三井化学 ゲル新素材の拍手ロボット、ヒトの拍手を再現

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2020年7月9日

 三井化学は、ヒトの肌に近い感触を備えるゲル新素材を使い、ヒトの拍手に近い音を再現する拍手ハンドを開発し、このほど、バイバイワールド(東京都品川区)のエンターテイメントロボット「ビッグクラッピー」の2020年モデルに採用された。

三井化学のゲル新素材を採用した拍手ロボット『ビッグクラッピー』
三井化学のゲル新素材を採用した拍手ロボット「ビッグクラッピー」

 「ビッグクラッピー」は、拍手と音声で楽しませてくれる拍手ロボット。店頭での販促をはじめ、飲み会やスポーツ観戦など各種イベントでその場を盛り上げてくれる。

 よしもとロボット研究所チーフクリエーターも務めたバイバイワールドの髙橋征資代表は、よりヒトに近い拍手音の再現を追求していた。こうした中、東京都中小企業振興公社の紹介が契機となり、両社間で拍手ハンドの開発を開始。三井化学は拍手音を最適化するため、「ビッグクラッピー」の音響テストを実施し、ゲル素材の分子構造を変えることで、様々な硬度や反発性の異なる拍手ハンドを製作した。さらに、音響テストによる時間周波数特性解析を比較することで、ヒトの拍手音に合った広い周波数帯の再現が可能になった。

 近年、ロボットをヒトへ近づけていくために、柔らかい素材でできたロボット部品のニーズが高まっている。ゲル新素材は、三井化学の分子設計技術をベースに、10年以上を費やし蓄積したヒトの肌に近い物理特性を自由に制御する技術により開発した。同社のロボット材料事業開発室では、革新的なロボット向けにプラスチック部品の製造販売を行う。

拍手ロボット『ビッグクラッピー』の全体像
拍手ロボット「ビッグクラッピー」の全体像

 今回の拍手ハンドは、ゲル新素材と金属を一体成型して製造。また、ゲル新素材は、眼科手術練習シミュレーターの眼球モデルへの採用実績もあり、サービスロボットや医療分野など、ヒトの肌に近い柔らかな触感が求められる様々な製品へ応用を図っていく考えだ。

 革新的な新商品を生み出すチャレンジには、新しい素材が欠かせない。三井化学は今後も、世の中のイノベーションを促進するため、長年の素材の知見を生かし、新規事業やベンチャー企業をサポートしていく。

 なお、「ビッグクラッピー」は、赤い扇風機の羽根の部分をタコの頭にしたような外観で、頭上に掲げた両手でパチパチと拍手するロボット。コミカルな大きい目と、音声に合わせて動く分厚いピンクの唇も特徴の1つ。サイズは高さ900㎜×幅300㎜×奥行340㎜。2個の人感センサーを内蔵し、ヒトの動きを感知して拍手と音声が作動する。電源はACアダプタ仕様。現在、レンタル・販売中。

 

三井化学 大牟田工場が大雨・浸水で全プラントの生産を停止

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2020年7月9日

 三井化学の大牟田工場(福岡県大牟田市)は、同地域を襲った記録的な大雨により今月6日に受電設備が浸水したため、全プラントの生産を停止している状況だ。生産体制の復旧時期は現時点では未定としており、出荷については、当面保有在庫による対応を予定する。8日、同社への取材で分かった。また、同市では相次ぎ浸水被害に見舞われたが、当該地区の同社従業員やその家族の安全は確認済みとのことだった。

大牟田工場のプラント全景(写真中央)
大牟田工場のプラント全景(写真中央)

 大牟田工場では現在、「最高品質光学プラスチックレンズ原料」「地球環境にやさしい農薬」「広範な応用可能性を秘めたウレタン」を3本柱として、メガネレンズ用材料「MR」シリーズ、殺虫剤原体「トレボン」「スタークル」、ウレタン原料「TDI(トリレンジイソシアネート)」などを生産している。

三井化学 マスク用ノーズクランプを増強、コロナ禍対応で

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2020年7月7日

 三井化学は6日、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスク需要が増加していることから、同社100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)にて、マスク用ノーズクランプ「テクノロート」の生産設備増設を決定したと発表した。

ノーズクランプ
ノーズクランプ

 1ライン増設することにより、三井化学グループのマスク用ノーズクランプの生産能力は2.5倍(年産マスク30億枚相当)になる。新設備の建設には先月からすでに着工しており、今年10月の完工を予定。今後もマスク需要動向により、さらなる増設を検討していく考えだ。

