サンアロマーは29日、同社が製造・販売するポリプロピレン(PP)全製品を12月16日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉を開始したと発表した。改定幅は「10円/kg以上」。同製品については、10月に続く価格改定の発表となる。
新型コロナウイルスによるパンデミックは、一部の国で再拡大の懸念は払拭されてはいないものの世界全体としては収束しつつあり、経済活動の回復は鮮明になってきている。それに伴い、冬季暖房需要の高まりも含めて原油需要は拡大しているが、一方ではOPECプラスの増産体制は整わず、原油価格の上昇傾向が続いている。
こうした中、PPの主原料であるナフサ価格も連動して上昇しており、国産ナフサ市価は6万5000円/klに達する可能性もでてきた。同社は10月14日にも原料価格上昇を理由に、「15円/kg以上」の値上げを打ち出したが、さらなる原料価格の高騰は、同社が行うコストダウンの自助努力の限界を超えたものであるため、再度の製品価格への転嫁が不可避と判断した。
なお、ナフサ価格が想定より大幅に上昇した場合は、価格改定幅の変更もあるとしている。