積水化学 反りに強い硬質塩化ビニル管を4月1日に発売

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2019年3月20日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは19日、近年の気候環境に対応した、年間を通して「反(そ)り」に強い硬質塩化ビニル管「エスロンパイプ・+(プラス)」を、4月1日より全国発売すると発表した。

 同社は、耐食性と施工性に優れている硬質塩化ビニル管「エスロンパイプ」を1952年から製造・販売しており、建築設備の給排水管・下水道管・農業用水管など幅広い分野で使用されている。しかし、硬質塩化ビニル管は日差しの強い夏季に直射日光に曝されると、熱変形を起こし、反りが発生することがある。在庫中に反りが発生すると、施工の際に「勾配がとれない」「配管がしづらい」などの問題が起こる。

 そこで同社は、独自の配合と技術で、2002年には反りを従来の約2分の1に低減する「エスロンサマーパイプ」を、主に戸建て住宅の排水管に使われるVU管(薄肉管)向けに開発し、夏季(5~8月)限定で製造・販売してきた。ただ、近年は急激な気候変動により、夏季だけでなく年間を通じて温度の上昇が観測されている。

 こうした気候変動に対応するため、同社では全面的な性能向上に注力。硬質塩化ビニル管の反りは、管表面への蓄熱による熱変形のため、高い気温の中でも、蓄熱を防ぐことがポイントとなる。また、年間を通じての気温の上昇に対応するため、反りの発生しやすいVU管以外の管種への拡大や、通年での供給へのニーズが出てきている。

 そこで同社は、67年の歴史で初めて、「エスロンパイプ」を全面的に性能向上させ、①年間を通じて「反り」に強い②適用管種が大幅に拡大③保管・在庫管理の簡易化、といった特長をもった「エスロンパイプ・+」を開発した。 

東北大学 全固体電池の高性能化を加速する新物質を開発

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2019年3月19日

 東北大学はこのほど、水素クラスター(錯イオン)の分子構造のデザインにより、リチウムイオンが高速で伝導する新たなリチウム超イオン伝導材料を開発したと発表した。

 錯イオンとは、中心原子に複数の原子が結合した分子構造をもつイオン。開発品は、高エネルギー密度化が実現できるリチウム負極に対し、高い安定性を示すとともに、リチウム負極を使用した全固体電池の固体電解質として用いた場合に、電池の使用時間が大幅に向上することも実証した。

 同大学金属材料研究所のキム・サンユン助教と同大学材料科学高等研究所の折茂慎一副所長らの研究グループは、水素とホウ素から形成された水素クラスターを含む錯体水素化物を中心に、リチウムイオン伝導の研究を進めてきた。今回の成果は、同大学多元物質科学研究所と高エネルギー加速器研究機構との共同研究によるもの。

 同開発は、全固体電池の高エネルギー密度化が一気に加速していく可能性を秘めている。電気自動車やスマートグリッド(次世代送電網)など、大型エネルギーデバイスを社会普及させるには、蓄電池の安全性・エネルギー密度・充放電速度などの高性能化がカギになる。特に、固体電解質を用いる全固体電池は次世代電池としての期待度が高い。現在のリチウムイオン電池と比較して安全性が大幅に向上するほか、液体電解質では使用が困難だったリチウムや硫黄などの高エネルギー密度電極への適用可能性が広がるため、蓄電池の高エネルギー密度化も期待される。

 固体電解質の最も重要な特性はリチウムイオン伝導率。室温(25℃)で1mS/cm以上の、現行の液体電解質に匹敵するイオン伝導率が求められる。同研究の錯体水素化物の特徴は、錯イオンの不規則性を高めることでリチウム超イオン伝導が誘起されること。しかし、不規則性を高めるには、材料を100℃以上の高温にする必要があった。開発品は、高い不規則性を付与した2種類の錯イオンを、さらに適切に混ぜ合わせることで、不規則性をいっそう高めた。結果的に室温付近でも錯イオンの不規則性が維持され、25℃で6.7mS/cmものリチウムイオン伝導率を示した。

 報告されている錯体水素化物の中では最も高い値で、液体電解質の伝導率にも十分匹敵する。水素クラスターのデザインにより、リチウムイオン伝導率をさらに高めることも可能で、同大学らは、今後もリチウム超イオン伝導材料の開発を進めていく考え。