 同製品は、針金と同様に自由に折り曲げたりひねったりすることができる、形状保持特性を持つプラスチック線材。マスクの鼻の部分に使用することで、マスクを顔に密着させる効果を付与する。耐薬品性に優れ、重量は針金の約6分の1と軽量。また樹脂製のため、それ自体が金属探知機に反応せず、食品・医療用製品での金属混入の確認が容易といった利点も備える、三井化学の樹脂材料技術と延伸加工技術により実現した素材。

サンレックス工業外観
サンレックス工業外観

 同社は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、今回の「テクノロート」のみならず、マスク用不織布「シンテックスMB」、アイソレーションガウン用不織布「PS‐105‐GW」の供給体制を引き続き強化していく。

 

 

三井化学 炭鉱電車プロジェクト、「音の資産」を公開

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2020年7月3日

 三井化学は、福岡県大牟田市の大牟田工場で原材料の搬入などに使用してきた、三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)を今年5月7日をもって廃止とし、運用を取りやめた。 

炭鉱電車にまつわる様々な音をASMR音源で収録
炭鉱電車にまつわる様々な音をASMR音源で収録

 三池炭鉱の時代から100年以上の長きにわたり活躍した炭鉱電車の歴史に幕が下ろされた。同社では、炭鉱電車への感謝と未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を進めており、このほど同プロジェクトの1つである「音の資産」の記録化が完成し、ウェブサイトを通じ公開を始めた。

 記録化にあたっては、ブランデッドオーディオレーベル「SOUNDS GOOD」とコラボし、炭鉱電車にまつわる様々な音を、ヒトの感覚が刺激され心地よさを感じるというASMR音源として収録。「車掌室3.6」「大解剖、炭鉱電車100年の音」「珍しい踏切と手動の線路切替レバー」「宮浦駅のレトロなものたち」の4つの音源を公開した(https://soundsgoodlabel.com/mitsuichemicals/asmr/vb59/)。

 「車掌室3.6」には、炭鉱電車に録音機材を持ち込み、車掌室内で聞こえる、操作音や汽笛の音、トランシーバーでのやり取り、ブレーキ音、踏切の警報器音などを収録。宮浦駅から仮屋川操車場まで片道1.8㎞の運転区間を、一往復する沿線3.6㎞の音とともに収めた。貨車の連結音や鉄橋の通過音、耳を澄ませば乗務員の息遣いまで聞こえてくるほどに臨場感があふれる。他の音源では、炭鉱電車の点検音、作業員の声、どこか懐かしさのあるレトロな警報器音、ポイント切替レバーの操作音、100年を超す木造駅舎の階段の軋み音などがある。

 録音に携わったアーティストでプロデューサーのSeiho(セイホー)氏は、「電車はダイナミック音だけでなく、意外に繊細な音が周りにあって新しい発見だった」と、音源の中の解説で感想を語る。今回、同氏が炭鉱電車のASMR音源を散りばめた楽曲「Sampling―〝MITSUI CHEMICALS on SOUNDS GOOD〟」の公開も行う。誰もが身近な電車の音は、聞く人の脳裏に思い思いのイメージを描き出すことから、同氏が制作するインストゥルメンタルで情景を想像させる音楽と相性がいいという。記者は昼下がり、文庫本を手に木の床のチンチン電車に揺られ、過去から未来へと時空を旅しているような心地よさを感じた。同氏の楽曲は、専用サイト(https://www.youtube.com/playlist?list=PLu8hS8yDJGDoOrkfNSyB5x7sghJJX7gWg)などで公開している。

 なお、映画監督の瀬木直貴氏とのコラボによる、炭鉱電車の「風景の資産」記録化プロジェクトも進行中だ。大牟田市民などから募った炭鉱電車の古い映像や写真、思い出・エピソードをベースに、メモリアル映像の制作が行われている。また、新型コロナウイルス感染拡大により延期されている、炭鉱電車のラストランイベントについても、今秋をめどに準備を進めているとのこと。日程や詳細などは決定次第、三井化学の特設サイト(https://jp.mitsuichemicals.com/jp/coalmine_train/)で発表される予定。

