東レ PPS樹脂を再値上げ、原料価格などの上昇に対応

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2021年12月1日

 東レは30日、PPS樹脂「トレリナ」について、12月21日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、コンパウンドグレードが「60円/kg」、ベースポリマーが「90円/kg」。なお、同樹脂の価格改定は5月以来となる。

 現在、PPS樹脂の原燃料価格および海上運賃の上昇が継続しており、主原料価格の高止まりの状況が続いている。同社は、あらゆる角度から継続的なコスト削減と合理化に努めてきたが、これらの自助努力で吸収できる水準を超える極めて厳しい状況にある。こうした環境下、安定した品質での製品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進するため、再度の値上げの実施を決定した。

東ソー PPS樹脂を値上げ、原料価格の上昇に対応

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2021年5月31日

 東ソーは28日、PPS樹脂「サスティール」全グレードについて6月21日出荷分から値上げする、と発表した。価格改定幅はベースレジンが「95円/kg」、コンパウンドが「60円/kg」。

 同社は、これまでPPS樹脂の品質向上、安定供給ならびにコスト削減に努めてきた。しかし世界経済の正常化による需要の増加や、米国寒波の影響も受けた昨今の原燃料高を背景に、主原料・副原料・各種ユーティリティのコストが増加している。さらに安定生産・安定販売や品質の向上のための設備修繕費や物流費も上昇し、自助努力で吸収できる限界を超えている。こうした中。同社は、安定供給を継続するため、採算是正を実施せざるを得ないと判断し、今回の値上げを決定した。

東レ PPS樹脂を値上げ、原燃料などコスト上昇に対応

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2021年5月21日

 東レは20日、PPS樹脂「トレリナ」を6月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、コンパウンドグレードが「50円/kg」、ベースポリマーが「80円/kg」。

 昨年秋からの自動車用途を中心とした急速な需要回復を受け、PPS樹脂の原燃料価格は上昇を継続。加えて、物流費や添加剤などの副原料価格も上昇している。同社は、あらゆる角度からコスト削減と合理化に努めてきたが、自助努力のみでのコスト上昇の吸収は限界に達しており、安定した品質での製品供給や高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進するために、今回の値上げを決定した。

八十島プロシード PPS樹脂対応の3Dプリント造形受託サービス開始

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2018年12月13日

 造形受託サービスを行う八十島プロシード(本社:兵庫県尼崎市)はこのほど、国内初となる「PPS樹脂」に対応した3Dプリント造形受託サービスを12月から開始したと発表した。アスペクトが開発した粉末床溶融結合装置「RaFaEl(ラファエロ)Ⅱ 300C‐HT」を導入した。

 高温環境下での高精細造形が可能で、東レが世界で初めて素材開発に成功した粉末樹脂「トレミルPPS」(ポリフェニレンサルファイド)を使用。PPS樹脂は耐熱性、機械的特性、難燃性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックで、PPSによる3Dプリント製品は、高耐熱性、耐薬品性、高強度が求められる自動車、航空宇宙産業、医療機器用途への展開が大いに見込まれている。

 八十島プロシードが2011年1月に3Dプリントサービスをスタートさせてから約8年。当初は粉末積層造形機一台からのスタートだった。これまでにポリジェットや熱溶融積層法(FDM)など、様々な造形方式を取り入れ、技術開発の追求を行ってきた。

 今回さらに、大型サイズの造形が可能な「RaFaElⅡ 550C‐HT」の導入も決定し、装置の保有台数は6機種合計23台となった。樹脂の造形方式では、ほぼ対応できる体制が整ったと言える。

 近年、多くの産業分野で、3Dプリンターによる最終製品の製造が広がっている。その中でも、粉末床溶融結合方式は他の3Dプリンターの方式に比べ、高い寸法精度と強度を実現できる方式として、今後急速な市場拡大が見込まれている。八十島プロシードは、その新技術で、初年度生産量3tを目標とし、PPS樹脂の造形受託サービスを本格的に展開していく方針だ。

 なお、来年1月16~18日に東京ビッグサイトで開催されるオートモーティブワールドで「トレミルPPS」を使用した3Dプリント造形サンプルの展示(ブース番号:東7ホール 69‐80)を行う。