 

東レ 軟包装用向けに世界初の水なしオフセット印刷機

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2019年3月18日

 東レはミヤコシらとともに、食品や生活用品など身近な商品の軟包装材向けで世界初となる「水なしオフセット(平板)印刷機」を共同開発した。

 同印刷機は、東レ独自の水なし平版と水溶性UVインキの併用により、印刷時にVOCを含む液体(湿し水)を使う必要がないほか、印刷後の設備洗浄にVOCが発生しない水系洗浄液を利用できる。

 加えて、UVインキの乾燥に省電力性が高いLED-UVを使うことで溶剤乾燥と排気処理を省き、グラビア(凹版)印刷方式に比べてVOC排出量を98%以上削減し、印刷機1台あたり約80%減となる年間96万kWhの電力消費量削減を実現した。

 VOCフリーシステムのため、排気処理装置や防爆対応設備も不要。また、平版の使用により版代コストを安く抑えられるなど、設備導入コストとランニングコストを低減できるため、軟包装用印刷の多品種化・小ロット化が進む市場に、優れたパフォーマンスで対応する。

 同社は今後も、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ(持続可能性)」の両立をめぐる問題の解決に向けて、革新技術と先端材料で本質的なソリューションの提供をしていく。

 今回開発した水なしオフセット印刷機と水なし平版、水溶性UVインキを組み合わせた軟包装用水なしオフセット印刷システムは、その取り組みの一貫として印刷業界の環境負荷低減に貢献していく考えだ。

 なお同開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業によるもの。東レは2016年度から、VOCフリー化や省電力性など環境性能の高い軟包装用水なしオフセット印刷システムの開発を開始。2017年度には印刷機メーカーのミヤコシ、印刷用インキメーカーのT&K TOKA、印刷システムのユーザーである光村印刷が参画し、開発を推進してきた。

東大など 水の「負の誘電率」発見、高エネ密度の蓄電可能に

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2019年3月15日

 東京大学と産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、ナノ空間に閉じ込められた水の「負の誘電率」を発見した。これにより、高エネルギー密度の蓄電デバイスの開発につながることが期待される。

 電気を蓄えるデバイスの一種である電気二重層キャパシタ(EDLC)は、繰り返しの利用による劣化がほとんどなく、リチウムイオン電池に比べ高出力であるなどの特徴がある。

 この特徴を生かして、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された、小型移動ロボットの動力源として利用されるなど、幅広い用途で利用されており、今後、省エネルギー社会で電力の高効率な利用を可能にする蓄電デバイスとして、応用範囲の拡大が期待されている。

 EDLCは電気二重層と呼ばれる、電子とイオンがペアになる現象により電気を蓄える。このため、より効率的に電気を蓄えるためには、ナノ空間で高密度に電子とイオンを閉じ込める必要がある。

 これまで、イオンをナノ空間に閉じ込める際、イオンに結合している水分子も一緒に閉じ込められることが知られていたが、この水分子の特性は不明なままで、水分子が共存するナノ空間で、効果的に電子とイオンを閉じ込める方法論も知られていなかった。

 東大大学院工学系研究科の山田淳夫教授と大久保將史准教授らのグループは、産総研の大谷実研究チーム長、安藤康伸主任研究員との共同研究により、「マキシン」と呼ばれる層状化合物の層間ナノ空間に、リチウムイオンとともに閉じ込められた水分子が、通常の正の値ではなく「負の誘電率」を持つことを発見。従来未開拓であったナノ空間での水分子の異常な物性を明らかにした。

 さらに、この「負の誘電率」を利用すると、少ないエネルギーでイオンを高密度に蓄えることが可能となるため、高エネルギー密度のEDLCの開発にもつながることが示された。

 

ソルベイ PPSU樹脂が手術器具向け大型滅菌トレイに採用

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2019年3月15日

 特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるベルギーのソルベイはこのほど、『レーデル』ポリフェニルサルホン(PPSU)樹脂が、米国レガシー・メディカル・ソリューションズ社の手術用器具向け大型滅菌トレイに採用されたと発表した。同樹脂の対重量比強度、繰り返し洗浄滅菌サイクルと高温オートクレーブを経ても、高アルカリ洗浄に対する耐性を持つことが決め手となった。

