帝人など 関節リウマチ治療薬のバイオ後続品が承認を取得

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2019年4月1日

 帝人とYLバイオロジクス(東京都中央区)、陽進堂(富山市)はこのほど、YLバイオロジクスがグローバル開発を進めていた、関節リウマチと多関節に活動性をもつ若年性特発性関節炎治療薬「エタネルセプト」のバイオ後続品(開発コード:YLB113)が同日、製造販売承認を取得したと発表した。

 「YLB113」については、500例を超える関節リウマチの患者を対象とした第Ⅲ相国際共同治験の結果をもとに、昨年3月にYLバイオロジクスが厚生労働省に製造販売承認申請を行っていた。

 同剤はインドの医薬品メーカーのルピンリミテッドが製造する原薬をベースにして、陽進堂の100%子会社であるエイワイファーマの日本国内の工場で製剤化される。

 陽進堂と、帝人グループでヘルスケア事業の中核を担う帝人ファーマは昨年7月、同剤に関する販売提携契約を締結しており、今後はこれに基づき共同で販売する。

 帝人ファーマは現在注力している「骨・関節領域」の製品ラインアップに同剤を加えることで、関節リウマチの患者のさらなるQOL向上に貢献していきたいと考えている。

大陽日酸 導電性フッ素樹脂のコーティング材を開発

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2019年4月1日

 大陽日酸はこのほど、ステンレスタンクなどの基材表面に導電性のあるフッ素樹脂コーティング膜を形成する、導電性フッ素樹脂コーティング材を開発した。

 樹脂にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶媒には水を使用、コーティング膜の表面抵抗率は100~1万オーム毎スクウェア。同社の山梨研究所ではサンプル試作体制を整えており、今後は顧客への訴求とサンプル提供を進め、本格的な商品化を目指す。

 同社は、高い導電性を備えた長尺カーボンナノチューブ(CNT)の製造を行っており、極少量のCNTをフッ素樹脂粉末に均一に複合化することでフッ素樹脂に導電性を付与する、高機能フッ素樹脂の製造技術をもつ。今回、フッ素樹脂ディスパージョンにCNTを極少量複合化した、導電性フッ素樹脂コーティング材の開発に成功した。

 半導体分野や化学分野では、酸塩基液体や有機溶剤のような腐食性が高い液体が使用されるため、液体が接触するタンクや金属配管・バルブなどの流路にフッ素樹脂コーティング膜を施している。 

 従来のフッ素樹脂コーティング膜は、耐薬品性と耐熱性に優れるものの、その絶縁性のために生じる課題を抱えていた。絶縁体のコーティング膜を施した配管などに液体が流れると静電気を帯び、放電によるコーティング膜の破壊で、液体に基材の金属成分が混入するなどの問題が発生するもの。そのため、静電気の発生が抑えられる導電性があるフッ素樹脂コーティング膜が望まれていた。

 開発品を基材にコーティングすると、帯電防止レベル(100~1万オーム毎スクウェア)の導電性をもったコーティング膜が形成される。同コーティング膜は厚み方向にも導電性があるため、膜の表面と基材外表面で導通をとることも可能。

 さらに、極微量のCNTを複合化させているため、カーボンの脱落リスクも極めて低い。半導体分野や化学分野で使用されている装置、タンク・テーブル・バルブといった設備、配管や継手など部品への利用が期待されている。

カネカ フレキシブルディスプレイ用の透明フィルムを開発

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2019年3月29日

 カネカは28日、フレキシブル有機ELディスプレイのカバーウインドウ用材料「透明ポリイミドフィルム」を開発し、今年度上期よりサンプル出荷を開始すると発表した。

 有機ELディスプレイ用途としては、TFT基板向けポリイミドワニスに次ぐ大型商品として市場開拓を進め、2025年に売上高100億円以上を目指す。次世代の高速通信規格(5G)によって大容量動画配信が進み、広げて大画面で動画が楽しめるフレキシブル有機ELディスプレイの市場は、急速に拡大することが予想されている。

 同社は長年にわたって培ったポリイミドの分子設計技術と光学フィルム製膜技術という2つの自社開発技術を融合し、繰り返し折り曲げが可能な高い屈曲性に加え、カバーフィルムに求められる透明性、表面硬度、ガラスに近い外観(表面平滑性)などの特性をバランスよく有する透明ポリイミドフィルムを開発した。

