三菱ケミカル アクリルアマイドを値上げ、採算是正を図る

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2020年11月27日

 三菱ケミカルは26日、アクリルアマイド50%水溶液について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「15円/kg以上」(フォーミュラ改訂、純分換算)、輸出が「150ドル/t以上」となっている。

 アクリルアマイドは、国内では紙力増強剤や高分子凝集剤向けの需要が堅調に推移し、海外では石油採掘用ポリマーや水処理用途を中心に需要が伸長している。こうした中、原料となるアクリロニトリル(AN)は、プロピレンやアンモニアの価格上昇による価格改定が9月に完了しており、アクリルアマイドへの転嫁が避けなれない状況。それに加えて、梱包材料、物流費などの諸経費の上昇や、近年の働き方改革や設備安全への要求の高まりから製造コストが上昇するなど採算が悪化している。

 同社は、生産の効率化などによるコスト低減努力を続けているが、現在の原料価格の上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、このコスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断し、今回の値上げを決定した。

アジア石化市況 エチレン下値10ドル安も底打ち感

2020年11月25日

ブタジエン200ドルの急騰、SMは上昇基調継続

 アジア地域の11月第1週の石化市況では、エチレンは下値10ドル安、上値20ドル高の740~800ドル/tでの取引となった。下値は4週連続で弱含んだものの、上値は再び800ドル/tを回復しており底打ち感が出始めている。アジア地域で行われていた各社の定修が明けてくるものの、海外メーカーのトラブルが発生したことで、需給の先行きに不透明感が強まった。

 ただ、ナフサとのスプレッドは

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三菱ケミカル MMAモノマーなどの国内価格を値上げ、採算是正図る

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2020年11月18日

 三菱ケミカルは17日、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)およびメタクリル酸エステル類(BMA・HEMAなど)の国内価格を、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、MMA・MAAが「25円/kg」、メタクリル酸エステル類が「25円/kg以上」。すでに各需要家と交渉に入っており、早期の値上げ浸透を図る。

 同社は広島事業所でC4法およびACH法によりMMAとMAAを製造し、それらを原料としてBMA(ブチルメタクリレート)、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)などのメタクリル酸エステル類を製造。主に国内顧客向けに安定供給を続けている。しかし、近年の働き方改革で各設備の定修期間延長による費用増加、安全対策として老朽化設備の維持・更新費用の追加、人手不足による物流費の高騰、などにより製造コストが上昇しており、この傾向は今後も続くと見られる。

 こうした中、同社はこれまで自助努力によりコスト削減を実施してきたが、国内顧客へ良品質の製品を安定的に供給するためには価格改定が必要と判断し、今回の価格改定を決定した。

 一方、コロナ禍の影響により落ち込んでいたMMAの国内需要は、6月を底に反転しつつある。コロナ対策で使用されるアクリル板(PMMA)向けが堅調に推移していることに加え、自動車生産の回復を受け塗料用途なども戻ってきている。秋に国内各社の定修が重なったこともあり、足元では需給がタイトとなっているようだ。

宇部興産 CPL11月契約価格は前月比90ドル高

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2020年11月18日

冬物衣料の需要好調、中国トラブルで需給タイト

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、11月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比90ドル高の1240ドル/tで決着した。これで、2カ月連続90ドル高となり、9月からの3カ月間で210ドルも急騰している。冬物衣料に向けた需要期に入る中、アジア地域では複数プラントが定修入りや定修を控えていたこともあり、市場に先高観が出ていた。

 こうした中、中国メーカーの間でトラブルによる稼働停止が続発。需要家の間で玉を確保する動きが強まり、契約価格を大きく押し上げる結果となった。スプレッドについても、原料ベンゼンの上昇分をカバーし、前月比55ドル拡大の780ドル/tにまで改善している。とはいえ、4~11月の平均スプレッドは673ドル/tと昨年同期(908ドル/t)を下回っており、収益的には依然として厳しい状況だ。

 一方、中国・SINOPECは、10月(下旬決め)の契約価格を前月比34ドル高(100人民元高)の1192ドル(9800人民元)で決着。11月の仮価格については、今月12日に1324ドル(1万800人民元)で打ち出した。需給バランスを見ながら段階的に上げてきており、強気の姿勢となっているようだ。

 中国メーカーの稼働率を見ると、ナイロンチェーン全体で高水準となっている。11月初旬の稼働率は、CPLはトラブル要因で80%弱(10月初旬90%弱)と全体的に下がったものの、川下のチップは70%半ば(同60%半ば)、ヤーン(糸)は80%弱(同70%程度)と10%ほど上昇した。川下の需要が改善してきたことで、今後、ナイロンチェーンが好循環に入っていくとの見方が出ている。また、ナイロンチップの価格も、前月は1300~1400ドル/tだったが、今月に入ってからは1400~1500ドル/tで交渉が進んでいるもよう。足元では1600ドル/tでの取引も見られ、CPL価格の上昇分を転嫁する動きが強まっている。

 12月の契約価格については、一段と上昇する可能性が高い。中国メーカーのトラブル要因は徐々に解消してくることが想定されるが、自動車部品や電子部品、また衣料品などナイロン製品の好調さが供給量の増加を吸収すると見られる。

 ただ、ベンゼンなどの原料市況が上昇傾向になることが懸念材料。ベンゼンはスチレンモノマー向けに、アンモニアや硫黄も肥料向けなどに、それぞれ引き合いが強まっている状況。仮に、原料市況が一段と上昇基調となれば、CPLのスプレッドを圧迫する可能性もあり、原料市場の動向が注目される。

 なお、宇部興産のCPL工場(宇部、タイ、スペイン)については、10月末で定修が終了した宇部工場はフル稼働。タイ工場は90%稼働となり、肥料が好調なスペイン工場はフル稼働を継続している。