 レガシー・メディカル・ソリューションズ社の大型滅菌トレイは、長さ59.7cm、幅38.1cm、高さ14.2 cm。熱成形された透明な蓋と、金属製のクランプシステムで固定される不透明なベーストレイで構成されている。蓋が透明なのでトレイの内容物が見え、利便性が高い。ベーストレイは従来型の製品に使用されている、アルマイト製のトレイよりも50%軽量で、ドリル加工された穴が開いているため、滅菌時の効率的な排気が可能だ。

 『レーデル』PPSU樹脂の採用により、トレイの衝撃強さと柔軟性、耐薬品性も向上した。特に重要なのは、この製品が138℃で長時間、繰り返し行われるオートクレーブ処理を含む、全ての一般的な滅菌法に対応可能なこと。同樹脂を使うことで、強靭性と優れた美観の維持が可能になった。なお、同樹脂には透明色・不透明色ともに、さまざまなカラーバリエーションがある。

 

東レ 柔軟性・耐破断性を両立した生体吸収性ポリマー開発

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2019年3月15日

 東レは10倍に引き伸ばしても破断せずに復元する、生体組織のような柔軟性を持つ生体吸収性ポリマー=写真=を世界で初めて開発した。

東レ生体吸収性ポリマー01 柔軟性に加え、加水分解による分解速度を10倍に向上させる技術も開発しており、近い将来、このポリマーが広範な再生医療に使われていくことが見込まれる。

 14日に記者会見を行った同社先端材料研究所の真壁芳樹所長は「再生医療分野のキーポリマーとして開拓したい」と述べた。

 従来の生体吸収性ポリマーとして知られるポリ乳酸やポリグリコール酸は、柔らかいが切れやすいか、切れにくいが硬いかのどちらかで、縫合糸や整形外科のピンなどとして使われているが、血管や皮膚などの柔軟組織・臓器の再生には十分適合していなかった。

 同社では柔軟性と耐破断性を両立する生体吸収性ポリマーの開発に着手。「分子鎖の間の相互作用が弱く、分子鎖が長いポリマー」を設計コンセプトに研究を進めた結果、

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1,3-D技術協議会 土壌くん蒸剤が農薬登録を取得

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2019年3月14日

 1,3-D技術協議会はこのほど、土壌くん蒸剤「D-D剤」がテンサイシストセンチュウに対応する農薬登録を取得したと発表した。同害虫はアブラナ属やフダンソウ属の植物に寄生する線虫で、これによりキャベツ・白菜・ほうれん草での使用が可能になった。

 農林水産省は2017年9月、長野県で国内初となる同害虫の発生を確認した。線虫が根に侵入すると、寄生植物の生育が阻害されるため、収穫量が著しく低下する。

 これまで有効な防除方法がなかったことから、農水省と長野県は1,3-Dを有効成分とするD-D剤を使用して同害虫の根絶を図るため、農薬登録を検討していた。

 D-D剤は「D-D」「DC油剤」「テロン」「旭D-D」などの商品名で、アグロカネショウ、エス・ディー・エス バイオテック、ダウ・アグロサイエンス日本が販売している。

 なお、1,3-D技術協議会は、この3社に鹿島ケミカルを加えた4社で構成されている。

 

 

積水化学 日常生活の乱れが睡眠に影響と実態調査で判明

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2019年3月14日

 住環境研究所がこのほど実施した「睡眠状況に関する実態調査」で、日常生活の乱れが睡眠に悪影響を及ぼすことが分かった。同研究所は積水化学工業住宅カンパニーの調査研究機関。

 調査は、東京・神奈川・埼玉・千葉・山梨のセキスイハイムに住む、30~70歳代の1万4000人を対象に、今年1月、ウェブアンケート方式で行った。有効回答数は829件。

 それによると、睡眠の満足については、3割以上の人が睡眠に不満を感じていた。年齢別では中年層で睡眠不満が高く、30代、40代、50代は4割を超えていた。これら中年(30―50代)の不満層では、95%が「日中に眠気がある」、86%が「起きた時、すっきり目が覚めない」と回答した。

 睡眠不満の内容別に生活状況を見ると、「睡眠が足りない」「起きた時のすっきり感がない」人では、「平日の寝る時間の変動」「休日の寝る時間・起きる時間の変動」「平日の夜更かし」に当てはまる人が多く、日常の規則性が乱れていることが伺えた。また、日常生活の規則性が乱れると、眠りに影響を与えるだけでなく、体の不具合にも影響を与えることが分かった。

