帝人フロンティア 身体の動きの3Dデータ化と提供のサービス開始

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2021年2月5日

 帝人フロンティアはこのほど、ストリートダンスを中心にイベント企画・映像制作などを手掛けるアノマリー(東京都渋谷区)と共同でモーションセンシングで身体の動きを解析・記録するプラットフォーム「MOTIONBANK PROJECT(モーションバンク プロジェクト)」を開始すると会見発表した。

 帝人フロンティアのウエアラブルモーションセンシング技術「MATOUS」と、ストリートダンスを軸にしたアノマリーの知見とを融合させ、身体の動きをデータ化するシステムを開発。きっかけは、アノマリーの神田CEOの「ダンスで世界を変えたいと始め、今や日本のダンス人口は600万人。オリンピックの公式競技にもなり、次世代エンターテインメントの中心になるだろう。しかしダンスは著作権で守られておらず、何とか著作化してダンサーの権利を守りたい」という思いに対し、帝人Fの重村新事業開発室長が「モーションデータで皆さんを支援できないか」と応えたことだ。

 独自のアルゴリズムで動きを数値化してダンスを著作化し、収益化につなげる。このプロジェクトでデータ化し記録した3Dモーションは、様々な分野へ活用可能だ。既に1万4000以上のモーションデータ・ストックがあり、それらの合成もできる。「飛ぶ」「腕を振る」などのキーワードでデータを取り出し、複数の動きをAIで自動合成し、それをVRコンテンツなどに応用できる。

 「MATOUS」は専用の設備やスタッフ、撮影・編集は不要で、どこでも簡単に詳細な3Dモーションデータが得られ、時間やコストを大幅に削減できる。今月1日からゲームやアニメーションの制作会社などにデータ販売を開始し、その後はスポーツ、伝統芸能、伝統技術の習得分野や、リハビリやトレーニングのような健康・ヘルスケア分野、人の動きをトレースするロボット分野などに向けてソリューション展開を図る。これら様々な分野のモーションデータの取得と販売を拡大展開し、2025年度には両社合わせて売上20億円を目指している。