三井化学 名古屋工場が環境負荷低減で「RC優秀賞」を受賞

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2020年6月26日

 三井化学の名古屋工場がこのほど、都市型立地工場での幅広い環境負荷低減活動が評価され、日本化学工業協会(日化協)の「レスポンシブル・ケア優秀賞」を受賞した。

(左から)名古屋工場の大橋正章管理部長、同工場長の尾崎智理事 同製造部の水野喜久裕用役・防災課長
(左から)名古屋工場の大橋正章管理部長、同工場長の尾崎智理事 同製造部の水野喜久裕用役・防災課長

 レスポンシブル・ケア(RC)は、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るまで全ての過程について、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、その成果を公表することで社会との対話・コミュニケーションを行う活動。日化協では、RCのさらなる発展と拡大を図るため、優れた功績あるいは貢献が認められた事業所や工場、部門、グループまたは個人を、「RC賞」として毎年表彰している。

 同社の名古屋工場は、RC基本方針の下、「無事故・無災害の実現」「環境負荷の低減」「地球環境の保全」「ステークホルダーへの信頼」「従業員の健康増進」に取り組んでいる。同工場は名古屋市という都市部に立地していることから、特に環境への配慮については、工場全体で環境負荷の低減を継続的に推進。

 今回の受賞は、地道な活動による温室効果ガス(GHG)削減や、排水・産業廃棄物の削減など工場環境保全の幅広い活動であること、事業再編による工場再構築と並行して工場一丸となって取り組んでいること、都市型立地工場での行政の協力や地域住民の理解を得るために働きかけていること、などの継続的な活動が評価された。

 

三井化学 オンリーワンPU材でGSC賞「奨励賞」受賞

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2020年6月24日

 三井化学はこのほど、「新規バイオイソシアネートおよびその誘導体を用いたポリウレタンの開発」により、新化学技術推進協会が主催する第19回GSC賞「奨励賞」を受賞した。GSC賞は、グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)の推進に貢献する優れた業績を挙げた個人や団体を表彰する制度。

(写真左から)佐々木祐明氏、進藤敦徳氏、中川俊彦氏、山崎聡氏
(写真左から)佐々木祐明氏、進藤敦徳氏、中川俊彦氏、山崎聡氏

 受賞対象となったのは、同社が世界で初めて開発したオンリーワンのポリウレタン(PU)材料「STABiO(スタビオ)」。植物由来のイソシアネートである1,5‐ペンタメチレンジイソシアネート「スタビオPDI」と、その誘導体のポリイソシアネート系硬化剤からなる。従来のポリウレタン材料にはない耐薬品性、耐傷付き性、高光沢を生かし、主に自動車・プラスチック用塗料や接着剤製品としての採用が多い。反応性が高く、低温での硬化や硬化時間の短縮が可能で省エネルギー化を図れるほか、植物由来のために環境にもやさしい製品であることから、その開発が高く評価され今回の受賞となった。

 受賞者は、三井化学の山崎聡氏(現在出向中)、中川俊彦氏(研究開発本部合成化学研究所主任研究員)、進藤敦徳氏(同研究開発企画管理部シニアアナリスト)、佐々木祐明氏(大牟田工場ファイン製造部長)、天津天寰ポリウレタンの森田広一氏の5氏。

 「スタビオ」は、軽量で割れにくい透明樹脂や独特の柔らかさがあるゲルなど、新しい質感を求める用途でも開発が進む。三井化学は同製品の普及を促進することで、再生可能資源を最大限に有効利用する社会実現に貢献していく。

三井化学 ヒトの体温で自己粘着性が発現する新素材を開発

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2020年6月24日

 三井化学は23日、ヒトの体温を感知して自己粘着性を発現する「体温感知自己粘着シート」を開発し、顧客へのマーケティングを本格的に開始したと発表した。

面ファスナーと体温感知自己粘着シート(右)の厚み比較
面ファスナーと体温感知自己粘着シート(右)の厚み比較

 同新素材の最大の特長は、体温で自己粘着性が発現すること。糊を使用せず、シートそのものを人肌に加温することでシート同士が引っ付く性質を持つ。糊成分は不使用のため接着面に糊残りの心配もなく非常に衛生的で、貼り剥がしも繰り返し可能だ。また、素材自体の高い透明性を生かした、商品のデザイン性や意匠性の向上も期待されている。

