芳香族も弱含み、ベンゼンは前週比105ドル安に
アジア地域の3月第4週の石化市況で、オレフィン・芳香族とも底値が見えない展開が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に経済活動が低迷していることや、指標となる原油やナフサ市況が下落基調を強めていることが背景にある。
エチレンは、前週比で下値40ドル安、上値30ドル安の510~550ドル/tでの取引となった。ただスプレッドは、
2020年4月14日
2020年4月14日
2020年4月14日
2020年4月13日
2020年4月9日
原油が不安定、2Qの国産ナフサは3万円程度に
C&Fジャパン・スポットナフサ価格は、足元、200ドル前後の低水準で推移している。200ドル台となったのは2016年2月以来、約4年1カ月ぶり。仮に4月もこの状況が続けば、2Q(4-6月期)の国産ナフサ価格は3万円程度となる見通しだ。
ナフサ価格が低迷している背景として、世界経済の悪化懸念と、原油価格の暴落が挙げられる。中国発の新型コロナウイルスの感染は日本をはじめ欧米やインドなど世界各地に拡大。人やモノの動きが停滞したことで、経済活動の混乱が継続した。各国はロックダウン(都市封鎖)といった対策を強化しており、先行き不透明感が増大している。
一方、需要の悪化懸念から下落していた原油価格も、OPECプラスの協調減産が決裂したことで暴落。WTIは3月20日に一時20ドルを割り込む事態となった。米・露・サウジアラビアといった産油国の間で話し合いの動きが出てきているものの、協議は難航するとの見方が強い。
こうした中、スポット・ナフサ価格も下落基調を強めている。2月から3月第1週までは
2020年4月7日
2020年4月7日
2020年4月6日
コロナ影響が拡大、需要減少とベンゼン安が要因
合成樹脂や合成ゴムの原料であるスチレンモノマー(SM)は、アジア市況が500ドル台に急落している。原料ベンゼンとのスプレッドは一時期の100ドル台前半から200ドル前後に改善しているものの、事業環境は厳しさを増している状況だ。
SMが急落した背景として、誘導品需要の減少やベンゼン市況の軟化が挙げられる。新型コロナウイルス感染が中国国内に拡大したことで、物や人の流れが寸断。SMの主用途であるABS樹脂やポリスチレンなどの工場が、春節明けの稼働開始が遅れる事態となった。そのため休暇前に積み増していた在庫が消化できず、需給バランスが大幅に悪化している。
さらに原油価格の暴落に伴い原料ベンゼンの市況が急落したことも、SM市況の下押し要因となった。世界経済の減速懸念から下落していた原油価格は、3月に入りロシアを含めたOEPCプラスの協調減産が破棄されたことで暴落。それに連動し一気にナフサ安となり石化市況は弱含みの展開となった。
ベンゼン市況は、3月第1週は
2020年4月2日
2020年4月1日