三井化学 パリ・複合材料展で初のコンセプトカーを展示 

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2019年3月13日

 三井化学は、フランス・パリで14日まで開催中の世界最大規模の複合材料展「JECワールド2019」に出展しており、同社初となるコンセプトカーを展示している(展示ブース:ホール6、H52)。

 今回、グローバル開発支援を行う子会社・アークとのコラボレーションで、コンセプトカー〝hour‘s Pod〟を製作した。「洗練された素材の融合により、時空間の新しい価値を生み出す」「素材で移動環境をMAKEする」をコンセプトに、三井化学グループのさまざまな新素材・新技術を搭載し、素材の融合で実現する新しい移動環境・時空間の価値を提案する。コンセプトカーの骨格や床材には、「タフネックス」をテープやパイプ状に成形したものを搭載した。

 同製品は、炭素繊維とポリプロピレンによるUD材料で、軽量・低吸水・リサイクル性・高い加工性をもつ。ウインドウ表面には、曇りにくく汚れが付きにくい、UV(紫外線)硬化コート剤「ノストラ」を使用。シートやテーブルのクッション材には、新規イソシアネートを用いたポリウレタンエラストマー材料「フォルティモ」を採用し、高弾性・高耐熱性、無黄変性、耐久性を高めた。また、シートやテーブルの表層には、「フォルティモ」とリアルカーボンを組み合わせた複合材料を搭載。耐久性や耐衝撃性、高弾性などの特性を保ちつつ、柔らかで滑らかな心地良い手触りを実現した。

帝人グループ 仏の複合材料展示会に出展し高機能材の用途開拓

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2019年3月8日

 帝人グループは今月12~14日にフランス・パリで開催される「JECワールド2019」に出展する(展示ブース:ホール6、G28とJ28)。同展示会は、世界中に55万名以上の会員をもつ世界最大の複合材料関連団体・JECグループが毎年開催しているもの。今回は、新たに帝人グループに加わったイナパル・プラスティコ社とジーグラー社を含む、同グループの複合成形材料や高機能マテリアルを結集し、さらなる用途開拓を図る。

 イナパル・プラスティコ社は、ポルトガルの自動車向け複合材料成形メーカー。炭素繊維を使用したCF-SMC(熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させシート状にした成形材料)やPCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)などの技術をもつ。

 他方、ジーグラー社はドイツに本社を置き、欧州を中心に自動車向け内装材の生産・販売を展開。長年培ってきた不織布の生産・加工技術を応用し、優れた静音性能をもつ吸音材製品を市場投入しており、欧州で高いシェアを誇る。共に昨年夏、帝人グループの100%子会社となった。

 主な出展内容は、複合成形材料では、熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)「セリーボ」や超軽量複合成形部材。高機能マテリアルでは、炭素繊維「テナックス」、パラ系アラミド「トワロン」「テクノーラ」、不織布「HACOloft」、高耐熱・高耐衝撃プリプレグなどを予定。構造部材やEV向けバッテリーケースといった自動車関連部品をはじめ、宇宙・航空、船舶、風力発電、建築など、各素材に合わせたさまざまな用途を提案していく。強度に優れるアラミド繊維「トワロン」と炭素繊維「テナックス」を組み合わせた、複合材料で補強したヘリコプター座席なども紹介する。