 今後も同社は、ディスプレイのフレキシブル化、高速通信化などに貢献するポリイミド各種製品の開発に注力し、IoT/AI時代の実現に向けたソリューションを提供して行く考えだ。

 

ユニチカ バイオプラのストロー向け樹脂グレードを開発

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2019年3月27日

 ユニチカはこのほど、バイオマスプラスチック「テラマック」の新規銘柄であるストロー向け樹脂グレード「TP‐5040」を開発したと発表した。今後は市場へ投入するとともに、国内外に向けた積極的な販売体制を整えることにより、新規顧客開拓を進めていく。

 昨今は海洋汚染問題がクローズアップされており、国内外の大手飲食チェーンを中心にプラスチック製ストローの廃止、もしくは紙製ストローへの置き換えの動きが加速している。こうした中、プラスチック製ストローの置き換えを進める場合は、材料自体が生分解性を有することが必須条件と考えられる。

 植物由来のポリ乳酸を原料とした「テラマック」は、微生物や酵素の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解する。ただ「硬い・脆い」といった性質があり、ストローとしては、製造時のカッティングや使用時の折り曲げなどにより、ひび割れや破損を生じやすく、そのままでは実用化には適していなかった。

 この問題点を解決するため、新グレードでは柔軟成分のポリマーおよび無機フィラーなどを適量付与。これにより一定の柔軟性と剛性、加工性を併せもつ最適な樹脂となった。また、紙製ストローは耐久性や強度に問題点があるが、新グレードは従来のプラスチック製ストローと同様の使用感を得ることができるのも大きな特長。

 なお、ストロー向け樹脂グレードは日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークを取得申請中。また、ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明書を取得している。

 今後は、プラスチック製ストローの代替用途として販促活動を進めるとともに、ストロー以外の用途への転用も図り、3年後には年間売上高5億円を目指していく考えだ。

東レ 超高硬度と耐屈曲性の革新的な透明フィルムを開発

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2019年3月26日

 東レはガラス並みの硬度を持ち、屈曲半径1mmの折り曲げに耐える透明アラミドフィルムを開発した。25日に本社で開催した技術説明会で、フィルム研究所の佃明光研究主幹は「当社は独自のポリマー設計によりアラミドのフィルム化を達成していたが、今回、新規ポリマーデザインにより無色透明化に成功した」と語った。

アラミドフィルム
透明アラミドフィルム

 同開発品の特性は、無色透明、耐熱性(耐熱温度300℃)、剛直性(ヤング率(縦弾性係数)10GPa、熱膨張係数(CTE)0~5ppm/K)となる。透明ポリイミドとの比較では、「ガラス転移点は同レベルの性能だが、剛性や

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三井化学 新次元メガネ販促を加速、書店でデモ開催

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2019年3月22日

 三井化学は、発売から1年が経つ電子メガネ「タッチフォーカス」の訴求をさまざまな形で行っている。同製品は、フレームのつるの部分にあるタッチセンサーに触れるとレンズ内の液晶が駆動する仕組みで、必要に応じ瞬時に遠近視界の切り替えができるのが最大の特長だ。

『タッチフォーカス』新色フレームなどを展示
『タッチフォーカス』新色フレームなどを展示

 昨年2月に都内のメガネ専門店をはじめ7店舗でスタートした取扱店は現在、関東・中部・近畿を中心に全国42店舗まで拡大している。今月15~17日、3日間限定で東京・銀座に「タッチフォーカス」のポップアップストアをオープンし、書店の中の特設コーナーで同製品をPRするという一風変わった試みを行った。

 会場となった「銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM」(GINZA SIX6階)に、BAR仕立てのコの字形カウンターを設置。書店を訪れた人に同製品で得られる〝新しい視界〟を体験してもらい、認知度の向上を図るのが狙い。

 「購入者層は男性中心の傾向なので、今回は女性の方にも気に入ってもらえるようなデザインや色をご提案しています」とは、新ヘルスケア事業開発室の岡田好信さん。

銀座 蔦屋書店内に設置したカウンター
銀座 蔦屋書店内に設置したカウンター

 会場には、女性に人気の淡色カラーレンズや、春らしさを感じる新色フレームをいち早くラインアップした。体験者は、世界的なパティシエ高木康政氏が特別に考案した「読書に合うスイーツ」をカウンターでいただけるという特典つき。ちなみに、「ル・パティシエ・タカギ」(世田谷区深沢など)を展開する高木氏は、読書が趣味で「タッチフォーカス」の愛用者とのこと。期間中の体験者数は500人を超え、その場で検眼・成約となる来場者も多かったという。

