を提供し続けていく。