 寝室の音環境については、不満層全体で音をうるさく感じる人が多く、「外部の音がうるさい」では、中年の不満層が53%になっていた。

 家全体・寝室の温熱環境についても、不満層全体で不満が多く、「寝室の温度」は中年の不満層で31%となっている。さらに、不満層の中でも築20年以上の住宅に住んでいる人は、温熱の不満割合が30%と高い傾向にあった。

 今回の調査では、睡眠や生活習慣の悩みを持っている人は、睡眠を改善するサービスに興味を持っていることが分かったことから、調査手法の指導などを行っている江戸川大学の福田一彦教授は、これからの住宅メーカーは「健康的な生活を送るためのノウハウや、それに基づくシステムを提供する総合的なサービス企業として期待されている側面もある」と述べている。

大陽日酸 川崎にCO2フリー水素充填システムを設置

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2019年3月14日

 大陽日酸はこのほど、川崎水江事業所に再生可能エネルギーを利用したオンサイト型CO2フリー水素充填システムの設置を決定したと発表した。

 同プロジェクトは、環境省が公募した「平成30年度 二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金(再エネ水素を利用した社会インフラの低炭素化促進事業『地域再エネ水素ステーション導入事業』)」の採択を受けて行うもの。

 同社は、川崎市が推進する「水素社会の実現に向けた川崎水素戦略」のもと、中規模オンサイト型充填基地のモデルとして、川崎市臨海部工場エリアに位置する川崎水江事業所内に施設の建設・設置を行い、今年12月の完成を予定。太陽光発電による再生可能エネルギーを活用し、燃料電池フォークリフト(FCFL)運用までの一貫したシステムを構築する。

 具体的には、同事業所内の社屋屋上に設置する太陽光パネルから得られる電力を利用し、水電解式水素発生装置で発生させた水素ガスを、事業所内のFCFL動力源として使用する。

 設備仕様については、太陽光パネル出力は60Kw、水電解水素発生装置能力6N㎥/h、水素圧縮機能力6N㎥/h、FCFL連続充填台数5台。運用するFCFLは、トヨタエルアンドエフ神奈川が環境省の「水素社会実現に向けた産業車両等における燃料電池化促進事業」および神奈川県からの助成を受けたFCFLをリース契約し、事業所内で運用する。

 同社は再生可能エネルギーによるCO2フリー水素の発生からFCFLへの充填・運用までを行うことで、エネルギー起源二酸化炭素の抑制に貢献するとともに、地域社会への水素の普及拡大、社会受容性向上の一環として、同事業を活用していく。

NEDOなど 5Gスモールセル向けフォトダイオード開発

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2019年3月11日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、沖電気工業の3者は、フォトダイオードの小型化と高感度化を両立させる技術の開発に成功した。

 フォトダイオードは、光信号を電気信号に変換する素子。シリコンフォトニクス技術により他の光素子と集積可能なフォトダイオードとして、光アクセスネットワークで近年利用が始まった1600㎚波長帯の光に対して、世界最高となる21.8A/Wの受光感度を達成した。

 同技術は、第5世代移動通信(5G)ネットワークのスモールセル基地局装置に搭載される、光通信ユニットの超小型化と低消費電力化へ貢献が期待されている。超高速、同時多数接続、低遅延の通信サービスを提供する5Gネットワークでは、基地局エリアがスモールセルと呼ばれる小さなエリアに細分化され、従来の4Gネットワークに比べて面積当たり約100倍の数の基地局を設置することが必要になる。

 また、5Gネットワークを世の中の隅々まで普及させるためには、設置場所を選ばない手のひらサイズの小型のスモールセル基地局装置が必要で、それに内蔵できる超小型の、電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバーの実現が待ち望まれている。今回開発したフォトダイオードを、光波長フィルター、光変調器、送信用光源など他の光素子とともに集積すると、数㎚角の超小型光送受信集積チップになるという。

 3者は今後、5Gネットワークのスモールセル基地局装置への内蔵を目指し、この光送受信集積チップを実装した超小型光トランシーバーの開発を進めていく考え。また、同集積チップの小型である特長を生かし、分光機能を集積した光学分析チップの受光素子など、センサー応用への展開も図る方針だ。