 同社は、1月の「ウェアラブルEXPO」「ジャパンフィッシングショー」に同製品を出展。今月22~24日には、パシフィコ横浜で開催の「ジャパン・ゴルフフェア2019」への出展予定もあり、ターゲット層の趣味を想定した販売促進に注力している。

 また、「ブリコラージュ」をキーワードに、異業種や顧客とのコラボを模索し、新規な価値創出を図る考えだ。愛用者の増加と販路拡大は、「タッチフォーカス」の進化を加速していく。

 

積水化学 反りに強い硬質塩化ビニル管を4月1日に発売

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2019年3月20日

 積水化学工業の環境・ライフラインカンパニーは19日、近年の気候環境に対応した、年間を通して「反(そ)り」に強い硬質塩化ビニル管「エスロンパイプ・+(プラス)」を、4月1日より全国発売すると発表した。

 同社は、耐食性と施工性に優れている硬質塩化ビニル管「エスロンパイプ」を1952年から製造・販売しており、建築設備の給排水管・下水道管・農業用水管など幅広い分野で使用されている。しかし、硬質塩化ビニル管は日差しの強い夏季に直射日光に曝されると、熱変形を起こし、反りが発生することがある。在庫中に反りが発生すると、施工の際に「勾配がとれない」「配管がしづらい」などの問題が起こる。

 そこで同社は、独自の配合と技術で、2002年には反りを従来の約2分の1に低減する「エスロンサマーパイプ」を、主に戸建て住宅の排水管に使われるVU管(薄肉管)向けに開発し、夏季(5~8月)限定で製造・販売してきた。ただ、近年は急激な気候変動により、夏季だけでなく年間を通じて温度の上昇が観測されている。

 こうした気候変動に対応するため、同社では全面的な性能向上に注力。硬質塩化ビニル管の反りは、管表面への蓄熱による熱変形のため、高い気温の中でも、蓄熱を防ぐことがポイントとなる。また、年間を通じての気温の上昇に対応するため、反りの発生しやすいVU管以外の管種への拡大や、通年での供給へのニーズが出てきている。

 そこで同社は、67年の歴史で初めて、「エスロンパイプ」を全面的に性能向上させ、①年間を通じて「反り」に強い②適用管種が大幅に拡大③保管・在庫管理の簡易化、といった特長をもった「エスロンパイプ・+」を開発した。 

東北大学 全固体電池の高性能化を加速する新物質を開発

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2019年3月19日

 東北大学はこのほど、水素クラスター(錯イオン)の分子構造のデザインにより、リチウムイオンが高速で伝導する新たなリチウム超イオン伝導材料を開発したと発表した。

 錯イオンとは、中心原子に複数の原子が結合した分子構造をもつイオン。開発品は、高エネルギー密度化が実現できるリチウム負極に対し、高い安定性を示すとともに、リチウム負極を使用した全固体電池の固体電解質として用いた場合に、電池の使用時間が大幅に向上することも実証した。

 同大学金属材料研究所のキム・サンユン助教と同大学材料科学高等研究所の折茂慎一副所長らの研究グループは、水素とホウ素から形成された水素クラスターを含む錯体水素化物を中心に、リチウムイオン伝導の研究を進めてきた。今回の成果は、同大学多元物質科学研究所と高エネルギー加速器研究機構との共同研究によるもの。

 同開発は、全固体電池の高エネルギー密度化が一気に加速していく可能性を秘めている。電気自動車やスマートグリッド(次世代送電網)など、大型エネルギーデバイスを社会普及させるには、蓄電池の安全性・エネルギー密度・充放電速度などの高性能化がカギになる。特に、固体電解質を用いる全固体電池は次世代電池としての期待度が高い。現在のリチウムイオン電池と比較して安全性が大幅に向上するほか、液体電解質では使用が困難だったリチウムや硫黄などの高エネルギー密度電極への適用可能性が広がるため、蓄電池の高エネルギー密度化も期待される。