 同社が想定する用途の1つに、面ファスナーの代替がある。このシートを使用することで、面ファスナー使用時の不満点、例えば、接着面への糸屑などのゴミ付着、破損、着脱時の「バリバリ」という音などを解消できるほか、厚みもより薄く抑えられることから、商品のデザイン性向上にも寄与する。

センサー装着イメージ図
センサー装着イメージ図

 さらに、体温で柔らかくなりカラダにフィットする性質を利用し、衣料(インナー、シューズ、スポーツ、アウトドアなど)、服飾雑貨(腕時計のベルト、眼鏡、ベルト、玩具など)、医療・介護用品(サポーター、バンド、防護服、フェイスマスクなど)の各産業分野での固定部材として、幅広い用途が考えられる。

 新型コロナウイルスの影響により、リモート社会へのパラダイムシフトが始まった社会では、ウエアラブル、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、eスポーツ、医療IoTなどの新たな市場で、カラダに装着するデバイスの需要が急拡大することが予想される。三井化学では、この急成長が見込まれる新市場にも貢献できる新規な素材として、開発品の体温感知自己粘着シートのマーケティング活動を本格化し様々な用途展開を探索していく考えだ。

三井化学 子育てサポート企業の認定、「くるみん」取得

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2020年6月23日

 三井化学はこのほど、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受け、「くるみんマーク」を取得した。2012年より認定を受けており、今回が4度目。

 同認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し一定の基準を満たした企業を、「子育てサポート企業」として認定するもの。同社は、2016年6月~2019年3月の対象期間中に、行動計画「女性活躍に資する研修・セミナーの開催」「育児休業からの復職面談ガイドライン」を策定し、それぞれの運用を開始した。

 同社は、従業員が「生きがい・働きがい」を実感できる職場環境づくりに注力する。育児・介護の短時間勤務措置や介護休暇、看護休暇については法定以上の基準を定め、昨年4月からは不妊治療に失効年休を利用できる制度を導入した。また、ベビーシッターや介護サービスの利用補助など、多様化する従業員の価値観を踏まえた環境整備をし、さらなる次世代育成支援に対する取り組みを進めている。

 三井化学グループは、やりがいのある仕事と充実した私生活との調和を目指し、今後もワークライフバランスの推進に積極的に取り組んでいく。

三井化学 くるみんマーク

三井化学 人事(7月1日)

2020年6月19日

[三井化学・人事](7月1日)▽内部統制室安全監査GL田仲良雄▽生産・技術本部安全・環境技術部森本勉▽内部統制室大阪検査管理GL青木康剛▽フード&パッケージング事業本部企画管理部副部長新宮克巳▽市原工場茂原分工場製造部長、同工場副工場長兼同工場茂原分工場長吉田智明▽三井化学分析センター名古屋事業所溝口光幸▽基盤素材事業本部ライセンス事業部小島輝久▽同事業本部同事業部ライセンスGL上原完。

 

三井化学 日化協の「安全優秀特別賞」を受賞、無災害継続が評価

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2020年6月15日

 三井化学はこのほど、同社の研究開発拠点である袖ケ浦センター(千葉県袖ケ浦市)が、日本化学工業協会(日化協)の「安全優秀特別賞」を受賞したと発表した。日化協安全優秀賞は、化学業界での自主的な保安・安全衛生推進の一環として、安全の模範となる事業所や研究所を表彰する制度。

(左から)井尾博文研究開発企画管理部安全・環境GL、柴田真吾常務執行役員・研究開発本部長、伊藤潔研究開発企画管理部長
(左から)井尾博文研究開発企画管理部安全・環境GL、柴田真吾常務執行役員・研究開発本部長、伊藤潔研究開発企画管理部長

 同社は「安全はすべてに優先する」との経営方針の下、安全活動を国内外の拠点・関係会社へ展開している。今回の受賞は、研究開発に従事する従業員が全員参加で、安全意識向上と安全活動に取り組んだ結果、無災害を継続していることが評価されたもの。日化協・安全表彰のうち研究所を対象にした賞では最高賞となる。

 現在、無災害記録時間は4497万時間、無災害年数は32年2カ月を継続中。同研究施設は、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの成長3領域を中心に、精密合成技術やポリマーサイエンス、競争力ある製造プロセス技術による高機能・高品質の新規素材開発を担う。同時に、保有技術と素材をベースとしたソリューション提供型のテーマを推進し、顧客課題の解決を図っている。

 今後も、グループを挙げて安全活動を実施し、化学産業への持続的発展と社会に貢献していく。