【新年特集】JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏

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2023年1月5日

ダウントレンドは変化のチャンス、技術でマーケット開拓

  ━2022年を振り返って。

 昨年は、4月に祖業であるエラストマー事業をENEOSに譲渡するという大きな節目の年となった。譲渡先であるENEOSと当社で協議を進め、スムーズな移管を完了することができた。一方、社内では不安定な状況の中で新システムの導入も行い、

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【新年特集】わが国化学産業、今年はダウントレンドの見方強まる

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2023年1月5日

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【夏季特集】わが国化学産業、世界経済の変調で事業環境が一変

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2022年8月10日

脱炭素化も急務の課題、新たな挑戦で成長を実現

 わが国化学産業は、好業績となった昨年度から一転して、事業環境に暗雲が立ち込めている。ウクライナ問題を背景に原油価格が高止まりし、原燃料価格の高騰や物流費などのコストアップが収益を圧迫してきた。また中国では、ゼロコロナ政策の強化により景気が悪化。巣ごもり需要で好調だった半導体メモリやディスプレイ材料などでは在庫調整の動きも出始め、自動車生産も半導体不足の影響から計画の見直しが進む。

 こうした最終製品の需要低迷が素材分野に及び、わが国エチレン稼働率は8年7ヵ月ぶりに90%台を2ヵ月連続で割り込む事態となった。各社は、価格是正やコストダウンに取り組むなど、変動への耐性が問われる1年となっている。

 一方、化石資源がひっ迫しているものの、将来に向けた脱炭素化も急務の課題だ。環境に貢献する技術開発では、業界を超えたアライアンスや、NEDO事業などに参画する動きが活発化している。装置産業にとって脱炭素はハードルが高いものの、この転換期を乗り越え、いかにビジネスにつなげるかが、生き残りを図るカギになってくる。

 今回の特集では、既存事業の強化とともに、新たな分野にどう挑戦して企業成長を実現していくのか、業界を代表する方々に話を聞いた。

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◇インタビュー◇

三菱ケミカルグループ 代表執行役EVP 福田信夫氏
 ▽物流・サプライチェーン改革を推進、DXで可視化し最適化へ

旭化成 社長 工藤幸四郎氏
 ▽アニマルスピリットを覚醒、積極的に挑戦し道を切り拓く

三井化学 社長 橋本 修氏
 ▽社会課題解決にソリューションを提供、CVCで新事業創出へ

昭和電工 社長 髙橋秀仁氏
 ▽来年1月に統合新会社が発足、新社名と新体制で共創を実現

東ソー 社長 桒田 守氏
 ▽ハイブリッド経営で着実な成長、環境貢献と企業成長に挑む

JSR 社長兼COO 川橋信夫氏
 ▽成長投資を継続、技術力を強化し最先端分野を切り拓く

プライムポリマー 社長 藤本健介氏
 ▽ポリオレフィンは差別化に注力、MRとバイオマスで環境貢献

PSジャパン 社長 室園康博氏
 ▽長期ビジョンでは利益を追求、CR設備や環境製品開発に投資

【新年特集】JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏

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2022年1月5日

DSとLSに傾注、事業基盤を固めて成長加速

 ━2021年を振り返って。

  昨年はコロナ禍が収まらない状況だったが、世界経済全体が回復傾向となり、当社の各事業も収益が改善した。事業別に見ると、石油化学系のエラストマー事業は、対面業界である自動車業界の生産が戻ってきたことで販売量が増加し、コロナ禍前の2019年度と比較して上期の売上は90~95%の水準まで回復した。しかし、半導体不足や東南アジアからの部品の供給が滞った影響で自動車生産が減少し、9~10月をピークに下降傾向となっている。4Q(1―3月期)の状況を注視しているところだ。

 また同事業は、4月1日にENEOSへの譲渡を決定しており、それに向けた準備を進めている。ABSを中心とした合成樹脂事業も同様に、需要が戻ってきた。特に、車室空間の静音性に貢献する、きしみ音がしない「ハッシュロイ」は景気の動向に左右されず伸長している。

 一方、デジタルソリューション(DS)では、半導体材料が極めて好調となった。ウエハー市場は年成長率が8~10%と言われているが、当社の材料事業は

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