 固体電解質の最も重要な特性はリチウムイオン伝導率。室温(25℃)で1mS/cm以上の、現行の液体電解質に匹敵するイオン伝導率が求められる。同研究の錯体水素化物の特徴は、錯イオンの不規則性を高めることでリチウム超イオン伝導が誘起されること。しかし、不規則性を高めるには、材料を100℃以上の高温にする必要があった。開発品は、高い不規則性を付与した2種類の錯イオンを、さらに適切に混ぜ合わせることで、不規則性をいっそう高めた。結果的に室温付近でも錯イオンの不規則性が維持され、25℃で6.7mS/cmものリチウムイオン伝導率を示した。

 報告されている錯体水素化物の中では最も高い値で、液体電解質の伝導率にも十分匹敵する。水素クラスターのデザインにより、リチウムイオン伝導率をさらに高めることも可能で、同大学らは、今後もリチウム超イオン伝導材料の開発を進めていく考え。

 

東レ 軟包装用向けに世界初の水なしオフセット印刷機

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2019年3月18日

 東レはミヤコシらとともに、食品や生活用品など身近な商品の軟包装材向けで世界初となる「水なしオフセット(平板)印刷機」を共同開発した。

 同印刷機は、東レ独自の水なし平版と水溶性UVインキの併用により、印刷時にVOCを含む液体(湿し水)を使う必要がないほか、印刷後の設備洗浄にVOCが発生しない水系洗浄液を利用できる。

 加えて、UVインキの乾燥に省電力性が高いLED-UVを使うことで溶剤乾燥と排気処理を省き、グラビア(凹版)印刷方式に比べてVOC排出量を98%以上削減し、印刷機1台あたり約80%減となる年間96万kWhの電力消費量削減を実現した。

 VOCフリーシステムのため、排気処理装置や防爆対応設備も不要。また、平版の使用により版代コストを安く抑えられるなど、設備導入コストとランニングコストを低減できるため、軟包装用印刷の多品種化・小ロット化が進む市場に、優れたパフォーマンスで対応する。

 同社は今後も、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ(持続可能性)」の両立をめぐる問題の解決に向けて、革新技術と先端材料で本質的なソリューションの提供をしていく。

 今回開発した水なしオフセット印刷機と水なし平版、水溶性UVインキを組み合わせた軟包装用水なしオフセット印刷システムは、その取り組みの一貫として印刷業界の環境負荷低減に貢献していく考えだ。

 なお同開発は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業によるもの。東レは2016年度から、VOCフリー化や省電力性など環境性能の高い軟包装用水なしオフセット印刷システムの開発を開始。2017年度には印刷機メーカーのミヤコシ、印刷用インキメーカーのT&K TOKA、印刷システムのユーザーである光村印刷が参画し、開発を推進してきた。

東大など 水の「負の誘電率」発見、高エネ密度の蓄電可能に

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2019年3月15日

 東京大学と産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、ナノ空間に閉じ込められた水の「負の誘電率」を発見した。これにより、高エネルギー密度の蓄電デバイスの開発につながることが期待される。

 電気を蓄えるデバイスの一種である電気二重層キャパシタ(EDLC)は、繰り返しの利用による劣化がほとんどなく、リチウムイオン電池に比べ高出力であるなどの特徴がある。

 この特徴を生かして、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載された、小型移動ロボットの動力源として利用されるなど、幅広い用途で利用されており、今後、省エネルギー社会で電力の高効率な利用を可能にする蓄電デバイスとして、応用範囲の拡大が期待されている。

 EDLCは電気二重層と呼ばれる、電子とイオンがペアになる現象により電気を蓄える。このため、より効率的に電気を蓄えるためには、ナノ空間で高密度に電子とイオンを閉じ込める必要がある。

 これまで、イオンをナノ空間に閉じ込める際、イオンに結合している水分子も一緒に閉じ込められることが知られていたが、この水分子の特性は不明なままで、水分子が共存するナノ空間で、効果的に電子とイオンを閉じ込める方法論も知られていなかった。

 東大大学院工学系研究科の山田淳夫教授と大久保將史准教授らのグループは、産総研の大谷実研究チーム長、安藤康伸主任研究員との共同研究により、「マキシン」と呼ばれる層状化合物の層間ナノ空間に、リチウムイオンとともに閉じ込められた水分子が、通常の正の値ではなく「負の誘電率」を持つことを発見。従来未開拓であったナノ空間での水分子の異常な物性を明らかにした。

 さらに、この「負の誘電率」を利用すると、少ないエネルギーでイオンを高密度に蓄えることが可能となるため、高エネルギー密度のEDLCの開発にもつながることが示された。